すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

いざ、東京へ。

2011-06-07 00:30:24 | ひとりごと

夫の転勤で、東京に行くことになった。

住んだことはなくても、東京には郷愁みたいなものがある。もう一人の私の居場所がある。

最初に入った会社の1か月に及ぶ研修の日々、
仕事の仲間たちと乗った屋形船、
親友と失恋を癒しあいながらさまよった谷根千の街並み、
山手線の地下鉄のアナウンス、
新幹線のホームに吹き抜ける風、
遠距離恋愛をしていた彼の家、
真夏に一人闊歩した日比谷公園、そして皇居周辺・・・

ああ、きりがない。本当にきりがないな。

夫との思い出が詰まった場所でもある。
初めてのデートも、結婚式も東京だった。

日常から離れるために、仕事をするために、勉強をするために、何かを捨てるために、決断をするために、私は東京に出かけた。

だから、東京は、20代、30代前半の私の断片が、ふわふわと漂っている場所だ。

キリキリとした、ひりひりとした、それでもほのぼのとした、はつらつとした、時間があった場所だ。

生まれ変わるために、必死にあがいた、私の非日常が点在している場所だ。

東京が、日常になる。
むせかえるほどの濃厚な思い出が刻まれた場所が、日常になる。なってしまう。

今の私が、あの頃の自分に会いに行くような感じだろうか。だとしたら、私は、あの頃の自分になんて声をかけるんだろう。

「私は、大丈夫だよ。私は、結構幸せだよ」

きっと、そんな風に声をかけるかな。