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ハンモックビビィTyvekの正直な話

一年を通してシノギングをしている我が商品部内で今やお泊りシノギングに欠かせないアイテムとなっているハンモックビビィTyvekについて正直に話してみようと思う。

まえおき

まだハンモック泊に関する情報が少ない中、初めてのハンモック泊をインサレーションマット+寝袋で挑んだときに感じたのは次のことだった。

  • マットの上にうまく体を乗せるのが難しい
  • マットは寝ているうちにずれてしまい、最悪の場合すっ飛んで行ってしう
  • マットは地面に寝るときほど暖かくないしR値も通用しない
  • 寝袋の背面のダウンは潰れてしまい保温性を確保できない=もったいない
  • すべてが大気にさらされるハンモック泊は想像以上に厳しい

この貴重な体験を経てハンモックで快適に一夜を過ごせる道具=ハンモックシステムの開発に邁進することになった。

あれから8年ものあいだ、春も夏も秋も冬もハンモック泊しかしなかったことで、ハンモック泊に必要な物が見えて来た(つもり)。

こうして開発したのがウキグモであり、モグであり、そしてハンモックビビィTyvekである。

これからハンモック泊をしてみたいと考えている人や、初めてのハンモック泊がウキグモやモグだった人には、ぜひマット+寝袋のハンモック泊を経験していただきたい。マット+寝袋のハンモック泊の不便さ寒さを知ることで、現在の凌ハンモックシステムがどれだけ理にかなっているかを理解することができるからだ。

では、本題のハンモックビビィTyvekの正直な話。

いい(と思っている)ところ

ハンモックビビィTyvekは本当に暖かい。これに尽きる。

これは、タイベックのアルミ蒸着面が体温を反射すること、タイベックに防風性があること、タイベックに適度な厚みがあること、ビビィの両端を絞れること、この4つの要素によって得られる効果だと考える。これまでの凌ハンモックシステムで一番保温性が高かったのは、ウキグモウンカイで、ウキグモのリバーシブルキルトをフルカバーにする厳冬期モードだった。ところが、これと同じくらいの保温性をハンモックビビィTyvek+モグ350で得ることができるのだ。そしてこちらのシステムの方が567g軽く、パッキングスペースも節約できる。凌はULではないので重さにはそこまで敏感ではないが、ただでさえ荷物が重くなる厳冬期に、深雪にずるずると足を取られるばかりのシノラッセルのことを考えるとこの軽量化はありがたい。このシステムで-10℃ほどまでは暖かく寝られることを何度も確認している。昨年の冬はあまり冷えなかったのでちょっと物足りなかったが、過去にウキグモ+ウンカイで-17℃、モグ500で-14℃を凌いだことを考えるとハンモックビビィTyvek+モグ350でも凌げるだろうと考える。

リッジラインに吊って座ることで防風効果が得られ背中が暖かい。

では、暖かいってどれだけ暖かいのか? 残念ながらこれを明確に表す基準がない・・・。「明日朝六時の気温は3℃でこの冬一番の寒さとなるでしょう」と言われれば、どのくらい寒いかの想像がつくものだが、ハンモックビビィTyvekは本当に暖かい、としかいうことができない。仮にサーモグラフィーで表面温度を可視化したとしても正しく伝わるとは考えにくい。

「暖かい」の前提として、寒さに鈍感な輩が、ヨヒヤミアグラスカートを着てダウンソックスを履いて寝て感じたことなので、寒がりな人は例えばモグ350をモグ500にする必要もあろうかと思う。

遮光性が高いので外が明るくなってきてもぐっすり眠れる。たまに寝坊しそうになる(笑)

わるい(と思っている)ところ

きれいにたたまないとパッキングしにくい。

タープやヨヒヤミなどはパッキングの最後にそのままバックパックの隙間に突っ込むことができるのだが、タイベックは意外とガサガサするのでこれと同じ要領ではパッキングしにくいのだ。

リッジラインを張るのが面倒。

リッジラインに吊って顔のまわりの空間を確保できるのはとてもいいのだが、へとへとの時にはリッジラインを張るのでさえ面倒なときもある。これは頑張るしかない(笑)

首元の位置のループが右側(ハンモックビビィに寝た状態で見て)にしかないので少々使い勝手が悪い。これは次の生産時には改善する。

真っ白なのでだんだん汚れてくる。

買うなら今がチャンスかもしれない

この記事を書いている時点で在庫はあるけれど、この円安が続くとなると次の生産ロットでは販売価格を上げざるを得ない状況だ。それもかなりの値上げに。例え円安が収まったとしても生産に関わるすべての費用が値上がってしまったので、現在の価格で販売できることはもうないと考えている。迷っている人がいたら今のうちに買っておくことをおすすめする。これも正直な話である。

 

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