四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
松山 アウトドアーズ・コンパス 出張シノギングの様子
夕方近い時間にお泊り志願のシノラーが5人集まるとさっそくハンモックポイントまでのルートを確認する。明日の朝には日帰り組と合流する都合があるのでなるべく近いところで決着を付けたい。
ルートを確認してさあスタートと思ったところで低山小道具研究家の森勝氏からさっそくパッキングのアドバイスが入る。
パッキングが整った(というか、それ以上どうにもならない)ので凌ぎ始めることにする。まずは目の前の竹林の壁を直登!
急な斜面に手がかりを求めてつかんだ茶色竹は朽ちていて、あちこちで「バッキバキッ~」と乾いた音が鳴り響く。「茶色は気をつけろー」「茶色は気をつけろー」とみんなで声を掛け合いながら凌ぐ。
こちらは茶色保護色のO氏
尾根状になっている竹林右手の谷の縁にまわりこむと少しは歩きやすくなった。
おやおや?羊歯?羊歯地獄?過去の苦い思い出がよみがえるが、ここはそれほどでもないみたいだ。
主尾根に乗ったところで吹き出す汗を押えつつ、油の木の見分け方講座。油の木とマッチがあれば焚き付けはうまくいく。こういうことを実際にその場で知ることができるのがシノギングイベントだ。
ハンモックポイントを確認している間に片結びだけでできる簡単ロープワーク講座。
ここで予習しておいて、この後のタープ張りでさっそく実践というわけだ。
調子の出てきた森勝氏が間髪入れず「マッチ一本火事の元」ならぬ「マッチ一本着火術」を披露。物理を知れば難しいことはない。必要なことに気付くかどうかが分かれ道だ。
みなさんそれぞれの場所で一夜を凌ぐための設営。
ヤナギニカゼとモグ350をお貸出し。今日は暑いくらいだし、明日の朝も暖かそうだからこれで楽勝でしょ。
それぞれに工夫を凝らす。
設営が落ち着いたので自分の家に戻って晩酌。改造したピコグリルから狂ったように炎が上がる。
今夜のお供は今治の酒「山丹正宗」キレのいい辛口。スーパーには山丹がずらりと並んでいてうらやましい限り。
こちらは小さいウッドストーブで純粋に焚火を楽しむ。
ぐーすかぴー。
ソロストーブでひたすらウインナーをあぶり続ける先生。
茎わかめをしゃぶり、酒も少なくなってきたので寝るとしよう。しかし、この時期にまだ蛾が飛んでいるとは、温暖なんだな~。
翌朝、最低気温は11℃ほどだった。あたたかい。お試しでウキグモを使った先生曰く「暑かった」(笑)
日帰り組のみなさんと合流し、歩く方のシノギング本編の始まり~。まずは想定される現在地を地形図にマーク。そしてこの先辿る尾根の起伏と方位をあらかじめ頭に入れておく。
尾根上にある送電鉄塔を目指して急斜面に挑む。どうやらこの辺りは竹が旺盛。
642mの三角点を通過。
そこから尾根は緩やかに下り一旦開ける。
ほどなくお目当ての送電鉄塔に到着。松山西線、ご立派!
森勝氏から地形図プロファイリング術の説明。そこで見つけたものを地形図上に記録して自分だけの地図を作る。
日帰り組のみなさんに簡単ロープワーク講座。
竹藪に向かって黙々と・・・。
お縄・・・。
そしてそれぞれに昼休憩を楽しむ。
ここでもウィンナーを炙る先生。
ものすごい勢いでいろいろ吸収中のお二人。大阪からの参加、ありがとうございます!
全然歩かない最近のシノギングとは違い、本日この後の行程がやや長いのでお昼休憩を早めに切り上げて出発。
竹林の急斜面をトラバース。
「茶色は気をつけろー」「茶色は気をつけろー」
峠に立つと青い竹林に一本の道が、かつて集落があった谷へと続いている。
現在地を確認し、この先辿る尾根の情報を頭に入れる。
鉄塔巡視路を兼ねているようだ。
地形図の通り三つの小さな凸を越える。三つの凸に気付く人と気付かない人。地図読みのセンスが分かれる・・・。
669mの三角点を経由して尾根を辿ると電波塔に出る。地形図の通りだ。
高台にある廃墟を見学。
ちょっと霞んでいたが瀬戸内の海が見えていた(らしい)。
しばし展望を楽しんだ後は再び日陰の道を辿る。ぞろぞろぞろ。峠の分岐を神社のある方に進む。写真はないがもう人の住んでいない家屋がぽつぽつと・・・。
もう実をとる人がいなくなった柿の木が青空に物悲しい。
神社の立派な木の鳥居は根元が朽ちて倒れている。
詣でる人、守る人がいなくなってしまった神社。広い土地の立派な神社なのに・・・。
赤茶色のオート三輪。
乗り捨てられたかのような軽トラ。
青すぎる竹林。
尾根を辿り、茶色に気を付けまた辿り、廃村を通り抜け、バッチリ決まったシノギングに大満足! ・・ですよね?
最後に決して笑ってはいけないやつで〆 @松山西線
お泊まり組のみなさん、日帰り組のみなさん、シノギングへのご参加ありがとうございました。
会心のシノギングでした!
あっという間でしたが楽しい時間を共有できてよかったです。
週末にもかかわらずこのイベントの開催にご理解とご協力をいただいたアウトドアーズ・コンパスさん、同行してくれたKのT氏、ありがとうございました。
シノギングの情報は書籍では入手できず、ネットでもほぼ入手できません。少しでも興味を持っている人はぜひシノギングイベントに参加してください。この手記に書かれていることはシノギングのほんの一部です。実際に参加することでシノギングのいろいろを知ることができます。
巷で話題のものを買って満足するのではなく、自分に合うものを見極めて使いこなすことが大事。シノギングイベントでそのことを感じ取ってもらえるはずです。
おわり
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