四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
甲府SUNDAY 出張シノギングの様子
当初は6月に「雨を凌ぐ」というタイトルで開催予定だったこの出張シノギング。いろいろと日程の都合で酷暑の8月開催となった。そうなりゃ暑さを凌ぐしかないでしょっ!という事で、出張シノギングでは初の沢歩きのはじまりはじまり〜。
沢歩きでも尾根歩きでも、最初にやることは同じ。本日の地形図を配って現在位置の確認と、もし何かあった場合にはどの方向に行けば集落に出るかなど、基本的な情報を共有する。一般コースのハイキングでは道標に従って歩くだけなので、おそらくこういう確認をすることはないだろう。シノギングは自己責任による自立した山歩きだ。そのことを意識してもらうと、頭に入れておくべき情報の質が変わる。
それから、こちらも基本中の基本。コンパスを使って方位の確認。4方位から8方位へ、8方位から16方位へと徐々に細かくしていけば方位の理屈とコンパスを見るコツがわかる。毎度毎度同じことばかりやって、と思うかもしれないが、これ出来ない人多いんですよ。だからやる。シノギングを続けることで山歩きに必要な幅広いスキルが身に付くのだ。
基本的な確認が済んだらいよいよ沢へ!
初めての人は何となく躊躇するかもしれないが、流れに足を突っ込んでしまえば、もう濡れようがどうなろうが構わなくなる。
・・・と、いきなりお目見えしたのは早くも本日のクライマックス、深い釜のある4mの滝。いく筋もの白い流れが美しい。まずは近付いて様子をうかがう。
右側からも登れるが浮石が多くやや難しい。
左側からの方が登りやすいが高所が苦手な人は大きく左に巻いたほうが無難だ。
無事にクライマックスを過ぎると穏やかなナメが続く。
もう難所はないのですたすたと歩けてしまうが、それではあっという間に終わってしまうので、甲府市内は今頃35℃を越えているであろうことを思い、ここで暑さを凌げる喜びをかみしめながら歩いていただく。
途中の平坦地で森まさるショーのロープワーク。シノギングに必要なロープワークは片結びを応用するだけでできてしまう。
わいわいがやがや。おそらくネット検索では出てこない情報。このイベントではシノギングに必要なことをこの目で見て生で体験できる。
たくさんのロープワークを手品のように披露するのではなく、できるだけシンプルな方法で凌ぐ。それがシノギングの基本であり凌の美学にも通じる。そうすればツェルトを短時間できれいに張ることもできる。
目から鱗の森まさるショーの後は再びナメを歩いて暑さを凌ぐ。
沢の右岸も左岸も開けているので、明るくて歩くのが楽しい沢だ。
ときどき、ちょっとした滝や、
腰までつかるくらいの淵があったり、
ゲロゲーロが流れて来たり(笑)何かと飽きることがない。
こちらはやや深い釜のある2条のナメ滝。SのI氏が腰までつかって挑む。
手がかり足がかりはしっかりあるので難しくはない。
登ったら滑る!最高のウォータースライダー。ずぶぬれになっても構わない。だってそのつもりで来ているんだから。
そろそろお昼の時間になってきたので開けた場所で休憩。こちらは入荷したばかりのEXPED Travel Hammock Mesh Kit WideにくるまっておねむのSのI氏。巾の広いワイドタイプは蚊帳代わりにもなるかも?
ウォータースライダーでドボンした後はハオリモノoctaに水を吸わせれば身体を冷やすことがない。ベテラン先輩もハンモックを気に入ってくれたようだ。
ベテラン先輩の300円セット。これでカップ麺二人分のお湯が余裕で沸かせる。もちろんカップにすべてスタッキングできる。最新の道具を所有することが格好いいのではなく、工夫して使いこなし、自分のモノにできることが格好いいのだ。
シノギングの休憩は最低でも2時間。ゆっくりご飯を作って食べて昼寝する時間がある。
休憩中にお邪魔して参加者のみなさんとお話しする楽しい時間。
俺は、思わず足にピントをあわせた(笑)
すこし離れたところでのんびり休憩中に話しかけてしまったので、カップヌードルはおそらくのびのびになってしまったでしょう。すみませんでした!
ハンモックに木洩れ日。うとうとするよね~。
しまいには、ハンモックでごろごろしながら、テレビでも見るかのように森まさるショー第二部を見るベテラン先輩。これでいいんです。寝方も正しいです(笑)
2時間という休憩もあっという間に終わり、またまたナメ沢を歩き出す。それにしてもずーっとナメていやがる。
だあれもいないとこんな感じ。なにこれ、最高でしょう。
林道が見えてきた。まだナメていやがるぜ。
この先もしばらく沢歩きを楽しめるが、そろそろお時間なので、橋をくぐったところで脱渓。
予定では尾根を地図読みしながら降りるはずだったが、そろそろお時間なので林道で時間短縮。楽しすぎてあっという間に時間が過ぎていた。計画通りにいかなくても臨機応変にプランを変更できるのもシノギングの自由なところ。山頂でお昼を食べよう!などと言う考えがないからできる自由な山歩き。
結局また今回も、とっても狭い範囲をうろうろしただけだったが、これこそシノギングなのだ。
最後にナメ沢にて、笑ってはいけないやつ。ナメんなよ・・・。
参加者のみなさん、楽しい時間をありがとうございました!
また、シノギングでお会いしましょう。
そして、この企画にご理解をいただき、お忙しい中同行して下さったSのI氏、Mさん、ありがとうございました。
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