四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
5月18日「城址をハカマスカートで凌ぐ」の様子
昨年は初の奥武蔵での開催、その前はコロナ禍などのごにょごにょがあり、実に5年ぶりの高尾エリアでの開催となった「ハカマスカートで凌ぐ」の回。どうりで久方ぶりに感じたわけだ。。
皆集合の後、いつもの場所で簡単にご挨拶し、早速ハカマスカートorアメノスカートを強制お貸し出し。正装に着替えてもらう。一気に怪しい集団に早変わり笑
定番のクナイや、希望者へは完全体になるためのミチクサ・ノラギのお貸し出しも。そして凌シノギングについて、ハカマスカートについての想いをつらつらとご説明。程よい時間にてバスで城址への入口へ。。
本日は晴天也。到着してからも少しお話をしたかったので頃合いの良い日影を探す。少しはみ出るがここらで良いか。
そして城攻めに備えて、コンパスチェック。
初めての方含め皆優秀でオールOK。
次いで地形図の見方について。今回はほぼ観光地の登山道がメインで、且つ城地形で少し特殊になるため、がっつりとした地図読みは端折るが、感覚だけでも掴んでもらえるように。
そうしてようやく出立。今回はハカマスカートの有用性を感じてもらうべく、歩きがメイン。そしてその容姿で人目を凌いでもらう事も裏テーマ。
このくらいの整備された登り道は全然余裕。山にロングスカートなんて!と思われるかもしれないが、脚さばきに関しては意外に結構問題ない。
鳥居をくぐればいよいよ城攻め。ハカマスカートならばグッと雰囲気も増す。
夏日となった本日。新色の木陰に大いに救われた。(汗だくにはなったけど!)
適度に他の登山客、観光客もいらっしゃり、十分人目を凌いでいただけそう。特に男性諸君はこの見られている感からの羞恥心を如何に克服するかが肝でもある笑
そして個人的にハカマスカート行脚写真撮影を大いに堪能させていただく。集団で歩くとそれはそれは絵になるのである。
特急さんや下りのすれ違いも多いので、途中途中立ち止まってはミチクサ話を挟み、先を譲る。
見晴らしポイントでは一瞬立ち止まるも、こんなところで留まっていては死角からやられてしまうので、そそくさと進む笑
石段との相性抜群!一人テンションが上がる。
後半グループと新しく様変わりしていたお社周辺を観察していたらば、先頭グループと逸れる。我々は本丸を目指すもそこに姿はなく、、恐らく本丸はスルーして展望台経由でトラバースしているであろうと察し、本丸からのちょっぴり藪漕ぎ道で尾根沿いに辿り、その先での合流ポイントを目指す。
その交差する鞍部ポイントに近づくと左手から集団の話し声が聞こえ始める。。予測通り、そしてタイミングもぴったりに鞍部で無事合流。
この辺りまで来ると、一気に人気も無くなる。さてこの辺りで先頭交代としようか。
先にも述べたが城跡という事で、その当時の地形、道も微かに残っている。これがある種迷路のような状態で、行くべき道をまどろっこしくしている。それに騙されないように、あくまで「尾根」をタドル事を意識してもらう。
という事で、初めての方含む女性陣を先頭に再出立。
開始からクネクネとフミアトのような?道のような?紛らわしい道がトラバースや尾根上に点在。少し惑わされつつも、「尾根をタドル」を合言葉に難所を切り抜ける。
感覚的にか、尾根からズレたフミアトをタドルように最後のザレタ下りをこなすと。
地形図では普通の鞍部だが、実際は堀切で切り出されたような地形。正直に尾根を辿っていたら、まんまと崖に落とされていたところだ。
この辺りはやはり城跡周辺での地図読みの難しい所。。自然に出来た地形での地図読みが通用しないケースもある。地形図だけに惑わされず、広い視野を以って実際に周り(山)を観察しながら進む事が重要になる。そういう意味では先頭女性陣は良く周りを観察できていた!
今となっては様々な人のフミアトで道がついているが、当時の堀切だったらこんなに楽には登れなかったであろう。。
暫く緩い登りが続く。どことなく当時の面影が随所に感じられる。
するとひょこっと拓けた小ピークに到達。ここは且つての天守閣跡地。これにて城攻めは完遂也!
停滞程々に先を急ぐ、するとまた大きな堀切へ。
下から見上げる其れは、本当に壁のよう。。
対岸はツヅラヲリについた道でジグザグに登り上がる、城攻め完遂の八人の侍が颯爽と。
登り上がるとこの辺りの主稜線と合流。見晴らしも良く、他登山客も多いこの地点でコンパクトなお昼休憩とする。
いつもはハンモックで休憩、、となるが、たまには普通の登山者の気持ちを理解するのも大切か?
どちらかというと、またまた人目を凌いでもらためにこの場所としたところもあるが笑 しかし、これはこれでハカマスカートを穿いた素浪人的な休息と捉えれば、悪くはないか。
十分人目も凌いでいただいた所で、この後のルートについて少し談義。時間オーバーするかもしれないが、当初のルートをタドル事にする。
そうと決まれば、いざ再出立。
基本的には下り基調でペースも早まるが、焦らずゆっくり自分たちのペースで。時折現れる登りでも上手くペース配分しながら進む。
そうそう、ハカマスカートは広めの裾巾+プリーツのマチもあり、意外に踏んづけづらく難なく下れる。大きな歩幅の時は注意が必要だが、穿いていると何となく感覚でこの歩幅は危ないかな?というのが分かると思う。最悪人目を気にしなければ、裾を捲り上げてしまえばOK。強いて言うなれば、足元の視界はスカート広がりによって決して良くはないので、その点注意は必要。後は虫対策か。。
皆それらの感覚にも完全に慣れていただいた様子。
この後、少し急で厭らしい下りに入るも、そこも皆さん難なくクリア。
ここでようやく上質な其れを発見。油の木が見てみたい!という初参加の方の要望に応えられた。森勝氏が手際よく樹皮を削り、着火の儀式に入る。
すかさず着火。黒い煙が油の特長。天然のティンダーウッドはその辺に転がっているのだ。このノウハウの詳細を知りたくば、シノギングイベントへ参加されたし!
そしてようやく目指していたモックポイントへ到着。本来はここでお昼休憩としたかったが、、流石に距離的に長すぎたか。
ここで、満を持しての新製品凌ハンモック「ゲッカビジン」2型をお披露目。想いを伝え、質疑応答にて暫し談義。
ついつい談義が白熱してしまったが、ここらでお開き。
再々出立前に、、この後は下りで終わりとなるが、最後の最後に少しいや~な斜面下りが待ち構えている。厳しい森勝氏による靴紐チェックが入る。
時間も押しているので、先導にて進む。
最後の斜面入口。尾根を完全に辿ると道路で寸断されてしまうので、その手前で渓側に斜面を凌ぐ必要があるのだ。
落ち葉やザレでグズグズではあるが、灌木を手掛かりに、重心を山寄りに意識しながら、着実に下っていき。
皆汗だっくだくになりながら、無事帰還。ついつい笑みがこぼれてしまうよねー。
久しぶりのサティアンは相変わらず不気味な様相で。。
クネクネと道をタドリ、完全に下界に合流。日差しがまた暑い!
ここからの下道も意外に長かったが、ハカマスカートロングシノギングの余韻に浸りながら、テクテクと駅への帰路に就くのであった。
いや~久しぶりの長丁場であった。それでも普通の一般登山で歩くようなコース距離なのだが、普段の日帰りシノギングと比べてしまうと、如何にシノギングが短い距離にギュッと詰まっているかが良くわかる。この比較も時には大切なのかな。
決して笑ってはいけない奴にて〆
今回はシノギングらしい地図読みは影を潜めてしまいましたが、汗を凌ぐための「ハカマスカート」を、長く歩いて試していただく事で、その有用性と意外な汎用性に気付いていただけたのでははいでしょうか。アグラスカート同様に、その見た目の奇抜さに注目が集まりがちですが、とても実用的で凌らしい製品なのです。このような形デザインになったのにはちゃんと意味があるのです。これを機にハカマスカート狂に転じていただければ幸いです!(これからのシーズン、虫対策はお忘れなく)
シノギングの情報は巷に溢れていません。気になる方はまず、このシノギングイベントに参加してみて下さい。この手記から得られる知識情報はほんの一部で、文献では得られない体験がこのイベントには詰まっています。実際に参加することでシノギングのあれやこれやを知ることができるでしょう。即ち百聞は一見に如かず。
凌は美学
いつ何時でも所作、立ち居振る舞いを美しく
いつ何時でもあたふたせず、まごまごせず
道具に踊らされず
凌ぎ
美を追求すべし