アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (55) クヌギとコナラ(2)

2021-05-18 16:00:00 | みんなの花図鑑
こんどは コナラのほうです。

こちらも 花というか、受粉した雌花(どんぐりの赤ちゃん)が対象になります。


コナラ1

雌花は やはり新枝先端の葉腋から出た柄に 複数個つきます。


雄花と雌花の初期については こちら を参考に。



雌花が付く若い枝の葉の鋸歯は 先端側半分だけのことが多いようです(未確認)。




こんなふうに けっこう集まってつきます。



少し近づいてみました。



さらにクローズアップしてみました。
頭に 3つに分かれた柱頭が 黒ずんで残っています。
拡大して見ると分かりますが、コナラのどんぐりの赤ちゃんは(クヌギとちがって)鱗のような殻で覆われていません。




そのかわり、縄文みたいな輪模様が付いています。





コナラ2

別の個体です。



若い果実の輪模様がまだ見えないので、先の株と比較して若干若いようです。



でも、もっと拡大して見ると、輪模様は付き始めていることが分かります。





コナラ3

コナラの葉のおさらいをしておきます。
「葉縁には大型のやや円みを帯びて鋭く尖るきょ歯がある。」(葉と枝による樹木検索図鑑「コナラ(ブナ科コナラ属)」)




若葉は 葉先半分くらいしか鋸歯がありません。




前回のクヌギは2年かけて立派などんぐりに成長しましたが、コナラは1年で(今年の秋には)どんぐりになってしまいます。
忙しいのです。



柱頭が黒くなって その下の輪模様がはっきりしてきています。








樹に咲く花 (55) クヌギとコナラ(1)

2021-05-18 10:19:08 | みんなの花図鑑
樹に咲く花シリーズ、だいぶご無沙汰でしたが、いちばんやりたかった「クヌギとコナラ」の雌花の特集をようやくとりあげます。

まずは クヌギから




季節は移り、クヌギとコナラで今見ることが出来るのは 雌花(というか どんぐりの赤ちゃん)です。


雄花と雌花の初期については こちら を参考に。



クヌギとコナラはよく似ています。
木肌を見ると クヌギの木肌は縦に割れ目が荒々しいです。
でも一番よく分かるのは 葉の縁のトゲのような鋸歯でしょう。




雌花は 今年新しくできた枝(本年枝)に出来ます。
「雌花は新枝の上半分の葉腋につく。(樹に咲く花)」(松江の花図鑑「クヌギ」)



アリさんが登ってきました。今はまだ どんぐりの赤ちゃんとアリの体長と同じくらいです。



拡大して見ると、クヌギのどんぐりの赤ちゃんは 体半分が魚の鰓(えら)のようなもので覆われています。

(次回は コナラを特集します)