アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

白い樹の花 - 6月も終わりです

2024-06-30 22:00:00 | みんなの花図鑑
6月が終わる前に、6月の白い樹の花の駆け込み投稿です。

タイサンボク

純白の玉はタイサンボクの開花寸前の つぼみです。



初期のつぼみはこんな風に細長いのですが。



同じモクレン科の中でも花が咲くのが遅いので、他の花と鑑賞時期をずらして、長く楽しみたいときに重宝する庭木と言えます。



ただし花が咲くのは3日間ほど。




すぐに花弁(正確には、萼と花弁の区別がなく、花被片は9枚)と雄しべが落ちてこのような姿になります。





トウネズミモチ



これは安城デンパークの正門を入ってすぐの景色です。
白い花が咲いている大木はトウネズミモチです。






トウネズミモチはネズミモチによく似ています。でも簡単に区別する方法があります。
葉を裏から透かして見て 葉脈が透けて見えればトウネズミモチ、不透明ならネズミモチです。
でも最初の画像のように遠くにあって手が届かないときはどう見分けるの?





ネズミモチとトウネズミモチは咲く時期が1か月ほどずれています。
簡単に言って、
花が5月に咲いていれば ネズミモチ、
6月に咲いている花は まずトウネズミモチで間違いないでしょう!(^^)!





イボタノキ?

あと、安城デンパークで咲いていたこのネズミモチによく似た木なんですが…



ネズミモチやトウネズミモチに比べて葉がずっと小ぶりです。



ということで、この木はイボタノキではないかと推定しているのですが、



花だけ見ると、トウネズミモチにそっくりです。





サンゴジュ

白い花と言えば、こんな花も6月の白い木の花です。



葉っぱはネズミモチの仲間に比べ 艶々しています。



ガマズミ属なんですが、花は散形花序と言って、ガマズミの散房花序のように上面が平らにはならないようです。










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ノラニンジンにアカスジカメムシ

2024-06-29 23:00:00 | みんなの花図鑑



セリ科の何かであることは間違いないのですが、ノラニンジンか?フェンネルか?ディルか?
花後のセリ科はよく分かりません。






セリ科の花と言えば、必ず来るのが このアカスジカメムシ(Graphosoma lineatum)。





アカスジカメムシはセリ科植物の若い実の汁を吸うのだそうです!



アーカイブ




ニンジンの花は 雄性期→雌性期 と移行する雄性先熟花!
そして カメムシは この果実の実を吸うのです!





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not 《萼》アジサイ, but 《額》アジサイ

2024-06-29 12:00:00 | みんなの花図鑑

ガクアジサイの「ガク」は 「萼」ではありません。中心部の本当の花(シベシベしい部分)を真花といいますが、その周りにあって、絵を囲う額縁に見えることから「額アジサイ」と呼んでいます。
絵の額部分を担当する花を「装飾花」と呼んでいます。花弁のように見える部分は実は「萼片」の変化したものであることはご存じのことと思います。
でも、装飾花は「萼だけ」で出来ているわけではありません。ちゃんと中心に(退化した)雄しべと雌しべがあります。上の画像のガクアジサイの装飾花にはちゃんと花弁もあります。
もしも萼だけの花があったら、それは植物ではなく化け物でしょう "(-""-)"




よく知られているように、一般に見られる手まり状のアジサイは、このガクアジサイ(原種)を改良したもので、花すべてが装飾花となったものです。




私はあとから出来た装飾花ばかりのアジサイよりも原種アジサイのほうが好きです、シベ(をもった花)があるから。



アジサイのことをよく「よひら」と呼びます。風流ですね。
でも、本当はアジサイの花弁は「五ひら」なのです(´∀`)



「四ひら」というのは 額を担当する装飾花(飾り花)のほうの萼片が「四ひら」が多いことから来ています。



この小さな花には、小さい三角形をした5枚の萼片、楕円形をして先のとがった5枚の花弁、10本のおしべ、3~5本に分かれた1本の めしべ があり、実を結びます。
繰り返しますが、本当はアジサイは「五ひら」といったほうが良かったのです !(^^)!







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サボテン 「ナイト・ドリーム」

2024-06-28 22:00:00 | みんなの花図鑑
6月27日、安城デンパークの園内を歩いていると放送があり
「フローラルプレイス(大温室)のサボテン 「ナイト・ドリーム」が咲いています。開花は一日限りなので皆さまお見逃しなきようお越しください」
ということで、見てきました。




安城デンパークのサイトの説明
「掲載:2024年06月27日
フローラルプレイス しあわせの塔東側
ナイト・ドリーム(Selenicereus macdonaldiae × pteranthus)はメキシコ原産、サボテン科の熱帯植物「夜の女王」と「夜の王女」の交配種です。形質は2種の中間型となっており、華やかな花が数輪まとまって咲くのが特徴です。本来は夜咲きですが、開花調整を行ない、開園時間にご覧いただけるようにしました。
花は一日限りとなります。お見逃しなく!」







ナイト・クイーンとナイト・プリンセスを交配してこのナイト・ドリームが出来たという訳です。






解説板の説明(サイトの説明とほとんど同じですが)
Denpark Collection
ナイト・ドリーム
開花時期 : 6月中旬ごろ
ナイト・ドリーム (Selenicereus macdonaldiae × pteranthus) は
メキシコ原産、サボテン科の熱帯植物 「夜の女王」と 「夜の王女」の交配種です。2013年6月28日に同時開花した2種を交配して、2015年に初開花しました。
形質は2種の中間型となっており、華やかな花が数輪 まとまって咲くのが特徴です。本来は夜咲きですが、 開花調整を行ない、開園時間にご覧いただけるように しました。花は一日限りとなります。








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モクゲンジ - ムクロジ科

2024-06-28 12:00:00 | みんなの花図鑑

安城総合運動公園の野球場の両サイドにモクゲンジが植わっています。
モクゲンジはムクロジと同じムクロジ科の植物で、どちらも堅くて黒い種子がなり、数珠の起源説があります。





学名は Koelreuteria paniculata。
小種名がpaniculata (円錐花序) という名前の通り、見事な円錐花序です。
英名は Golden rain tree










上は雄花です。
左が咲き始め。咲き始めは雄しべの名褐色の葯がドーナッツ状にくっついています。
成熟すると、右のようにドーナッツがばらけ、独立して立ち上がります。
モクゲンジの花でいちばん面白いのは、(左のような)花弁の中ほどがあるとき折れ曲がり反転して(右の花のように)反り上がることです。





折れ曲がったライン上に、初めは黄色で後に真っ赤になる付属体という飾りが付きます。




クマバチが止まっている花が 雌花です。
雌花にも雄しべがついているので、雌花というより両性花と言った方が良いかもしれませんが、こちらのおしべは退化気味のようです。

















以下は 2018-07-11に撮った同じ公園のモクゲンジの果実です。





果実の大きさは同じムクロジ科のムクロジと比べてずっと小さく、つる植物のフウセンカズラよりちょっと大きいくらいです。






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ヤマモモ - またの名を「火実」

2024-06-27 21:00:00 | みんなの花図鑑
6月上旬、安城デンパークにて



ヤマモモは「ヤマモモ科ヤマモモ属の常緑樹。また、その果実のこと。夏に実る赤い果実は生食でき、甘酸っぱい独特の風味があり、ジャムや果実酒にも加工される。」(wiki「ヤマモモ」)



「山桃は山に生えて桃に似た果実をつけることが名前の由来とされているが、桃とは全く似ていない。」(楽天ブログ・ひこじいさん「火実の名前がピッタリ」)

同感です!



「漢名は楊梅で、そのほかに山桜桃や火実などがある。これらの名前の中では、火実が最もその実体を言い表しているように思える。」(同上)

まったく同感です !(^^)!




以下、ヤマモモ(火実)・アーカイブ

運動公園のヤマモモです。いつの間にか食べごろに近づいてきています。



ヤマモモの実は桑の実に比べると大きくてとってもジューシーで美味しいです。





柳川瀬公園にて
黒くなった実を食べてみましたが、ジューシーで 美味しいです。






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白のキョウチクトウ - 安城デンパークほか

2024-06-27 11:00:00 | みんなの花図鑑
安城デンパーク

安城デンパークに植わっている私の好きなキョウチクトウです。



以前デンパークさんに 品種名を尋ねたことがあるのですが、 こういうお答えでした。

「白のキョウチクトウの内側の花弁に赤いストライプが入るのが特徴のキョウチクトウで、
多花性の選抜種ですが、明確な品種名はありません。」
















私鉄プラットフォーム

ここは最寄り私鉄駅のプラットホーム横。白いキョウチクトウが涼しそう。




キョウチクトウは車の排気ガスや大気汚染にも強く、緑化樹として公園や緑地などで植栽されています。




でも、茎や葉のみならず花も毒性を持っています。



食べたら美味しそうな花弁ですが、くれぐれも口に含んだりしないでくださいね








電車がホームに入ってきました。
私鉄は名鉄電車でした (´∀`)



名古屋方面各駅停車です。





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クチナシ - 八重、一重

2024-06-26 12:00:00 | みんなの花図鑑
八重のクチナシ

つぼみのときは黄緑色で、ねじれらせん状になっています。









八重のクチナシの花弁は雄しべが変化したものと言われています。




でも、シベらしきものが見えています。
八重のクチナシの中を解体した人の話によると、
「《八重咲きのクチナシでは雄しべや雌しべが花弁化しているために果実ができない。》という表現は正しくないことになる。想像も含めて言えば、「八重咲きのクチナシでも雄しべや雌しべは存在するが、子房の機能が不完全であることが多く、結実に至るのはまれである。」くらいのことであろうか。」
(続・樹の散歩道「クチナシの花の雄しべが奇妙な形態となっている理由」)





一重のクチナシ

さて、ここからは一重のクチナシです。中央の黄色いシベがタコのような恰好をしてますが、これは何がどうなっているのでしょうか?



開いたばかりのクチナシを見ると、先ほどのタコの足のような部分がタコの頭のほうに近づいています。



実を言うと、タコの頭の部分がめしべで タコの足みたいに見えたものがおしべだったのです。



つぼみをみると絞り込まれています。このときに、ぎゅっと絞って雄しべの出した花粉をめしべの花柱に押し当てているんですね(きっと)。




再掲しますが、なので雌しべの花柱は雄しべ内壁がコピー(転写)されています。




自家受粉しちゃうんじゃないの!?



クチナシの盆栽を育てている人に聞いてみました。
Aさん「筆に雌しべの表面に付いている花粉を採って他の花に付けてやります」
Bさん「蕾のときに自家受粉しちゃってるのであえて人工授粉は不要では?」

正解は どっちなんでしょうね? !(^^)!








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ストケシア - タンポポ亜科

2024-06-25 12:00:00 | みんなの花図鑑

キク科の花は大きく分けて3種類のタイプがあります。
一番多いのが キク亜科グループ
もうひとつは アザミ亜科グループ
あとひとつは タンポポ亜科グループ



キク科の花はたくさんの小花の集合で頭花を作っていますが、
そのうちキク亜科の花は周囲の花弁のような舌状花の集まりと 中心部の盛り上がったシベの集合(筒状花といいます)の両方で頭花を構成しています。
そしてアザミ亜科の花は 上の2種類の小花のうち 筒状花の小花ばかりで出来ています。
のこるタンポポ亜科はもうお分かりでしょう、キクの花で周囲の花弁を担当していた舌状花(大きな花弁一枚とひとつの雌雄シベでひとつの小花)ばかりで出来ているグループです。
ストケシアはそのタンポポ亜科のグループに属しています。





無数の花弁がありますが、この一枚一枚が花弁の付け根に 雌雄シベをもったひとつの花なのです。




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