~続きです。~
だから、自分にかえろう。なつかしい我が家へ。
美しいところへ。
ゆっくりと過ごせたところ。
のびのびとして、自分自身でいれたところ。
それはいつも、自分の中にある。
そして、いつでもそこへかえることができる。
それは知っていた。それを知っていた。
だから本当は、かえる道はわかっている。
いつでもかえれるからと安心して、ついつい遠いところまで、
旅に出ていた。
随分遠くまでやってきたけれど、かえると決めれば、近道も
実は知っている。
旅のために書いたリストも手にしていたことも、これから、
どの道をいけばよいかも。
約束したあのひとと会うことも、遊ぶ場所も、集まることも。
すべては自分が決めていた。
思い出すだけでよかった。
楽しむだけでよかった。
笑い合えば、思いだせる。
あの時に約束したことも。
これから進む道のことは深く考えなくてもいい。
そのままでいい。
思い出せたから。
道は、続いているってことを。