苦しんでいるひとを目の当たりにしたとき、なんとかしてあげたいと
思う時がある。
けれども、その『なんとか』を苦しんでいるひとが、本当に
望んでいるのだろうか。
望んでいるものを、自分は届けられているだろうか。
ただ、話を聞くだけでいいときがあり、
励ましの言葉を望んでいるときがあり、
ときに、ひとりでいることを望んでいることもある。
ならば、ときに聞いてみてはどうだろう。
なにがあなたを苦しめているのかを。
答えはそのひとの中にしかない。
問題や苦しみは、そのひとの中にしか
存在していない。
だから、それを解くには、そのひとでしかできない。
そのひとの中の、本当のそのひとでしか、解決はない。
ただ、黙って何もしないことが、そのひとを救うこともあるのだ。
師匠との直会で、
なにをしても相手を怒らせてしまう。自分がいることで、
相手が苦しむ、と言ったひとがいた。
「ならば、去ればいい。側にいないことが相手の望みならば、
と、あなたが伝えれば、それだけでいいのではないのか。」
近くにいなくても、繋がっている。あなたと私もそうではないのか?
何もしないことで、救われるひとがいることを知っていれば
それでいい。
あなたのことが好きだと、愛しているとだけ、伝えればいいのだ。
遠くにいても、近くにいるときがあったり、
近くにいても遠くに感じることがある。
でも、いつも、あなたのことを思ってることは、変わらない。