入院中、何をするのがいいか、というと、本を読むのが一番お金がかからない。
テレビを見るのもテレビカードがいるし。
で、今回は、病院にある図書室で本を借りることにしました。
テレビも見るし、スマホでゲームもしますがね。
昨日読んだのは、
司馬遼太郎「夏草の賦」
土佐の武将、長曽我部元親のお話です。
私は「竜馬がゆく」がすきで、竜馬を生み出した土佐という国にも興味があり、土佐という国の礎を築いた元親という人物にも興味がありました。
でも、この小説は知らなかった。
知らなかったものと出会えるっていうのも本のいいところかなと思います。
さて、小説は美濃から土佐の元親のもとへ菜々というお姫様がお嫁に行くところから始まります。
時代は信長が天下をとろうとしている最中。
そして、元親も土佐から天下を目指しています。
しかし、土佐という地理的位置も、時代も、元親には味方しません。
結局、元親は秀吉の配下に下ることになり、それがために跡継ぎである息子を戦死させてしまうのです。
その後、長曽我部家は消滅してしまうのですが、元親が築いた土佐という国が、後の竜馬を生む土壌そのものであったと考えると歴史の面白味を感じます。
また、どれほど能力や才能があっても、必ずしも成功するとはいえないということをつきつけられる話でもあります。
元親は武将としては類いまれなる人物だったと思いますが、その夢を叶えることはできませんでした。
現代において、
自分の人生はなぜこんなことになってしまったのか?
と思う人も少なからずいるのではないかと思うのですが、それは、誰かの、何かのせいなのではなく、自分自身のせいなのだと思う。
生まれた場所が悪かった、生まれた時代が悪かった。
それは事実だとしても、自分の人生を動かしているのは自分自身なのだから、何のせいにもできないはずなのです。
ということを、私自身にもつきつけられた今回の読書でありました。