ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第5節 大宮アルディージャvs徳島ヴォルティス

2022-03-21 16:52:31 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の大宮の記事はこちら(3節・熊本戦、1-2)

<前節からの変更>

大宮=3・4節とスタメンだった奥抜が外れ、武田が入り1節以来のスタメンに入りそのまま右ウイングに。ベンチには主将・三門が待望の復帰。

徳島=センターバックを2人とも変更、石尾と出場停止明けのカカがともに初スタメンでコンビを組む。内田・藤田がスタメンを外れ、前節CBの安部は左サイドバックに移動し、新井が左SB→右SBへ。また櫻井がベンチ外となりアンカーに白井がシフト、インサイドハーフで児玉が初のスタメンに。

「戦い、撃たれ、立ち上がり、また戦う」とはとある軍人の名言ですが、2年ぶりのJ2を戦う今シーズンの徳島にとっては、それに相応しい立場だと思います。
どんな困難が降り注いでも、サッカーをする事を止めてはいけないのがプロサッカークラブの掟。まあ経営破綻などで止めるのを余儀なくされる事もありますが

オフの編成を経て、特に中盤から後ろのポジションは総とっかえに近い状況を強いられてしまい。
新たにコンビネーションを構築するには時間が掛かりそうだな……と素人目で見て感じたものですが、それでも戦う事を止めるのは許されない。
そして4戦未勝利という現在までの成績ですが、敗戦も無く引き分けが4つ続いたのは僥倖と言うべきでしょうか。

ハイプレスにより、相手に主導権を渡さない事を目指す戦いが顕著である今季の徳島。
この日の舞台は大宮の本拠地・NACK5スタジアムと、ピッチと観客席の距離も近さもあり、一層コンパクトフィールドに写っていたそのサッカー。
そんな錯視状態を振り払うかのように、立ち上がりの前半2分に大宮は柴山が長いスルーパス一本でエリア内を突き、河田が走り込む攻撃を見せます。(GK長谷川徹が抑えて撃てず)

しかし徳島も攻撃時には広げたいのは同様で、前年からの選手間の距離を広く取ってのビルドアップによる攻撃を展開。
そして左WGの西谷に良い形で受けさせ、そこから彼のドリブルを軸としつつ多彩な左サイドアタックを仕掛けるのが今季のストロングポイントとなっているでしょうか。

8分、ゴールキックからの攻撃でGK長谷川徹は左へフィード、受けた安部の浮き球のパスを西谷はフリックして渡井へ託し。
渡井のスルーパスはカットされるも、拾った児玉から今度は右へ移し、浜下がエリア内へ進入してシュート。(ブロック)
西谷のドリブルのみならず、といった感じで好機を作り。
そして15分の左サイドアタック、白井の縦パスを渡井が受け、安部→渡井→児玉→安部と渡ってクロスに辿り着き。
ファーサイドで浜下が合わせにいき、ディフェンスに遭いこぼれた所に走り込んだのは西谷で、シュートがゴール右へと突き刺さり。
西谷抜きで組み立てた報酬は、見事に彼の先制点に繋がりました。

この1点で大宮は浮足立ったか、ビルドアップを遮断されて危機を招くシーンが数多。
17分敵陣深めで浜下がカットを見せると、拾ったムシャカ・バケンガがすかさず中央からシュートするもGK南がセーブ。
その後も徳島のプレッシングの前に、何とか抜けようとしても目立ったのは西谷のパスカットに阻まれるシーンばかり。
21分にそこからの徳島のショートカウンターを凌ぐと逆にカウンターに持ち込み、河田のポストプレイから矢島慎がスルーパス、左サイドで抜け出した柴山が手前からグラウンダーでクロス。
走り込んだ河田がシュートするもゴール左へ外れてしまい、ワンチャンスをモノに出来ず。

そして27分、ここも敵陣中央で西谷がパスカットして徳島の攻撃、拾った児玉のエリア内へのパスをバケンガがダイレクトで右裏へ送るとそこに西谷が走り込み。
防ぎにいった大宮・西村に倒されると、主審の笛が鳴り反則・PKゲットとなります。
このPKをバケンガがゴール左へ蹴り込み、GK南の逆をキッチリ突いて追加点。

早くも2点ビハインドとなった大宮は、徳島・西谷のカットが目立ったという点からしても、どうも右サイドでビルドアップが詰まり気味の様相。
右SBに、本職ではない山田が入っているのを綺麗に突かれているといった感じで、大宮DFの層の薄さを痛感させます。

その後も32分・35分とバケンガがシュートを放つ(前者はブロック、後者は枠外)など、徳島にゴールを脅かされ続けた大宮。
すると36分右サイドでボール奪取して戻しを選択しましたが、あろう事か山田のバックパスがずれてしまい、エリア内にバケンガが走り込むという大惨事に。
辛うじてGK南が防いだものの、大宮の混乱様相が露わになりつつありました。

徳島も前掛かりな姿勢+大宮の裏を突かんとする攻撃により、守備面では決して盤石では無く。
39分に徳島・白井が、41分に大宮・武田が警告と、イエローカードの応酬という様相もあり戦局はイーブンに。
しかしその後も43分に大宮・西村が警告を受けるなど、やはり大宮に苦しさが露わになると、アディショナルタイムに好機を掴んだのは徳島。
ここも西谷のカットから左サイドで前進し、渡井がエリア内左を突いてシュート、ブロックされるも大宮のクリアミスを児玉が拾って継続。
浜下のシュートもブロックされますが尚も拾って右サイドでパスを繋ぎ、浜下の奥からのクロスが入り、クリアされた所を安部が拾ってシュート。
しかしGK南のセーブで防がれ、さらに突き放す事は出来ず、0-2のまま前半終了となります。

流れを変えたい大宮はハーフタイムに2枚替え、大橋・武田→小島・奥抜へと交代。
武田はWGでは厳しいといった印象で、矢島慎也とどちらをIHで起用するか迷っている風でもある開幕からの大宮。
交代により柴山が右WGへと回り奥抜が左WGに入りました。

主導権の奪い合いを経た入りから、後半6分に大宮が好機を掴み。
GK南からのビルドアップで、徳島のお株を奪うように選手間の距離を取っての長いパスで組み立て、右サイドで受けた柴山が前進。
エリア内右へと切り込むも、寸での所で阻まれシュートは撃てず。
しかしこれで好循環を生み出し、続く8分には最終ラインから左へ展開し奥抜が前進、カットインを経てパスを送った河田からのスルーパスに走り込み。
ディフェンスに当たりエリア内へこぼれたボールをシュートした奥抜、GK長谷川徹の前へ出てのセーブに阻まれるも、こぼれ球をさらに河田が追撃。
GK不在の所に放たれたシュートでしたが、徳島・カカのブロックで防がれ、尚も拾った矢島慎がエリア内でシュートしましたが再度GK長谷川徹に防がれ。
三連撃、しかもいずれも際どいシュートを浴びせたもののゴールを奪えませんでした。

その後はお互いにビルドアップ合戦という試合を描き。
大宮はフォーメーションもマイナーチェンジし、三幸と小島がドイスボランチ的に位置取り、4-2-1-3ないしは4-2-3-1のような布陣となり。
ボール保持時の最終ラインの形は、山田が上がらない事による後ろ3枚が基本線。
一方左SBの小野が中に絞り、三幸・小島の左脇でボールを受ける形を作り、左ワイドには常に奥抜が張るという形で攻撃を組み立てていきます。
これによりボール保持で徳島と互角に組み合える流れが出来上がり、お互い好機を作っていく流れで時間が進んでいきます。

ハイプレスのため前線の消耗がどうしても激しい徳島、18分に交代カードを切り。
バケンガ・渡井→藤尾・坪井へと2枚替えを敢行します。
早速19分に投入された坪井が、ボールを受けた所大宮・小島に後ろから倒されて反則・警告を誘発させ。
ここから流れを得る徳島でしたが、フィニッシュには結び付かず。

すると大宮も24分に河田→菊地へと交代し、再度反撃の流れを掴みに掛かり。
巧みにサイドを揺さぶって好機を作っていきます。
29分にはフリーキックからの攻撃で、クリアボールをヘッドで繋いだのち、最後は菊地の落としに反応した矢島慎がシュート。(枠外)

交代により流れを掴むという展開の連続で、30分に徳島が再度2枚替え。
西谷と白井に代え、オリオラ・サンデーと長谷川雄志を投入します。
日本の高校卒ながら国籍はナイジェリアと、異色の存在であるサンデーの推進力で、好機を作らんとする徳島。
31分にコーナーキックから、クリアされたボールを児玉がシュートするも枠外に。

疲労が濃くなる時間帯に入った事もあり、徳島のプレッシングをかわして好機を作っていく大宮。
33分に矢島慎→三門に交代、主将の存在感で苦境を打破するという体勢を取ります。
34分には左サイドの前進から小島が斜めの縦パス、中央の菊地には届かずも、こぼれたボールを柴山がダイレクトでシュート。
しかしゴール右へと外れてしまいます。

その後は三門が最終ラインに降りるという、前年の基本形で攻撃を組み立てていく大宮。
しかし前述の好機を逃したツケは大きく、以降中々フィニッシュに辿り着けず。
42分には柴山を諦めて田代を投入、3バック(3-4-2-1)へとシフトします。(同時に徳島も安部→川上エドオジョン智慧に交代)
ウイングバック制にする事で、強引にでも山田を前目にしたいという思惑だったでしょうか。

両ベンチとも交代枠5人を使いきりましたが、その後に徳島は児玉が、大宮は小島が痛んでピッチ外へと退くシーンが生まれてしまい。(両者とも無事に復帰)
後半スコアが動かない中でのモヤモヤ感を象徴していたかのようでしたが、とにかくATへと突入。
初勝利へのロードを歩むだけとなった徳島でしたが、その後のCKでは時間稼ぎはせずにクロスを入れる(クリアされ児玉がシュートも枠外)シーンが。
交代を経て若手だらけのメンバーとなっていたので、気持ちよく最後まで攻撃を貫く事を優先したのでしょうか。

結局0-2のまま試合終了となり、ともに未勝利同士のクラブの試合は徳島が制し。
この日はこの試合だけでなく、5試合中4試合で今季初勝利を挙げる(徳島の他金沢・新潟・水戸)結末が生まれました。
中々勝てずという試合が続けば、それだけ嫌な空気がチーム内に充満してしまう事となるので、実に目出度い限りな一日でした。

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