ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2021年J1リーグ第31節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌

2021-10-05 16:10:24 | サッカー視聴記(2021年J1)

<G大阪スタメン> 4-4-2(4-2-3-1?)
GK 東口
RSB 柳澤 CB 菅沼 CB キムヨングォン LSB 藤春
RSH 井手口 DH 奥野  DH チュセジョン LSH ウェリントン・シウバ
FW パトリック FW 宇佐美
<札幌スタメン> 3-4-2-1
GK 菅野
RCB 田中駿太 CCB 宮澤 LCB 菅
RWB ルーカス・フェルナンデス DH 高嶺 DH 駒井 LWB 青木
IH 金子 IH 小柏
FW ミラン・トゥチッチ

ガンバの30周年記念マッチと釘打たれた、パナソニックスタジアム吹田での一戦。
試合前には翌年からの新エンブレムも発表されるなど、記念すべき試合を勝利で飾るという意気込みが表面化していたようでした。
しかし、新エンブレムのデザインは激しい賛否両論を呼ぶなど微妙なものであり(個人的には好きでは無い方)、これが空転化を招いてしまったのでしょうか。

他クラブと違い、中断期間にも連戦をこなしてきたガンバですが、その影響は甚大では無いようで。
昌子・三浦のセンターバックコンビをはじめ、小野瀬やレアンドロ・ペレイラなど主力級選手が揃ってベンチ外の現状。
前節(柏戦・2-1)は4連敗から脱出する1勝を挙げたとはいえ、シーズン前半から続く暗雲は未だ晴れずという状況。
こうした限られたメンバーの中では、「出来る事を極力シンプルにする」サッカーで勝ち点を拾いにいく手段も考えられましたが、記念マッチという雰囲気がそれを妨げていた感もありました。

試合が始まると、札幌がロングボールを多用するという大衆的には珍しいとされる(実際放送席では驚きの声が挙がっていた)攻撃を敢行したため、ボールが落ち着かない入りとなり。
それに対してガンバは前半4分、チュセジュンのパスカットから、シウバがドリブルで一気にエリア内左を突くシンプルな攻撃。(奪われて撃てず)
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督による、組織的なサッカーを攻守に渡って繰り広げる札幌に対し、守備を固めつつマンパワーを活かしての反撃を試みる。
そんな立ち回りが有効と思われたシウバの突破でしたが、直後にその妄想が一気に打ち崩される得点シーンが生まれます。

5分、ガンバが最終ラインから前に運ばんとする所、キムヨングォンのパスを駒井がカットして一気に攻守交替。
そのままドリブルで前進し、エリア内へ進入してゴール左隅へシュート、GK東口が弾くも及ばずネットを揺らした駒井。
ガンバの組織力に疑問符を付かせるような、札幌の先制点となりました。

その後も7分のトゥチッチのボールカットをはじめ、ガンバのビルドアップを悉く遮る札幌の前線。
13分には小柏がカットしてそのままドリブルでエリア内に進入と、先制点の再現かと思われましたが、GK東口を右にかわしたもののシュートは撃てなかった小柏。
ガンバは整理されていない感がありありで、労せずして札幌の「オールコートマンマーク」の餌食となっていました。
FWにバッチリとロングボールを収めてくれる選手(札幌で言えばジェイ)が居れば、ロングボールでプレスをかわす割り切りも出来たでしょうが……。

14分にガンバが、ショートパスからの裏へのミドルパス(チュセジョン)という攻撃で右サイドを突破し、井手口のクロスをシウバがヘディングシュート(枠外)という場面を作り。
しかし残りは概ね札幌の一方的な展開で推移します。
18分には敵陣中央で、トゥチッチが小柏とのパス交換を経てエリア内からシュート。
GK東口がセーブし、こぼれ球を小柏が詰めてシュートしますがこれもGK東口に防がれ。
22分には細かいパスワークから金子のドリブルを経て小柏が左サイドを抜け出し、カットインで抉ったのち駒井→ルーカスと逆サイドへ展開。
そしてルーカスのダイレクトパスを中央で受けた金子がシュートし、ゴールネットを揺らしますが、金子の戻りオフサイドという判定でノーゴール。

札幌はミシャ式のビルドアップを、ボランチ2人をともに最終ラインに降ろすという亜流の基本形に。(5-0-5と表現されるものか)
最終ラインを3枚にして、ガンバの2トップのプレスを無効にしたうえで、中盤を省略するロングパスを送る攻撃。
ガンバはシウバが前に出るのかどうかハッキリせず、前に行けば札幌右サイドに穴を作ってしまうといった守備になっていました。
30分前後に、ガンバはそれを防がんとするように宇佐美とシウバの位置が入れ替わるシーンが見られましたが、2失点目以降は結局元に戻し。

飲水タイム(24分)が明けても札幌の攻勢は止まず、青木や金子がミドルシュートを放ってゴールを脅かすシーンを経て、迎えた32分。
菅の左→中央へのロングパスがクリアされるも、セカンドボールを抑えてルーカスに渡り、ルーカスはそのままドリブル突破。
エリア内右に進入しても尚もボールキープを止めないルーカス、ガンバ・藤春を股抜き後も巧にボールを操って(ダブルタッチは見事と言うしかない)シュート。
個人技でも上回りを見せた札幌、試合内容をスコアに反映させる事に成功します。

反撃に出たいガンバですが、パスのズレで好機を作れないシーンが続出。
当然そんな状況では札幌ペースを切る事は出来ません。

攻め続けた札幌は40分、ルーカスのクロスがクリアされるも続いて右からスローイン、ルーカス・金子・田中駿の繋ぎを経て中央へ展開。
受けた高嶺が絶好のシュートチャンスを迎え、躊躇無く放たれた無回転のミドルシュートにGK東口は一歩も動けず、ゴールネットに突き刺さり。
東口の味方に対する絶叫が空しく響き、早くも3点リードとなった札幌。
その後も小柏のエリア内からのシュートをGK東口がキャッチするシーンが見られる(44分)など、東口の孤立無援ぶりが浮き彫りになりつつ、前半を終える事となります。

よりにもよってホームの記念試合で無様な内容となってしまった前半のガンバ。
勝敗はともかく、まずはその流れを切る事が先決であり、その通りにハーフタイムに大幅な選手交代を敢行。
柳澤・チュセジョン・奥野→高尾・山本・塚本と3枚替え、井手口がボランチにシフトします。
ボランチをそっくり代えた事で、試合展開もガラリと変えたい意思の表れとなったガンバサイド。

しかしその効果が表れる前に、札幌が更なる得点を重ねます。
後半2分、トゥチッチのハイボールの収めから右サイドへ展開され、パスワークで前進したのち小柏のパスがエリア内へ。
ガンバディフェンスはカットせんとしましたが、こぼれ球になった所を金子が拾いシュートに繋げられ、GK東口の股を抜かれ。
ガンバは走り回るも、札幌のパスワークに対しちょっとずつ及ばないという、勢いの差が現れたかのような得点でした。

尚も攻めるのを止めない札幌は7分、再び右サイドからルーカスが持ち上がりエリア内へラストパス、受けた金子が切り返しののちシュート。
ブロックに当たって右ポストの外側を叩く際どいフィニッシュとなり、まだまだ入りそうな予感を漂わせます。
押されるガンバが何とか反撃を試みた結果、「リードを奪っている札幌がカウンターを浴びる」というねじれも生まれ。
パトリックに裏抜けさせるパスで2度好機を作ったガンバのカウンターでしたが、シュートには結び付けられません。
(ちなみにこのカウンターはいずれも札幌のエリア付近でのヒールパスが繋がらなかったものが契機であり、やや気の緩みを感じた)

しかしその後は札幌がペースダウンし、無理にプレスにいかない事が目立ち。
そのためガンバも主体的な攻撃が出来る余裕が生まれましたが、反撃の糸口となったのはセットプレーでした。

15分に山本が敵陣でパスカットし、すかさず札幌・高嶺に倒され反則、フリーキック。
中央でしたがかなり遠目の位置からで、キッカー宇佐美はロビングを選択し、クリアされての二次攻撃を巧く繋げ。
エリア内中央からシウバがシュート、ブロックした跳ね返りをパトリックが落として尚も攻撃、最後はパトリックがシュート。(枠外)
20分には塚元のドリブルを札幌・金子が倒してしまい反則、右ハーフレーンからのFKに。
キッカー宇佐美がクロスを入れ、中央やや左でパトリックがヘッドで合わせると、ややループの軌道となりGK菅野を越えてゴールに吸い込まれ。
体勢を崩しながらのパトリックという、意地溢れる得点でようやく1点を返したガンバ。

既に19分にトゥチッチ→ドウグラス・オリベイラへと交代していた札幌。
18分には青木のペナルティアークからの絶好のシュートが枠外となるなど、やや油断を感じさせる内容となっていました。

23分に飲水タイムが挟まれると、ネジを巻き直して再び攻勢を掛けんとする札幌。
26分にスローインからショートパスを繋ぎ、エリア内右で金子が受ける絶好機となり、横パスがこぼされた所を小柏が拾ってシュートするもGK東口がセーブ。
31分には一旦は遮断されるも敵陣右サイドで金子がカットして攻撃継続、細かく繋いで小柏から中央へ横パスが出され、ドウグラスがシュート。
しかし大きくふかしてしまい、「攻撃の橋頭堡にはなるも決定力に難」という、自分のドウグラスに対するイメージ通りのシーンを描いてしまいます。
その後33分に札幌は小柏・金子→ジェイ・柳へと交代。(青木が左ウイングバック→シャドー・ルーカスが右WB→左WBへシフト)
ガンバも34分に宇佐美・井手口→矢島・倉田へと交代。(塚元が右サイドハーフ→FWへシフト)

オープンになり易い終盤(特にこうした点差が離れたゲームでは)を迎え、ガンバが攻勢を掛ける流れとなります。
36分、キムヨングォンロングパス→パトリック落としを経てエリア近辺で展開、塚元シュート(ブロック)→倉田シュート(ブロック)と連撃を浴びせたものの防がれ。
38分には高尾の前進から、エリア内への塚元のパスはカットされるも、自身で拾って中央からシュート。
しかしGK菅野が右手一本でセーブと、ガンバの希望の芽を摘んでいきます。

押され気味の様相となった札幌でしたが、そこから一矢を放つような攻撃が奏功します。
43分、宮澤のロングパスは跳ね返されるも、駒井がスライディングで裏へ浮き球を送り。
右サイドへ走り込むドウグラスに対し、GK東口は目測を誤って飛び出してしまい、先に触ったドウグラスのシュートが無人のゴールへ。
5点目を奪い、時間的にも完全に止めを刺された格好となったガンバ。
直後に札幌は駒井・青木→岡村・小野へと2枚替え、試合を閉める体勢へ。(田中駿がボランチにシフト?)

アディショナルタイム、ガンバはセットプレーからエリア内で塚元がシュートを放つ事2度、しかしいずれもブロックに阻まれ。
それを凌いだ札幌は、ゴールキックを受けたドウグラスがエリア内右を急襲し、中央のジェイ目掛けてクロス。
跳ね返されるも拾い直したドウグラス、サイドチェンジを経て今度は左からルーカスがクロス、ファーサイドでドウグラスが折り返すもジェイには繋がらず。
自身がゴールを決めた(今季2点目との事)事で、何処と無く「ジェイに決めさせてあげよう」という振る舞いに映っていたドウグラスのこのシーン。

結局1-5のまま試合が終了し、札幌の大勝という結果に終わったこの試合。
ガンバはスコアは元より、そのサッカーの内容の悪さが目立つ事となり、記念すべき日で「今までの栄光は何だったのか……」という思いが先立たないかどうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする