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DAZN観戦 2021年J2リーグ第9節 ジュビロ磐田vs大宮アルディージャ

2021-04-23 16:33:18 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の磐田の記事はこちら(2節・町田戦、1-3)
※前回の大宮の記事はこちら(4節・相模原戦、1-2)

スタートダッシュ失敗から建て直し、現在3連勝中の磐田。
成績的に見れば上り調子、巻き返しに成功しつつあるというものですが、そのスコアは非常に出入りが激しく。
開幕連敗スタートののち、3節・水戸戦で3-2、4節・京都戦で4-3と点の取り合いの末に勝利。
とにかく相手より多く点を奪うという、殴り合いの様相で勝利を拾っていくスタイルを披露しました。

不安定な戦い故に未来は無い……と思われたものの、この3連勝の間では3失点のみで、落ち着きを見せている磐田守備陣。
メンバー的に見ると、連勝の始まりである6節を境に変化が。
GKの変更(八田→三浦)もありましたが、中心選手と目されてきた遠藤が以降欠場。
故障かどうかは不明ですが、皮肉にもこの起用が安定性を生んだのでしょうか。
攻撃時のポジション変動・守備時のプレッシングが激しいサッカー故、機動力に難がある選手が居れば厳しい、という事でもあり。
そんな事を考えさせられつつ、水曜開催となったこの日ですが、再び殴り合いともとれる試合が展開されました。

お互い最終ラインからのビルドアップで攻撃を組み立てるクラブですが、そのスタイルは非常に対称的。
ポジションを常時動かし、ボールサイドに人数を掛けるのが磐田。
それに対し大宮は、ポジションの可変は殆ど無く、何処で仕掛けたいのかがハッキリと見て取れるような攻撃。
4-4-2のオーソドックスなフォーメーションから、時折ボランチ1人が降りて来るのが見られるのみで、基本はセンターバック2人のみの最終ライン。
磐田が1トップなので問題は少ないのですが、そこからサイドに展開しても、中々前に進めないシーンが目立ち。
プレッシングに人数を掛けてくる磐田をいなし、巧くサイドハーフがボールを持てれば好機に繋がりますが、そうで無い時は何も起こらず。

それでも序盤からスコアは動きます。
先制したのは大宮で前半6分、ここも最終ラインでのパス回しを続け前に進めない中で、右サイドバックの渡部がロングパス。
前掛かりの磐田の隙を突くボールとなり、同サイドで受けた矢島がクロスを上げると、中央で中野誠也がヘディングシュート。
GK三浦がセーブするも、反応良く自ら詰めた中野誠、ネットを揺らして先制ゴール。
前年まで所属していた磐田という、この上無く決めたかったであろう相手から得点を挙げました。

先制した事で気を良くした大宮、以降セットプレー攻勢で磐田を押し込み続けましたが、それが途切れると脆さが露呈。
11分の磐田の攻撃、松本昌也を軸に、左サイドで人数を掛けて突破。
その松本昌が上げたクロスを、大津が合わせヘディングシュート。
GKフィリップ・クリャイッチの右を破り、すかさず同点に追い付いた磐田。

盛り上がる磐田ホーム・ヤマハスタジアムでしたが、その直後に凍り付くシーンが。
13分、今度は右サイドから山田大記がクロスを入れると、低いボールを受けたルキアンがボールを浮かせ。
そしてバイシクルでシュートを狙いましたが、その足はボールでは無く大宮・翁長の頭部に入ってしまう事となり、当然反則。(ルキアンに警告)
流血もあり心配された翁長ですが、治療を経て何とか復帰。

その後は磐田のパスワークが冴え渡る時間帯となるも、フィニッシュには繋げられず。
20分頃からは攻守交替し、大宮が左SH・黒川を活かしての攻撃で磐田ゴールに迫るも、やはりシュートは放てず。

どちらともいえない流れのまま飲水タイムが挟まれる(24分)と、お互いフィニッシュに繋ぐ攻撃が。
26分の磐田のコーナーキック、ショートコーナーから大津のクロスが入り、こぼれたボールを中央で山田大がシュート。
ブロックされた跳ね返りを大井が、またもバイシクルでシュートしましたが枠を捉えられず。
直後の27分の大宮、左サイドで黒川・翁長の2人で形を作り、翁長からクロス。
クリアされたボールを黒川が拾い、エリア内に進入してシュート。
ターゲット役を除いて2人で攻撃を完結させたものの、こちらも枠を捉えられず。

その後暫くは磐田が攻撃権を掴んだものの、33分に山田大のペナルティアークからのシュートがあったぐらい。
以降はお互いにボールを握るも、チャンスが生まれないシーンが5分以上続く事となる膠着状態に。
得点シーンはあったものの、この停滞が前半を象徴するものかと疑ってしまった程で、長めのアディショナルタイム(3分)でもチャンスは大宮の一度のみ。
1-1のまま前半を終えます。

磐田は多彩にポジションを動かし、得点源のルキアンも、積極的に降りたりサイドに開いたりとパスワークを援護。
4-4のブロックを崩していくスタイルも、この日を見る限り洗練されてきていると思いましたが、そのパスワークでパワーを使っている感があり。
中2日にも拘わらず、スタメン入れ替えは1人のみ(森岡→中川)という要素も影響していたのでしょうか。

反対に大宮は、やはり展開力に欠けてどん詰まりになるシーンが多く。
5-4-1でのプレスをいなすのに精一杯で、好機を作ったのはサイド突破が上手くいった時か、ロングボールで打開した時ぐらいという前半でした。

後半が始まり(ともにハーフタイムでの交代は無し)、先に決定機を掴んだのは磐田。
後半4分、右サイドから山田大がクロスを入れると、クリアボールが中途半端にこぼれてエリア内右に。
これを拾った大森が中央のルキアンに横パスを出すも、僅かに合わず逆サイドに流れ。
さらに拾った松本昌からグラウンダーで中央に入るも、ルキアンはまたも撃てず。(その後大津がシュートも枠外)
ポストワークにエネルギーを使い過ぎていたのか、シュートチャンスをモノに出来なかったルキアン。
一方の大宮も5分、右サイドでボランチの三門がボールを持ち前進。
一気にエリア内右に進入してシュートを放つもGK三浦のセーブに防がれます。

ともに後半最初の好機を決定機に繋げましたが、以降は磐田のフィニッシュシーンが膨らむ展開。
8分には右に開いて受けたルキアンから繋ぎ、大津のクロスが入ったのちもポストプレイで繋ぎ、後方から今野がミドルシュート。(GKクリャイッチがキャッチ)
その後も9分に大森が2本シュートを放ったり(いずれもブロック)、13分に敵陣深めでのボール奪取から、山田大がペナルティアークからシュートしたり。(ブロック)

こうした展開から、やはり先に動いたのは押され気味の大宮で、黒川・矢島に代えて柴山とネルミン・ハスキッチを投入。(14分)
磐田はクオリティを保って攻め込みますが、次第に後方でパスミスから危機を招いたり、ルーズボールを拾いにいってハンドを犯してしまったりとミスが目立ち始め。(20分に今野・大森→鹿沼・伊藤に交代)

23分に挟まれた飲水タイム、ここから「第4クォーター」と言わんばかりに、磐田は相手GKまで果敢にプレスを掛け始めます。
それを受ける事となる大宮は26分、GKクリャイッチのパスから最終ライン右サイドで繋ぎ、見事にプレスをかわしきり。
そして三門の裏へのロングパスが前線へと繋がり、エリア内に進入した中野誠からのヒールパスに走り込んだ翁長がシュート。
ここもGK三浦がセーブするも、中央に浮いたボールに詰めたのはハスキッチ。
GK三浦は再度弾いたものの止めきれず、ボールはゴールに転がって得点に。
相手のプレスを見事に逆手に取った勝ち越し点となりました。

一方4試合ぶりの複数失点となった磐田ですが、これで再び「殴り合い」の血が沸き上がって来たか。
ビハインドを跳ね返すべく圧力を掛け、攻撃権の支配に成功します。(29分に大津→藤川に交代)

そして31分、左サイドでのパスワークから、交代出場の藤川がカットインからミドルシュート。
GKクリャイッチがセーブするも、逆の右サイドで拾った松本昌(20分以降、左ウイングバック→右WBへとシフト)からクロスが入ると、中央でルキアンがヘディングシュート。
今度は綺麗にゴールネットを揺らし、エースの一撃で同点に追い付いた磐田。
そしてそれに一役買った藤川、尚も直後の32分にミドルシュートを狙いましたが、これは枠を大きく外し。

それでも磐田の猛攻は続き、スタミナも懸念される中、何処までそれを維持できるか。
そんな考えも浮かびつつあった36分でした。
クリアボールを右サイドで鈴木雄斗が拾い、パスを繋いだのち再び松本昌がクロス。
これをニアサイドで捉えたのは山田大で、ヘディングシュートが左サイドネットに突き刺さり。
今日3度目のヘディングでのゴールで、逆転に成功した磐田。
また松本昌は左・右とポジションを移す中、3点全てクロスでのアシストとなりました。

一旦勝ち越すも、奈落へと突き落とされた格好の大宮。
既に35分に中野誠・小島→菊地・松本大弥へと交代カードを切っており、最後のカードは渡部→馬渡で39分。

以降はハスキッチにボールを集め、ロングパス・スルーパスを多用して反撃に出ます。
45分に三門の右への展開から、柴山のクロスからハスキッチがヘディングシュートを放ちますが、惜しくもゴール左へと外れ。
実ったシーンはこのぐらいで、その他はオフサイドも量産してしまうなど不発のまま時計は進んでいきます。

そして3-2のまま、試合終了を告げる笛が鳴り響き、4連勝を果たした磐田。
内容的には「殴り合い」現象が再発するなど今一つでしたが、ミッドウィークでのリーグ戦という事を考慮すれば、勝利したのは何よりだったでしょう。

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DAZN観戦 2021年J1リーグ第10節 横浜FCvsベガルタ仙台

2021-04-21 18:25:28 | サッカー視聴記(2021年J1)

<横浜FCスタメン> 4-4-2
GK 南
RSB 前嶋 CB 伊野波 CB 田代 LSB 袴田
RSH 小川 DH 瀬古 DH 齋藤功佑 LSH 松尾
FW ジャーメイン良 FW 渡邊
<仙台スタメン> 4-4-2
GK ヤクブ・スウォヴィク
RSB 真瀬 CB 吉野 CB 平岡 LSB 石原
RSH 加藤 DH 上原 DH 松下 LSH 氣田
FW 西村 FW 赤崎

ここまで未勝利同士の対決。
石に噛り付く思いで勝ち点3を得たいという一戦ですが、今季は降格枠が4もあるため、相手を20位に突き落とすだけでは浮上出来ないのは明白。
何か切欠を得たい所ですが、それにはまず1勝を得るという戦いで、普段の「6ポイントマッチ」のような意味合いは薄いと思われるのが外野から観た感じでしょうか。

7節・柏戦での引き分けによる勝ち点1のみという今季の横浜FC。
そして8節付けで下平隆宏監督を解任し、現在は早川知伸氏が指揮を執っており、残留への勝ち筋を得るのに必死なようです。
前年の戦いぶりで、下平監督によるポゼッションサッカーは一定の形を得たと思われましたが、オフを経た大量の選手入れ替えがそれを許してくれなかった。
特に開幕節・札幌戦での大敗(1-5)により、チームはアイデンティティを失ったままの戦いを強いられ、ここまで引きずってしまった。まあそのアイデンティティが、メディアの間では「三浦(知良)が出場する事」と思われている節がありますが
まずは初勝利で、悪循環を断ち切る事が重要である現状。

クレーベの加入により、「ボールを握る事<ターゲットに当てる事」へと趣が傾いてしまった感がある今季。
この日クレーベはベンチに留まり、仙台が相手なためか、古巣対決となるジャーメインを起用。
また齋藤功をボランチに起用するという策を採ってきた早川監督。

前年の残り香というべき、後方でボールを繋ぐスタイルで攻撃を作っていく横浜FC。
セットプレーからファーストシュートも放ち(前半3分、かなり手前からの直接フリーキックで袴田がヘディングシュート、GKスウォヴィクキャッチ)、好循環が流れ始めたかのように見えましたが、その後は停滞。
守りを固める仙台に対し、思うようにボールを前線に運べません。

仙台は前節・マリノス戦で、相手の猛攻を凌いだ末に勝ち点1を獲得。(0-0)
その前の徳島戦(0-1)から、ポゼッションスタイルの相手に対し、中央を固める事を重視した守備で応戦するスタイルへとシフト。
それに一定の手応えを得ているようで、この日も横浜FCの最終ラインに対してプレスは掛けず、サイドにボールを展開させたのちに奪うという方策で相手を悩ませます。

しかしそれも長くは続かず。
横浜FC側がロングボールを交え、サイドを大きく振っての攻撃で再び攻撃権を支配。
16分、瀬古の左→右へのサイドチェンジののち、前嶋が右奥からクロス。
クリアされて右コーナーキックになると、キッカー瀬古のニアサイドへのクロスを伊野波がフリック、そして袴田が中央でボレーシュート。
GKスウォヴィクも止めきれずゴールイン、セットプレーでの完璧な崩しで先制点を挙げた横浜FC。

先制された仙台。
その前からもビルドアップから攻撃する姿勢を見せていましたが、その傾向は強まり。
失点以降は、最終ラインに松下が降りて3枚でのビルドアップが基本線となり、主にサイドに展開してからのクロス攻撃で攻め上がります。

飲水タイム(22分)後は、敵陣でのボール奪取も巧く嵌るようになった仙台。
27分は赤崎のカットから、右サイド奥まで運んだのち戻されたボールを上原がミドルシュート。
ブロックされ、逆サイドで拾ったボールを石原がシュート気味にクロスを入れるも繋がらずと、二次攻撃にも厚みを出しペースを握ります。
しかし最後のパワーが足りず、クロスを入れてもクリアされ、中央でチャンスを作ればミドルシュートに終始する仙台。
エリア内を絡めて崩すシーンが欲しいと感じた攻撃で、その答えが見出せずに以降ペースダウンしていきます。

最終ラインから組み立てる仙台ですが、リードを奪われている状態での事が多いので、強いられている感がするのが現状。
正GKのスウォヴィクにそれを期待するのは酷であり、CBにシマオ・マテが入れば貫くのはさらに厳しくなるというメンバー構成。
この日のように吉野が入ればスムーズになりますが、どうしても先に点を奪われるチームの弱点(特にセットプレーでの失点が目立つ)を振り払えず。
ビハインドの中で「ボールを持たされている」感が強い状況になりがちです。

それでも前半の終わり際、GKスウォヴィクのスローから好機を作り、45分・アディショナルタイム共に赤崎がヘディングシュートを放つ好機。
1-0と、どちらに転ぶか解らないスコアのまま前半を終えます。

そしてハーフタイム、氣田→蜂須賀へと交代を敢行した仙台。(左SBに入り、石原が左SB→左SHに)
後半2分に一列上がった石原がポストプレイののち、受け直して中央からシュートを放ち(GK南キャッチ)、交代策が奏功したかのように見えました。
しかしここから横浜FCが押し返し、流れを取り戻します。
前半とは一転して、ビハインドを跳ね返すべく前掛かりの姿勢を見せた仙台ですが、ロングパスで交わされるシーンが目立ち。
反撃の気勢を失いつつあった所で、12分に再びベンチが動きます。

2枚替えを敢行し、SHをともに代える策を採った仙台。
石原・加藤に代え、右SHにマルティノス。
そして左SHには、新加入のエマヌエル・オッティが初出場。
マルティノスがフィジカルと性格に難ありというネックがあるのに対し、このオッティは強靭な体格によるボールキープでチームにリズムを齎します。
そしてエースである西村のシュート数も次第に増えていきましたが、もう一歩の所でゴールを割れず。

一方押され気味となった横浜FCも、17分に2枚替えを敢行。
ジャーメイン・松尾に代わり、クレーベ・安永を投入。(齋藤功がボランチ→右SHに回り、小川が右SH→左SHに回る)

以降も攻勢を続ける仙台ですが、23分にクリアボールをクレーベがフリックで落としてから横浜FCの好機が生まれます。
拾った渡邊が右サイドへ流れ、その後もパスを繋ぎつつ左へとサイドを移し。
サイドを振ってから、左ハーフレーン手前から小川のクロスが中央に入ると、齋藤功が頭から跳び込んでヘディングシュート。
GKスウォヴィクの右を破ってネットを揺らし、貴重な追加点を挙げた横浜FC。
初勝利が見えて来た所で飲水タイムが挟まれます。

その後26分に齋藤功→杉本へと交代した横浜FCを尻目に、攻めるしかなくなった仙台。
しかしその圧力は、フィジカルを押し出すオッティや果敢にシュートを狙う西村を筆頭に強く、受けに回った横浜FCは一気に厳しくなります。
31分にはCKから、西村がヘディングシュートを放ちますが枠を捉えられず。

それでも33分、横浜FCは中央で細かくパスを繋ぎ、渡邊が右ハーフレーンからミドルシュートを放ちますがサイドネット。
直後に仙台のミスからエリア内に詰め寄り、GKスウォヴィクが弾いた所を安永がシュートするもブロックに阻まれ。
仙台の前掛かりの隙を突く姿勢を見せたものの、そこまでとなりました。

攻勢を続ける仙台(34分に赤崎→皆川に交代)、37分に右からマルティノスがクロスを上げると、ファーで西村が合わせるもブロックに遭いこぼれ。
その後左CKに繋げ、キッカー上原のクロスを中央で再度西村が合わせ、今度はゴール左へと突き刺して1点を返します。

その仙台の前掛かりの姿勢に、横浜FCサイドは自陣エリア内で選手が痛むシーンも目立ち。
41分には前嶋が、42分には袴田が立て続けに倒れ込む事となり、粗さも露呈する事となった仙台の圧力。
しかし球際の強さを前面に押し出すというのが本来の仙台の姿であり、この土壇場でそれが蘇ったかのような攻勢を露わにしていきます。しかし無闇なラフプレーはやはり頂けませんが

そしてATへ突入し、再びの左CKを得る仙台。(直前に上原→アピアタウィア久へと交代)
キッカー・マルティノスのクロスをニアサイドで平岡がフリック、そして中央で西村がシュート。
GK南が辛うじてセーブするも、ボールは吉野の前へとこぼれ、それを詰めた吉野がネットを揺らし。
オフサイドの笛が吹かれ騒然となるも、VARチェックの末にゴールが認められ、同点に追い付いた仙台。

その後横浜FCは渡邊→伊藤へと交代し、最後の攻防。
長めのATの果てに、相手のロングパスを松下がブロックし、最後に攻撃権を得た仙台。
左サイドで蜂須賀のクロスが上がると、中央で皆川が捉えてヘディングシュート。
しかしゴール左へと外れ、同点のままタイムアップ。

勝ち点1を分け合う事となった両クラブ、未だ勝利が無く、19位・20位に位置するもの同士なのは変わらず。
この底辺部から、上に向けて何を残す事が出来るのか、以降も注目して観たいと思います。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第8節 アルビレックス新潟vsツエーゲン金沢

2021-04-20 16:44:55 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の新潟の記事はこちら(3節・山口戦、2-1)
※前回の金沢の記事はこちら(4節・ヴェルディ戦、4-2)

目下無敗の首位でここまで戦っている新潟。
どこまでこのままの状態を保ち走っていけるかが注目の的となっていますが、ここに来て壁ともいうべき金沢との対戦。

金沢の監督・柳下正明氏が、以前新潟で指揮を執っていたという因縁もあり、最近の対決では非常にやり辛そうな印象です。
前年は1勝1敗、一昨年は2敗と分が悪く。(2018年は2勝)
相対的に強者という位置付けになっている新潟ですが、果たしてそれにより苦手意識がどれだけ薄まっているか。(金沢も現在3位という位置なのですが)

この日は不動の1トップであった鈴木がベンチ外となり、谷口が初のスタメン。
毎試合途中出場を果たしている谷口、前年J3で見せ付けた実力を発揮できるかが注目された新潟。

入りでいきなりコーナーキックを得た(前半2分)新潟。
そのチャンスで、キッカー島田の低いクロスを、ニアサイドでフリックののちファーで舞行龍ジェームズがシュート。
ブロックされたボールを尚も藤原が追撃したものの、枠を捉えられず。
セットプレーからの攻撃でしたが、早くもフィニッシュに持ち込んだ事で、以降の試合の絵図はほぼ定められたようなシーンとなりました。

その後は新潟が、持ち味であるポゼッションを如何なく発揮。
対する金沢は、ボール奪取からショートカウンター気味に好機を作りにいくという姿勢。
この基本線は、後半にスコアが動くまでほとんど変わらず推移する事となります。

千葉・舞行龍の2センターバックと、その背後に控えるGK阿部を根底とするビルドアップ。
「島田が最終ラインに降りての3枚でビルドアップ」と放送席で語られており、確かにその形も見られましたが、その一言では語れないぐらい人を動かして形を作るのが新潟の特徴。
後ろが3枚になる時は、むしろ左サイドバックの堀米が上がらずという形が多く。
そしてその堀米の位置が変わる事により、ボランチの高・島田や、2列目の本間・高木が可変していきパスコースを作っていく奥深いスタイル。
そうして左サイドに人を集中させつつ、右でチャンスを作っていく場面が多いのもポイントで、右SB・藤原がオーバーラップで跳梁。
一方右サイドハーフのロメロ・フランクは、中央寄りに位置してむしろポストプレイで身体を張るのが主たる仕事となるなど、ポジションに拘らない役割を各自見せていきます。

そんな多彩な攻撃を見せていく新潟で、ボール支配率も7割越えで常時推移していきますが、金沢もゴールを割らせず。
プレッシングが特徴の金沢ですが、この日は無闇に出ていかずに、2トップ(丹羽・瀬沼)は新潟ボランチの側で構えるスタイル。
闇雲にプレスを掛けても、最終ラインでかわされて徒労になる事が良く分析されており、最後にやらせなければ良いと割り切っていたのでしょうか。
6分までに3本シュートを放った新潟でしたが、以降はそんな金沢の守備の前に撃つ事が出来ず、飲水タイム(24分)まで時間を進められます。

明けた後もスタイルは不変の新潟ですが、金沢が引っ掛けて好機を作る場面が目立ち始め。
28分には自陣で奪った藤村がすかさず縦パスを入れ、中央で受けた瀬沼がドリブルで抜け出す所を舞行龍に倒されて反則、舞行龍に警告が。
エリアからすぐ手前という絶好の位置での直接フリーキックとなり、キッカー藤村が直接シュートしたものの、壁を直撃。
いくらボールを支配していても、この一発が怖いものであります。

しかし33分には、今度はロメロが右サイドで縦パスを受けた所を金沢・片倉に倒されて反則、片倉に警告が。
このFKから、クリアされたボールを拾った島田がミドルシュートを狙いましたが、枠を大きく外し。
双方とも警告を受けたのちそこから好機を作られ、やや不穏な空気が流れつつも試合は進んでいきます。

金沢が流れの中からシュートを放てないまま、40分が過ぎると新潟が攻撃権を支配。
島田のミドルシュートをちらつかせつつ(40分には実際に放つもGK後藤正面でキャッチ)、パスを繋いだのちエリア内を突く鋭いパスを送る攻撃。
それでも金沢ゴールを奪えないままアディショナルタイムに突入すると、新潟が恐れていた場面が。
最終盤、金沢は中盤でのこぼれ球を左サイドから大橋が裏へロングパス。
これを抜け出した瀬沼がトラップでエリア内に入り、滑り込んでシュートを放つと、ボールは見事にゴールの中へ。
しかしオフサイドの笛が鳴いておりノーゴールとなり、救われた形となった新潟。
その直後に前半終了の笛の音が響きました。

双方交代は無く迎えた後半戦も、新潟が攻撃権を支配する入り。
そしてCKから(後半3分)、GK後藤がパンチングしたボールを拾ったロメロがシュート(枠外)と、フィニッシュに持ち込んだのも前半同様の光景となりました。

前半同様、ボールサイドに人数を掛けて攻め上がる新潟。
しかしシュートに結び付かない時間帯が続くと、再び金沢が脅かすシーンが。
10分、敵陣左サイドで片倉がパスカットし、藤村とパス交換したのちエリア内へスルーパス。
丹羽が抜け出して合わせたものの、これもオフサイドの笛が鳴り響き。(シュートは枠に飛ばず)
金沢の記録上のシュート数は極端に少なかったものの、こうして取り消されたシーンがあったからであり、体感的にはカウンター狙いなのもあり押され気味という印象はありませんでした。
6節・町田戦(1-0)でも、シュート数は僅か2本という公式記録が残っていながら勝利を収めている金沢。

それでも新潟のクオリティの高さは抜けており、以降再び攻撃権を支配していく展開に。
14分、谷口の中盤でのポストプレイから右サイドで攻め上がり、エリア内右から藤原がクロス。
ブロックされて入れ直したグラウンダーのボールを、本間フリック→ロメロポストプレイと細かく繋がれたのち本間がシュート。(ブロック)
人数を掛けての攻撃は迫力満点で、今季首位に居るのも頷ける内容です。

そんな新潟にアクシデントが襲ったのが17分で、右サイドでボールを持ったロメロが足を痛めて倒れ込み。
筋肉系トラブルらしく、起き上がれないまま担架で運ばれると、交代の憂き目となってしまいます。(矢村が交代で出場)

それでも主体的に攻め続ける姿勢は変わらずで、それを止めんとする金沢の反則も膨れ上がっていきます。
23分には堀米のスルーパスに抜け出した高木が金沢・庄司に倒され、庄司に警告が。
その後も25分に金沢・嶋田に倒されるなど、チェックの激しさに思わずヒートアップしてしまう場面もあった高木。

金沢サイドは25分に大谷→窪田、29分に嶋田→力安と交代カードを切り。
両サイドハーフを入れ替え、カウンターの威力を維持したいという交代でしたが、残念ながらそれは実りませんでした。

31分に新潟が、左サイドの本間の突破で奥から低いクロスが入り、谷口が合わせるも枠外に。
すると直後の32分、藤原がスパイクの異常で一旦ピッチ外へ出る事となり(紐が切れたとの事)、一時的に10人となった新潟。
しかしこの場面で好機に繋げたのは新潟で、GK阿部のロングフィードを高木が落とすと、拾った本間がドリブル。
そして矢村にラストパスを送ると、エリア内に入って放たれた矢村のシュートがゴールネットを揺らし。
数的不利な状況で奪ったまさかの先制点。

恐らくは数的有利という事で総人前掛かりになっていたであろう金沢守備陣ですが、ボールを抑えられるとその隙が露呈し、決められてしまう事となったのでしょう。
それにしても痛すぎる失点を喫してしまった金沢。

以降は前掛かりとなり、前線は新潟最終ラインにまでプレッシングを敢行し、何とか同点を狙わんとする金沢。(40分に瀬沼→杉浦恭平に交代)
丹羽が何度かボールカットに成功し好機に繋がる場面もありましたが、それでもシュートに結び付ける力に乏しい現状ではやはり苦しく。

逆に新潟が奥深さを発揮し、マイボールになるとパスワークで金沢のプレスをいなし。
そして隙あらば前へとパスを繋ぎ、本間を中心とした突破力を見せてゴール前に迫る事も目立ちました。
39分には左サイドを本間がドリブルで持ち上がり、そのまま奥でカットイン、エリア内からシュートを放つもゴールには向かわず。(右サイドへ逸れる)
42分は敵陣でボールを奪い谷口がドリブルで前進、左サイドからエリア内へと入り中央へパス。
堀米のポストプレイを経てシュートを放った谷口ですが、ゴール右へと外してしまい追加点は奪えず。

止めを刺される恐怖とも戦う事を強いられた金沢、ATに突入して何とか攻撃権を得ます。
新潟が谷口→早川へと交代、3バックへとシフト(実質5バック、堀米が左ウイングバックに回り早川は左CB?)する守備固めの大勢をとる中、迎えたラストプレー。
左サイドで力安がエリア手前へロングパスを入れ、丹羽が収めて右へ展開し、松田のクロスがファーサイドへ。
杉浦恭が落とした所を力安がシュートしたものの、枠を捉える事は出来ず。
そして試合終了の笛が鳴り響き。
最後に数少ないシュートを見せた金沢ですが、同点に辿り着く事は出来ませんでした。

これで8戦7勝1分と、止まる所を知らない新潟の勢いですが、奇しくも同等の成績で2位に着ける琉球も崩れる事無く追走している状態です。
次の9節はミッドウィークでの開催で、固定メンバーでの戦いが続く中に襲い掛かる水曜の試合。
この日は交代カードを2枚しか切らずと、レギュラーに絶対的な信頼を置いているようなアルベルト・プッチ・オルトネダ監督ですが、果たして次戦のメンバー選択はいかに。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第8節 松本山雅FCvsヴァンフォーレ甲府

2021-04-19 17:03:30 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の松本の記事はこちら(5節・水戸戦、0-3)
※前回の甲府の記事はこちら(6節・長崎戦、1-2)

5節以降、3-4-2-1の布陣が基本スタメンとなっている松本、同じく3-4-2-1の甲府とはミラーマッチ。
甲信ダービーに相応しいスタートとなったでしょうか。
また松本が横山・甲府が鳥海と、ターゲット役では無い選手が1トップを務めるという変則型を取ったのも、奇しくも同様となりました。

甲府が主導権を握る入りとなりましたが、その中で1トップの鳥海は降りてボールを受けようとする事が殆どで、それによりボランチの中村が前に出るシーンが目立ちました。

極端な変形を見せる事でギャップを作る狙いが伺えた甲府ですが、先制したのは松本。
前半8分、左サイドで外山がドリブル突破からクロスを上げると、ファーサイドで鈴木がヘディングシュートを左サイドネットに突き刺し。
この日初めての攻撃機会でしたが、見事に得点に繋げた鈴木。

以降反撃に出る甲府は、泉澤が左サイドで張るおなじみのサイド攻撃で圧力を掛け。
13分には荒木が左手前からクロスを上げると、長谷川のポストプレイを経て最前線まで上がっていた中村がシュートにいくもミート出来ず。
サイド攻撃と変則的な前線の融合を見せかけたものの、15分にはいつもの、泉澤の突破力を活かしての攻撃。
メンデスのロングパスを受けた泉澤、ドリブルののちエリア内左へとスルーパスを送り、走り込んだ鳥海がマイナスのクロス。
ファーサイドまで流れたボールを関口がシュートし、ブロックされコーナーキックに。
キッカー野津田のクロスをGK圍がパンチングにいきますが、橋内と交錯し大きく弾けず、長谷川がエリア内で拾ってシュート。
得意のセットプレー(松本にとっては今季苦手なセットプレー守備)をモノにし、早い時間帯で追いついた甲府。

序盤から点を取り合い、テンションも高まっていたのか。
18分に甲府・新井が、ドリブルする松本・河合を倒してしまい反則、警告を貰う事に。
しかし次の瞬間、松本・鈴木と言い合いになりヒートアップする事となってしまいます。
キャプテンらしくない振る舞いと思われましたが、発散する事で冷静になるタイプも居る訳で、新井もどうやらその型らしく。

20分の松本の好機、前のミドルシュートがブロックされるも尚も繋ぎ、右サイドで下川がクロス。
GK岡西がパンチングしたボールを再び前がボレーシュート、無人のゴールに向かったボールをゴール前でブロックしたのは新井。
冷静にピンチを防ぎました。
一安心と思われたのも束の間、飲水タイムが挟まれた(24分)後、最初の松本の攻撃。
左サイドで佐藤の裏へのパスを、あろう事か新井がクリアミスで横山が受ける形となり、そのままドリブルでエリア内に進入する横山。
そしてシュートが放たれますが、GK岡西のセーブで辛うじて防いだ甲府。

やや不安定な時間帯になった甲府でしたが、松本にアクシデントが発生(篠原が負傷し野々村と交代)した事もあり、以降は押し気味に展開。
32分、中盤でボールを収めた鳥海から左サイドへ展開すると、やはり躍動したのは泉澤。
カットインでエリア内に進入し中央からシュートするも、GK圍がセーブ。
35分再び泉澤が左サイドでボールを持ち今度はクロスを上げ、逆サイドに流れたボールを中村が拾い、戻してからのパスワークを経て再度受けた中村がクロス。
ファーサイドで泉澤が収め、キープして左へ叩いたのち荒木から三度のクロスが入ると、長谷川が叩き付けるヘディングシュートで仕留めゴール。
勝ち越した後も攻撃の手を緩めない甲府は、37分またも泉澤が左サイドでボールを持ち、キープする姿勢のまま奥へ進入。
切り返したのちクロスが上がると、ファーサイドで関口がヘディングシュート、GK圍が何とか弾いてボールバーに当たり。
泉澤がボールを持つだけで対面のDFは突破を警戒するので、キープの姿勢で前に進む事も容易となり、やはり相手にとって恐ろしい存在だという事を痛感させます。

そして38分、野津田のミドルシュートがブロックされてCKを得た甲府。
キッカー長谷川のクロスを、中央でメンデスがフリーで合わせヘディングシュート。
あっさりとセットプレーから直接モノにした甲府、3点目を挙げて突き放しました。
流れも完全にモノにしており、以降も松本に反撃の機会を許さないまま、2点差を保って前半を終えます。

窮地を打開したい松本は、後半頭から横山を交代する選択。
期待された初スタメンの横山でしたが、裏抜けを警戒されるとやれる事も無くなり、次第に勢いも失っていったというこの日の印象でした。
ベンチスタートの阪野が入り前線にターゲットを据えただけでなく、3-3-2-2へと布陣変更し、鈴木との2トップを形成。
さらに両WBを入れ替え、外山が右・下川が左という形で後半に挑みました。

前や下川など、主力にポリバレントな選手を数多抱えている松本。
その強みを活かすかのように、選手交代の際はポジションチェンジを絡めてのものが多く見られます。
ただし前回観た際は、前・下川が居ないにも拘らず、フォーメーション変更も含めた大幅な入れ替えを敢行した結果失点を重ねて敗戦となってしまいましたが……。

オフの補強策で一気に大所帯となったような松本ですが、まだその抱えている駒にベンチが翻弄されている感が拭えず。
得点は出来るようになったものの、今度は失点数が膨らむという具合に、噛み合わせの悪さがこの試合も露呈。
しかしそれでも迷っている暇は無く、不調なりに戦い、勝ち点を拾わなければ未来は閉ざされるだけ。
取られた点を嘆くよりは、取り返すだけという精神状態になれたかどうか。

後半が始まり、再び甲府ペースの入り。
後半2分ここも左サイドで形を作り、人数を掛けてパスを繋いだ後鳥海が手前から低いクロス。
これをニアサイドで長谷川が収めてそのままシュート。(ブロック)
既に初ゴール含む2得点を挙げているこの日の長谷川、ハットトリックを狙わんという場面であり、前々節にあれだけフィニッシュを決め損ねた姿はそこには無く。

ペースを掴み損ねた松本、6分にGKにまでプレスを受けながらも、かわして左サイドでパスを繋ぎ前進。
河合のスルーパスに走り込んだ下川からクロスが入りましたが、グラウンダーのボールに阪野が走り込むも合わせられず。

プレスを剥がしての攻撃は勇気付けるものですが、以降も松本の勢いは付かずに時間が進んでいきます。
甲府サイドも停滞し、お互いがビルドアップから攻撃しようとするも、好機に繋がらない時間が長く続き。
リードしている甲府にとってはそれでOKと出来ますが、松本にとってはそうはいかず。

ようやく松本が攻撃機会を得たのが19分。
中盤で阪野のポストプレイから、右サイドで長くパスを繋いだのち外山のクロスが上がり、阪野が合わせにいくもクリアに入られボールは尚も上空へ。
下川が足下で繋ぎ、中央へこぼれたボールに佐藤が走り込んでシュート、GK岡西がセーブしたこぼれ球を鈴木が詰めてシュート。
波状攻撃で甲府守備陣を破り、反撃の狼煙を上げるゴールとなります。

尚も22分、鈴木の右→左のサイドチェンジから、受けた下川がエリア内左からシュートを放つ(ブロック)場面を作った松本。
相手の勢いを削ぎたい甲府、直後に2枚替えを敢行します。(鳥海・長谷川→有田・山田、野津田がボランチ→右シャドーへシフト)

25分に飲水タイムが挟まれた後は、松本のビルドアップからの攻撃に対し、甲府が構えるという絵図にシフトしていきます。
5-4-1のブロックで、前線5枚が五角形を形成して構える体勢の甲府に対し、松本がどう崩していくか。

31分の松本、最終ラインで右へ展開し、中央に戻されたのち橋内が五角形の中へとパス。
これを河合がダイレクトでさらに前方にパス、受けた阪野が右に展開してこの五角形を突破し、右サイド奥でパスワークののち大野がクロス。
ニアで阪野が収めて中央へとヒールパスを送ると、受けた佐藤がシュートするも枠を捉えられず。
35分にも、五角形の内部で阪野がポストワークを展開したのち、橋内の左へのロングパスで突破。
その後下川のクロスに阪野が合わせにいく場面を作るなど、攻め上がる松本。
しっかりと甲府の五角形の中でプレーし、崩しを図る姿勢が見られました。
内部でボールを受けられれば、底辺を形成する両ボランチがプレスにいこうとする隙が出来、最終ラインの前にスペースが生まれる。
そんな弱点を突く振る舞いをしつつ、攻勢を掛けられていたこの時間帯の松本。

それでもゴールだけは生まれず、終盤が見えて来た時間帯に。
36分に外山・河合→表原・米原へと2枚替えを敢行した松本、ここでも佐藤がボランチ→左シャドー・前が右シャドー→右WBへと、大きく配置を動かしてきました。(米原はボランチ・表原は右シャドー)

そして37分。
自陣右サイドでのスローインから、前が長いスルーパスを中央へと送ると、カットに入った甲府・山本を抜いて一気に鈴木が裏でボールを受ける絶好機に。
跳び出したGK岡西を冷静に右へとかわした鈴木、ゴールへと蹴り込んで同点に。
この日ハットトリックという大車輪ぶりで、先程の五角形の攻防とは無縁な場面ながら、とうとう追い付いた松本。

一方追い付かれた甲府(既に33分に野津田→野澤へと交代)、41分に最後のカードを切り、泉澤・中村→金井・浦上。(山本が中央センターバック→ボランチに、新井が右CB→中央CBにシフト)
完全に勢いづく松本を止めるためか、浦上をCBに入れる守備的な策を採ります。

その目論見は正しく、以降も松本が怒涛の攻撃を仕掛けます。
敵陣でボール奪取したり、クリアボールを拾ったりと分厚い攻撃から、43分には表原がドリブルでエリア内に進入してシュート。(ブロック)
尚も同43分鈴木がドリブルで左サイド奥へと進入してクロスを上げると、ファーサイドで表原がヘディングシュート。(GK岡西キャッチ)
44分には右サイドでのパスワークから佐藤が低いクロス、中央で鈴木が収めてシュート、ブロックされてこぼれたボールを佐藤が拾いシュート。(ゴール右へ外れる)
守備を固めた甲府に対し、幾度もフィニッシュを浴びせた松本ですが、勝ち越し点を奪う事は出来ず。

そのままアディショナルタイムに突入し、松本の勢いが止まり、甲府サイドもロングボールを上げるだけになった試合展開。
引き分けを予感させるには十分の光景で、その通りに3-3のまま試合終了の笛が鳴り響き。
不利な状況から勝ち点をもぎ取った松本、浮上への光明は見えて来たでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J1リーグ第18節(前倒) セレッソ大阪vs徳島ヴォルティス

2021-04-16 18:36:02 | サッカー視聴記(2021年J1)

<C大阪スタメン> 4-4-2
GK キムジンヒョン
RSB 松田陸 CB 進藤 CB 西尾 LSB 丸橋
RSH 西川 DH 奥埜 DH 藤田直之 LSH 清武
FW 大久保 FW 豊川
<徳島スタメン> 4-2-3-1
GK 上福元
RSB 岸本 CB 鈴木大誠 CB 福岡 LSB ジエゴ
DH 藤田譲瑠チマ DH 岩尾
RSH 浜下 CH 宮代 LSH 藤原
FW 河田

リーグ戦のみの5連戦が組まれているACL組。
それに付き合う事を強いられる相手クラブ(徳島の他福岡・広島・鳥栖)も含め、コンディション・フィットネスの面での調整も重要となって来る局面。

そんな采配を放棄しているかのように、レヴィー・クルピ監督の下ほぼスタメン固定を貫いているセレッソ。
8節(マリノス戦、0-1)で3人入れ替えたものの、以降は瀬古→進藤の序列変更が行われたのみで、この日は9節(福岡戦、2-2)と同等のスタメンとなりました。
前回(6節・湘南戦、0-0)観た時も、相手に内容面で後塵を拝する事を余儀なくされるなど、コンディションの悪さが露呈しているようなサッカーに終始。
その試合で原川・坂元が故障離脱するという具合に、この方策はマイナスとプラスどちらに振れているのか、傍らから見て不明。(成績自体は暫定5位)

4月1日に専用スタジアム(ヨドコウ桜スタジアム)の改修が終わり、前倒しが無ければこけら落としとなるはずだったこの徳島戦。
結局ヤンマースタジアムでのキックオフとなり、セレッソは早々の前半2分に決定機。
藤田直の低いロングパスからダイレクトで豊川→大久保スルーパス→豊川と渡り、ドリブルでエリア内に進入してシュート。
GK上福元の右を破り、電撃作戦成功かと思われた豊川のシュートでしたが、ゴールポストを直撃してしまい先制ならず。

しかしその後は、徳島の攻撃を受ける展開に。
前線からのプレスでボールを失ったり、長短織り交ぜたビルドアップに四苦八苦するシーンが目立つセレッソ。
その通りにシュートを浴びる機会も膨らみ、13分岸本のパスカットから、河田がドリブルののちミドルシュート。(GKキムジンヒョンセーブ)
直後のコーナーキック、キッカー岩尾はニアサイドに低いクロス、中央エリア手間にこぼれた所を藤原がミドルシュート(ゴール左へ外れる)と攻め立てられます。

そして次の徳島の攻撃でした。
ここも前線でボール奪取した徳島、左サイドのジエゴから河田→浜下→宮代とエリア内中央へ渡り、宮代はワントラップからシュート。
流れるような動作で放たれたシュートは、セレッソ・進藤のブロックに当たったのもありゴール左へと突き刺さり。
この日もセレッソの内容の低調ぶりが露呈されるような、徳島の先制点となりました。

以降は多少落ち着きを見せ、後方でボールを繋いだのち、裏抜けを狙ったロングパスで攻撃を組み立てるセレッソ。
徳島を押し込む事に成功しセットプレーの数も膨らむものの、フィニッシュまでは繋がらず。
飲水タイム(24分)前の最後のプレーでは、藤田直がロングスローを入れて攻撃するなど、何処と無く「流れが悪いのならば、セットプレー一発で仕留めよう」という気概が見られました。

ブレイク明け、26分に徳島のシュートシーン(岩尾のミドルシュート・枠外)から始まりましたが、その後は膠着状態に。
ともに好機を作れずという時間が続いたものの、再びセレッソはセットプレーで得点を狙いにいき、それが功を奏します。
34分に再度ロングスロー、右サイド奥から藤田直がボールを投げ入れると、ニアサイドで後方から進藤が合わせにいきヘディングシュート。
クリアしようとしていた徳島・ジエゴの前に入り込み、ゴール右へと突き刺す同点弾となりました。
本当に狙い通りだったのかは不明ですが、セットプレーで仕留めたセレッソ。

序盤の勢いを止められた格好の徳島は、40分にセレッソのプレスを剥がして好機を作り。(シュートまではいけず)
やはりポゼッションスタイルのチームは、相手のプレッシングに負けない姿勢を見せる事が勇気に繋がるもので、以降再び徳島ペースの様相となります。
43分、長いボール保持でサイドを動かしたのち、左ハーフレーン手前から上がったジエゴのクロスから河田がヘディングシュート。
巧く薄く当ててゴール隅を狙ったものの、枠を捉えられず。
それでもペースを握り続けた徳島、相手に攻撃権を与えないまま前半を終了します。

次の試合から、待望の新監督ダニエル・ポヤトス氏が指揮を執る見通しがたった徳島。
それと前後して前試合(浦和戦・0-1)は、前監督のリカルド・ロドリゲス氏のチームとの対戦となったのは非常に運命的。

これを機に呪縛を断ち切り新たな一歩を……とは物語で良く見られるような話ですが、サッカーの継続性を維持している徳島の場合はそうはならず。
特徴である主体的な攻撃を、カテゴリーが上がった中でも貫き、成績的にもようやく軌道に乗り勝ち点を稼ぎつつあります。

そんな上り調子であるクラブの状況だけに、維持と発展のバランスをどう取っていくのかがポヤトス氏の当面の仕事となるでしょうか。(まあ合流前も、リモートでチームを見てきたとの事で不安は少ないでしょうが)
良い流れを壊したくないのは誰もが考える事ですが、サッカーの発展無くしては停滞してしまう恐れもあり。
今季のリーグ的にも、ひとまず下は見えづらくなったとはいえ、4つの自動降格枠が再び襲ってくるという恐怖は健在。
期待と不安が入り混じる状況ながら、新監督の舵取りに注目したい所です。

セレッソ側はやはりコンディション面を考慮するハーフタイムとなり、2枚替えを敢行。(大久保・西川→加藤・中島)
前節ともにゴールを挙げた2人が投入され、若手選手の突き上げという効果も期待しての起用。

しかし後半が始まると、徳島がさらにペースを上げる事に。
後半2分に浜下が裏へスルーパス、これはカットに入られるも、こぼれ球を河田が遠目からミドルシュートを放ちます。
GKキムジンヒョンのセーブに防がれるも、これが皮切りとなり以降怒涛の攻撃を見せます。

直後の左CK、こぼれ球を右サイドで拾ったジエゴが、カットインしてシュート。(枠外)
8分には左サイド奥で宮代が一旦奪われるも、奪い返してエリア内へパス、河田のヒールパスののち中央から浜下がシュート。(ゴール左へ外れる)
10分には岩尾の右サイドへのロングパスから形を作り、浜下のグラウンダーのクロスに、上がってきた岩尾がミドルシュート。(GKキムジンヒョンキャッチ)
13分にも、右サイドで岸本のクロスから、河田が前半と同様薄く当てたヘディングシュートを放つも枠外に。

完全な徳島ペースで進んだ後半。
セレッソも4分に、CKから期待の加藤がヘディングシュートを放った(ゴール左へ外れる)ものの、押されっぱなしの状態から抜け出せず。

そんな状況の中、やはり理想は前半同様に、セットプレーから一撃で決める事だったでしょうか。
20分に右サイドかなり手前でフリーキックを得、キッカー中島は低いクロスを入れると、混戦の中中央にこぼれたのち加藤がトラップしてボレーシュート。
GK上福元が間一髪セーブし、冷や汗を掻いた徳島サイド。
押せ押せの状況故、こうした一発で勝ち越し点を許してしまうのが最もダメージの残る事象だっただけに助かった格好となりました。

それでもセレッソの思惑が露わになるに従い、徳島が自陣で反則を犯すシーンが増えてきたこの時間帯。
23分に再びFK、中島が直接シュートを放った(ゴール上に外れる)所で後半の飲水タイムに。

明けた後は徳島の勢いは止まり、27分に豊川が、28分に松田陸がシュートを放ち脅かすセレッソ。
後半の交代カードはというと、16分に徳島が藤原→杉森に交代。
20分にセレッソが清武→松本に交代。
そして終盤勝負の様相となってきた30分、徳島が2枚替えを敢行します。(チマ・浜下→鈴木徳真・渡井)

その直後の31分、徳島に決定機が。
ここでも左サイド最後方からパスを繋ぐ徳島、プレスを剥がして前進に成功し、河田の左へのスルーパスを受けた杉森が左サイド奥からカットイン。
そして強烈なシュートをニアサイドに放ちましたが、ゴールポストを直撃してしまい勝ち越しならず。

しかしその直後(33分)はセレッソにも決定機。
この日のセレッソらしくセットプレー(左サイドやや手前からのFK)からで、クロスがクリアされて拾った藤田直がエリア内右へロビングを入れ、こぼれたボールを松本がボレーシュート。
しかし左ゴールポストを直撃、跳ね返りを丸橋がシュートしましたが、徳島・鈴木大がスライディングでブロックしこちらもゴールならず。

ともにゴールポストに嫌われるシーンを演出し、どちらに転ぶか全く判らなくなってきた試合。
37分に双方選手交代、徳島は河田→垣田、セレッソは豊川→松田力。
以降お互いに攻め合う展開となりますが、セレッソは40分に松本がミドルシュート、徳島は41分にジエゴがミドルシュート。
しかし両方とも枠を大きく外す結果で、疲労も蓄積する終盤故の、引き分けの可能性が高まりつつある象徴のようなシーンに終始。

勝負が決まるとすれば、その疲労感が破綻を招いた時でしょうか。
そしてその時が45分に訪れます。
徳島の攻撃、左サイドから杉森のスルーパスをエリア内左に走り込んだ渡井からクロス。
クリアされるも岩尾が拾い、今度は逆の右サイドに展開して岸本が低いクロスを入れます。
これをクリアに入ったセレッソ・西尾、出した左足に当てたボールは、あろう事かセレッソゴールに吸い込まれる結果となってしまいます。
最終盤で非常に大きなミスを犯してしまい失点したセレッソ、逆に徳島は勝利が転がり込むような勝ち越し点。

アディショナルタイムを迎え、もはやパワープレイに賭ける状況となったセレッソ。(進藤が前線に上がる)
徳島にコーナーで時間を稼がれたりもしましたが、何とかロングボールを放り込む体制を作ります。
しかし乱戦に持ち込むも、追い付くには時間が足りず。
松田陸がボレーシュートを放ったり(ブロック)もしましたが、及ばず試合終了の笛が。

これで今季4勝目と、前回のJ1時の勝利数を上回った徳島。
イレギュラーな状況ながらも、破綻させずに最善の結果を叩き出し、新監督にバトンを渡す事となった甲本偉嗣ヘッドコーチの奮闘も光ったリーグ序盤戦となりました。

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