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DAZN観戦 2021年J2リーグ第8節 松本山雅FCvsヴァンフォーレ甲府

2021-04-19 17:03:30 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の松本の記事はこちら(5節・水戸戦、0-3)
※前回の甲府の記事はこちら(6節・長崎戦、1-2)

5節以降、3-4-2-1の布陣が基本スタメンとなっている松本、同じく3-4-2-1の甲府とはミラーマッチ。
甲信ダービーに相応しいスタートとなったでしょうか。
また松本が横山・甲府が鳥海と、ターゲット役では無い選手が1トップを務めるという変則型を取ったのも、奇しくも同様となりました。

甲府が主導権を握る入りとなりましたが、その中で1トップの鳥海は降りてボールを受けようとする事が殆どで、それによりボランチの中村が前に出るシーンが目立ちました。

極端な変形を見せる事でギャップを作る狙いが伺えた甲府ですが、先制したのは松本。
前半8分、左サイドで外山がドリブル突破からクロスを上げると、ファーサイドで鈴木がヘディングシュートを左サイドネットに突き刺し。
この日初めての攻撃機会でしたが、見事に得点に繋げた鈴木。

以降反撃に出る甲府は、泉澤が左サイドで張るおなじみのサイド攻撃で圧力を掛け。
13分には荒木が左手前からクロスを上げると、長谷川のポストプレイを経て最前線まで上がっていた中村がシュートにいくもミート出来ず。
サイド攻撃と変則的な前線の融合を見せかけたものの、15分にはいつもの、泉澤の突破力を活かしての攻撃。
メンデスのロングパスを受けた泉澤、ドリブルののちエリア内左へとスルーパスを送り、走り込んだ鳥海がマイナスのクロス。
ファーサイドまで流れたボールを関口がシュートし、ブロックされコーナーキックに。
キッカー野津田のクロスをGK圍がパンチングにいきますが、橋内と交錯し大きく弾けず、長谷川がエリア内で拾ってシュート。
得意のセットプレー(松本にとっては今季苦手なセットプレー守備)をモノにし、早い時間帯で追いついた甲府。

序盤から点を取り合い、テンションも高まっていたのか。
18分に甲府・新井が、ドリブルする松本・河合を倒してしまい反則、警告を貰う事に。
しかし次の瞬間、松本・鈴木と言い合いになりヒートアップする事となってしまいます。
キャプテンらしくない振る舞いと思われましたが、発散する事で冷静になるタイプも居る訳で、新井もどうやらその型らしく。

20分の松本の好機、前のミドルシュートがブロックされるも尚も繋ぎ、右サイドで下川がクロス。
GK岡西がパンチングしたボールを再び前がボレーシュート、無人のゴールに向かったボールをゴール前でブロックしたのは新井。
冷静にピンチを防ぎました。
一安心と思われたのも束の間、飲水タイムが挟まれた(24分)後、最初の松本の攻撃。
左サイドで佐藤の裏へのパスを、あろう事か新井がクリアミスで横山が受ける形となり、そのままドリブルでエリア内に進入する横山。
そしてシュートが放たれますが、GK岡西のセーブで辛うじて防いだ甲府。

やや不安定な時間帯になった甲府でしたが、松本にアクシデントが発生(篠原が負傷し野々村と交代)した事もあり、以降は押し気味に展開。
32分、中盤でボールを収めた鳥海から左サイドへ展開すると、やはり躍動したのは泉澤。
カットインでエリア内に進入し中央からシュートするも、GK圍がセーブ。
35分再び泉澤が左サイドでボールを持ち今度はクロスを上げ、逆サイドに流れたボールを中村が拾い、戻してからのパスワークを経て再度受けた中村がクロス。
ファーサイドで泉澤が収め、キープして左へ叩いたのち荒木から三度のクロスが入ると、長谷川が叩き付けるヘディングシュートで仕留めゴール。
勝ち越した後も攻撃の手を緩めない甲府は、37分またも泉澤が左サイドでボールを持ち、キープする姿勢のまま奥へ進入。
切り返したのちクロスが上がると、ファーサイドで関口がヘディングシュート、GK圍が何とか弾いてボールバーに当たり。
泉澤がボールを持つだけで対面のDFは突破を警戒するので、キープの姿勢で前に進む事も容易となり、やはり相手にとって恐ろしい存在だという事を痛感させます。

そして38分、野津田のミドルシュートがブロックされてCKを得た甲府。
キッカー長谷川のクロスを、中央でメンデスがフリーで合わせヘディングシュート。
あっさりとセットプレーから直接モノにした甲府、3点目を挙げて突き放しました。
流れも完全にモノにしており、以降も松本に反撃の機会を許さないまま、2点差を保って前半を終えます。

窮地を打開したい松本は、後半頭から横山を交代する選択。
期待された初スタメンの横山でしたが、裏抜けを警戒されるとやれる事も無くなり、次第に勢いも失っていったというこの日の印象でした。
ベンチスタートの阪野が入り前線にターゲットを据えただけでなく、3-3-2-2へと布陣変更し、鈴木との2トップを形成。
さらに両WBを入れ替え、外山が右・下川が左という形で後半に挑みました。

前や下川など、主力にポリバレントな選手を数多抱えている松本。
その強みを活かすかのように、選手交代の際はポジションチェンジを絡めてのものが多く見られます。
ただし前回観た際は、前・下川が居ないにも拘らず、フォーメーション変更も含めた大幅な入れ替えを敢行した結果失点を重ねて敗戦となってしまいましたが……。

オフの補強策で一気に大所帯となったような松本ですが、まだその抱えている駒にベンチが翻弄されている感が拭えず。
得点は出来るようになったものの、今度は失点数が膨らむという具合に、噛み合わせの悪さがこの試合も露呈。
しかしそれでも迷っている暇は無く、不調なりに戦い、勝ち点を拾わなければ未来は閉ざされるだけ。
取られた点を嘆くよりは、取り返すだけという精神状態になれたかどうか。

後半が始まり、再び甲府ペースの入り。
後半2分ここも左サイドで形を作り、人数を掛けてパスを繋いだ後鳥海が手前から低いクロス。
これをニアサイドで長谷川が収めてそのままシュート。(ブロック)
既に初ゴール含む2得点を挙げているこの日の長谷川、ハットトリックを狙わんという場面であり、前々節にあれだけフィニッシュを決め損ねた姿はそこには無く。

ペースを掴み損ねた松本、6分にGKにまでプレスを受けながらも、かわして左サイドでパスを繋ぎ前進。
河合のスルーパスに走り込んだ下川からクロスが入りましたが、グラウンダーのボールに阪野が走り込むも合わせられず。

プレスを剥がしての攻撃は勇気付けるものですが、以降も松本の勢いは付かずに時間が進んでいきます。
甲府サイドも停滞し、お互いがビルドアップから攻撃しようとするも、好機に繋がらない時間が長く続き。
リードしている甲府にとってはそれでOKと出来ますが、松本にとってはそうはいかず。

ようやく松本が攻撃機会を得たのが19分。
中盤で阪野のポストプレイから、右サイドで長くパスを繋いだのち外山のクロスが上がり、阪野が合わせにいくもクリアに入られボールは尚も上空へ。
下川が足下で繋ぎ、中央へこぼれたボールに佐藤が走り込んでシュート、GK岡西がセーブしたこぼれ球を鈴木が詰めてシュート。
波状攻撃で甲府守備陣を破り、反撃の狼煙を上げるゴールとなります。

尚も22分、鈴木の右→左のサイドチェンジから、受けた下川がエリア内左からシュートを放つ(ブロック)場面を作った松本。
相手の勢いを削ぎたい甲府、直後に2枚替えを敢行します。(鳥海・長谷川→有田・山田、野津田がボランチ→右シャドーへシフト)

25分に飲水タイムが挟まれた後は、松本のビルドアップからの攻撃に対し、甲府が構えるという絵図にシフトしていきます。
5-4-1のブロックで、前線5枚が五角形を形成して構える体勢の甲府に対し、松本がどう崩していくか。

31分の松本、最終ラインで右へ展開し、中央に戻されたのち橋内が五角形の中へとパス。
これを河合がダイレクトでさらに前方にパス、受けた阪野が右に展開してこの五角形を突破し、右サイド奥でパスワークののち大野がクロス。
ニアで阪野が収めて中央へとヒールパスを送ると、受けた佐藤がシュートするも枠を捉えられず。
35分にも、五角形の内部で阪野がポストワークを展開したのち、橋内の左へのロングパスで突破。
その後下川のクロスに阪野が合わせにいく場面を作るなど、攻め上がる松本。
しっかりと甲府の五角形の中でプレーし、崩しを図る姿勢が見られました。
内部でボールを受けられれば、底辺を形成する両ボランチがプレスにいこうとする隙が出来、最終ラインの前にスペースが生まれる。
そんな弱点を突く振る舞いをしつつ、攻勢を掛けられていたこの時間帯の松本。

それでもゴールだけは生まれず、終盤が見えて来た時間帯に。
36分に外山・河合→表原・米原へと2枚替えを敢行した松本、ここでも佐藤がボランチ→左シャドー・前が右シャドー→右WBへと、大きく配置を動かしてきました。(米原はボランチ・表原は右シャドー)

そして37分。
自陣右サイドでのスローインから、前が長いスルーパスを中央へと送ると、カットに入った甲府・山本を抜いて一気に鈴木が裏でボールを受ける絶好機に。
跳び出したGK岡西を冷静に右へとかわした鈴木、ゴールへと蹴り込んで同点に。
この日ハットトリックという大車輪ぶりで、先程の五角形の攻防とは無縁な場面ながら、とうとう追い付いた松本。

一方追い付かれた甲府(既に33分に野津田→野澤へと交代)、41分に最後のカードを切り、泉澤・中村→金井・浦上。(山本が中央センターバック→ボランチに、新井が右CB→中央CBにシフト)
完全に勢いづく松本を止めるためか、浦上をCBに入れる守備的な策を採ります。

その目論見は正しく、以降も松本が怒涛の攻撃を仕掛けます。
敵陣でボール奪取したり、クリアボールを拾ったりと分厚い攻撃から、43分には表原がドリブルでエリア内に進入してシュート。(ブロック)
尚も同43分鈴木がドリブルで左サイド奥へと進入してクロスを上げると、ファーサイドで表原がヘディングシュート。(GK岡西キャッチ)
44分には右サイドでのパスワークから佐藤が低いクロス、中央で鈴木が収めてシュート、ブロックされてこぼれたボールを佐藤が拾いシュート。(ゴール右へ外れる)
守備を固めた甲府に対し、幾度もフィニッシュを浴びせた松本ですが、勝ち越し点を奪う事は出来ず。

そのままアディショナルタイムに突入し、松本の勢いが止まり、甲府サイドもロングボールを上げるだけになった試合展開。
引き分けを予感させるには十分の光景で、その通りに3-3のまま試合終了の笛が鳴り響き。
不利な状況から勝ち点をもぎ取った松本、浮上への光明は見えて来たでしょうか。

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