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DAZN観戦 2021年J2リーグ第8節 アルビレックス新潟vsツエーゲン金沢

2021-04-20 16:44:55 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の新潟の記事はこちら(3節・山口戦、2-1)
※前回の金沢の記事はこちら(4節・ヴェルディ戦、4-2)

目下無敗の首位でここまで戦っている新潟。
どこまでこのままの状態を保ち走っていけるかが注目の的となっていますが、ここに来て壁ともいうべき金沢との対戦。

金沢の監督・柳下正明氏が、以前新潟で指揮を執っていたという因縁もあり、最近の対決では非常にやり辛そうな印象です。
前年は1勝1敗、一昨年は2敗と分が悪く。(2018年は2勝)
相対的に強者という位置付けになっている新潟ですが、果たしてそれにより苦手意識がどれだけ薄まっているか。(金沢も現在3位という位置なのですが)

この日は不動の1トップであった鈴木がベンチ外となり、谷口が初のスタメン。
毎試合途中出場を果たしている谷口、前年J3で見せ付けた実力を発揮できるかが注目された新潟。

入りでいきなりコーナーキックを得た(前半2分)新潟。
そのチャンスで、キッカー島田の低いクロスを、ニアサイドでフリックののちファーで舞行龍ジェームズがシュート。
ブロックされたボールを尚も藤原が追撃したものの、枠を捉えられず。
セットプレーからの攻撃でしたが、早くもフィニッシュに持ち込んだ事で、以降の試合の絵図はほぼ定められたようなシーンとなりました。

その後は新潟が、持ち味であるポゼッションを如何なく発揮。
対する金沢は、ボール奪取からショートカウンター気味に好機を作りにいくという姿勢。
この基本線は、後半にスコアが動くまでほとんど変わらず推移する事となります。

千葉・舞行龍の2センターバックと、その背後に控えるGK阿部を根底とするビルドアップ。
「島田が最終ラインに降りての3枚でビルドアップ」と放送席で語られており、確かにその形も見られましたが、その一言では語れないぐらい人を動かして形を作るのが新潟の特徴。
後ろが3枚になる時は、むしろ左サイドバックの堀米が上がらずという形が多く。
そしてその堀米の位置が変わる事により、ボランチの高・島田や、2列目の本間・高木が可変していきパスコースを作っていく奥深いスタイル。
そうして左サイドに人を集中させつつ、右でチャンスを作っていく場面が多いのもポイントで、右SB・藤原がオーバーラップで跳梁。
一方右サイドハーフのロメロ・フランクは、中央寄りに位置してむしろポストプレイで身体を張るのが主たる仕事となるなど、ポジションに拘らない役割を各自見せていきます。

そんな多彩な攻撃を見せていく新潟で、ボール支配率も7割越えで常時推移していきますが、金沢もゴールを割らせず。
プレッシングが特徴の金沢ですが、この日は無闇に出ていかずに、2トップ(丹羽・瀬沼)は新潟ボランチの側で構えるスタイル。
闇雲にプレスを掛けても、最終ラインでかわされて徒労になる事が良く分析されており、最後にやらせなければ良いと割り切っていたのでしょうか。
6分までに3本シュートを放った新潟でしたが、以降はそんな金沢の守備の前に撃つ事が出来ず、飲水タイム(24分)まで時間を進められます。

明けた後もスタイルは不変の新潟ですが、金沢が引っ掛けて好機を作る場面が目立ち始め。
28分には自陣で奪った藤村がすかさず縦パスを入れ、中央で受けた瀬沼がドリブルで抜け出す所を舞行龍に倒されて反則、舞行龍に警告が。
エリアからすぐ手前という絶好の位置での直接フリーキックとなり、キッカー藤村が直接シュートしたものの、壁を直撃。
いくらボールを支配していても、この一発が怖いものであります。

しかし33分には、今度はロメロが右サイドで縦パスを受けた所を金沢・片倉に倒されて反則、片倉に警告が。
このFKから、クリアされたボールを拾った島田がミドルシュートを狙いましたが、枠を大きく外し。
双方とも警告を受けたのちそこから好機を作られ、やや不穏な空気が流れつつも試合は進んでいきます。

金沢が流れの中からシュートを放てないまま、40分が過ぎると新潟が攻撃権を支配。
島田のミドルシュートをちらつかせつつ(40分には実際に放つもGK後藤正面でキャッチ)、パスを繋いだのちエリア内を突く鋭いパスを送る攻撃。
それでも金沢ゴールを奪えないままアディショナルタイムに突入すると、新潟が恐れていた場面が。
最終盤、金沢は中盤でのこぼれ球を左サイドから大橋が裏へロングパス。
これを抜け出した瀬沼がトラップでエリア内に入り、滑り込んでシュートを放つと、ボールは見事にゴールの中へ。
しかしオフサイドの笛が鳴いておりノーゴールとなり、救われた形となった新潟。
その直後に前半終了の笛の音が響きました。

双方交代は無く迎えた後半戦も、新潟が攻撃権を支配する入り。
そしてCKから(後半3分)、GK後藤がパンチングしたボールを拾ったロメロがシュート(枠外)と、フィニッシュに持ち込んだのも前半同様の光景となりました。

前半同様、ボールサイドに人数を掛けて攻め上がる新潟。
しかしシュートに結び付かない時間帯が続くと、再び金沢が脅かすシーンが。
10分、敵陣左サイドで片倉がパスカットし、藤村とパス交換したのちエリア内へスルーパス。
丹羽が抜け出して合わせたものの、これもオフサイドの笛が鳴り響き。(シュートは枠に飛ばず)
金沢の記録上のシュート数は極端に少なかったものの、こうして取り消されたシーンがあったからであり、体感的にはカウンター狙いなのもあり押され気味という印象はありませんでした。
6節・町田戦(1-0)でも、シュート数は僅か2本という公式記録が残っていながら勝利を収めている金沢。

それでも新潟のクオリティの高さは抜けており、以降再び攻撃権を支配していく展開に。
14分、谷口の中盤でのポストプレイから右サイドで攻め上がり、エリア内右から藤原がクロス。
ブロックされて入れ直したグラウンダーのボールを、本間フリック→ロメロポストプレイと細かく繋がれたのち本間がシュート。(ブロック)
人数を掛けての攻撃は迫力満点で、今季首位に居るのも頷ける内容です。

そんな新潟にアクシデントが襲ったのが17分で、右サイドでボールを持ったロメロが足を痛めて倒れ込み。
筋肉系トラブルらしく、起き上がれないまま担架で運ばれると、交代の憂き目となってしまいます。(矢村が交代で出場)

それでも主体的に攻め続ける姿勢は変わらずで、それを止めんとする金沢の反則も膨れ上がっていきます。
23分には堀米のスルーパスに抜け出した高木が金沢・庄司に倒され、庄司に警告が。
その後も25分に金沢・嶋田に倒されるなど、チェックの激しさに思わずヒートアップしてしまう場面もあった高木。

金沢サイドは25分に大谷→窪田、29分に嶋田→力安と交代カードを切り。
両サイドハーフを入れ替え、カウンターの威力を維持したいという交代でしたが、残念ながらそれは実りませんでした。

31分に新潟が、左サイドの本間の突破で奥から低いクロスが入り、谷口が合わせるも枠外に。
すると直後の32分、藤原がスパイクの異常で一旦ピッチ外へ出る事となり(紐が切れたとの事)、一時的に10人となった新潟。
しかしこの場面で好機に繋げたのは新潟で、GK阿部のロングフィードを高木が落とすと、拾った本間がドリブル。
そして矢村にラストパスを送ると、エリア内に入って放たれた矢村のシュートがゴールネットを揺らし。
数的不利な状況で奪ったまさかの先制点。

恐らくは数的有利という事で総人前掛かりになっていたであろう金沢守備陣ですが、ボールを抑えられるとその隙が露呈し、決められてしまう事となったのでしょう。
それにしても痛すぎる失点を喫してしまった金沢。

以降は前掛かりとなり、前線は新潟最終ラインにまでプレッシングを敢行し、何とか同点を狙わんとする金沢。(40分に瀬沼→杉浦恭平に交代)
丹羽が何度かボールカットに成功し好機に繋がる場面もありましたが、それでもシュートに結び付ける力に乏しい現状ではやはり苦しく。

逆に新潟が奥深さを発揮し、マイボールになるとパスワークで金沢のプレスをいなし。
そして隙あらば前へとパスを繋ぎ、本間を中心とした突破力を見せてゴール前に迫る事も目立ちました。
39分には左サイドを本間がドリブルで持ち上がり、そのまま奥でカットイン、エリア内からシュートを放つもゴールには向かわず。(右サイドへ逸れる)
42分は敵陣でボールを奪い谷口がドリブルで前進、左サイドからエリア内へと入り中央へパス。
堀米のポストプレイを経てシュートを放った谷口ですが、ゴール右へと外してしまい追加点は奪えず。

止めを刺される恐怖とも戦う事を強いられた金沢、ATに突入して何とか攻撃権を得ます。
新潟が谷口→早川へと交代、3バックへとシフト(実質5バック、堀米が左ウイングバックに回り早川は左CB?)する守備固めの大勢をとる中、迎えたラストプレー。
左サイドで力安がエリア手前へロングパスを入れ、丹羽が収めて右へ展開し、松田のクロスがファーサイドへ。
杉浦恭が落とした所を力安がシュートしたものの、枠を捉える事は出来ず。
そして試合終了の笛が鳴り響き。
最後に数少ないシュートを見せた金沢ですが、同点に辿り着く事は出来ませんでした。

これで8戦7勝1分と、止まる所を知らない新潟の勢いですが、奇しくも同等の成績で2位に着ける琉球も崩れる事無く追走している状態です。
次の9節はミッドウィークでの開催で、固定メンバーでの戦いが続く中に襲い掛かる水曜の試合。
この日は交代カードを2枚しか切らずと、レギュラーに絶対的な信頼を置いているようなアルベルト・プッチ・オルトネダ監督ですが、果たして次戦のメンバー選択はいかに。

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