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DAZN観戦 2021年J2リーグ第6節 V・ファーレン長崎vsヴァンフォーレ甲府

2021-04-05 18:32:32 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(4節・愛媛戦)

前年惜しくも昇格出来なかった長崎。
雪辱を果たすべくクラブが選んだ道は継続性、という事で、新監督にはコーチから吉田孝行氏を昇格させて挑んだ今季。
しかし5試合で3敗(1勝1分)と、前年のようなスタートダッシュを再現する事は叶わなくなりました。

内容的には、前年貫いたポゼッションサッカーを、今季も継続して行っているとの事。
吉田氏の監督経験(J1神戸)からしても内容と合致している……という見通しがあったのでしょう。
しかし吉田氏の神戸時代は、ルーカス・ポドルスキやアンドレス・イニエスタといった大物選手が続々と加入し、それに伴い「バルサ化」という錦の旗が掲げられたというクラブ事情。
希薄な存在にされ易い環境であったその監督業に、個人的にはやや同情しているのですが、同時に監督としての手腕という点でも希薄になっていなかったか。
そんな不安を解消すべく(?)の、ある意味勝負の長崎での監督業でしょうが出だしで躓いてしまい、暗雲立ち込めている現状。

前節(大宮戦)の0-4での大敗を受けてか、この日は3バック(3-4-2-1)のフォーメーションを選んだ吉田氏。
2節・新潟戦でも使用した布陣ですが、相手の甲府も同一フォーメーションだったため、ミラーゲームの様相となりました。

開始早々(前半1分)に、亀川の左サイドからのクロスに、ファーサイドで鍬先が合わせヘディングシュート。(ゴール右へ外れる)
幸先良い入りとなりましたが、以降はミラーゲームに相応しい試合内容に。

最後尾からパスを繋ぐ長崎。
4バックの際でも、ボランチ1枚が降りての3枚の最終ラインでビルドアップを行うチームですが、3バックの際は最初から3枚。
秋野が3バックの一列前に陣取り「丁の字型」を形成するという、4バック時からややマイナーチェンジした形。
そしてもう一人のボランチであるカイオ・セザールが、秋野と縦関係のポジションを取り、両サイドとともに出口役を務めるのが基本でしょうか。

しかし、甲府の前線はそれほど激しいプレスを掛けて来ず。
前線は、ガッチリと5人(FW・シャドー2人・ボランチ2人)による五角形を維持するのを重視しているようでした。
そのためカイオは自然とその五角形の内部に常時位置取る形となり、彼にボールが入ると素早くチェックにいける体系を保っていたような甲府。

一方の甲府の攻撃、序盤に荒木が接触プレイで肩を痛めるというアクシデントがあり(6分・暫くして復帰)出遅れましたが、次第にチャンスを演出。
11分には野澤がエリア手前でカットインからシュート。(ブロック)
13分にも、クロスのクリアボールに走り込んだ野澤がミドルシュート。(枠外)

長崎の前線の守備も、5人による五角形を基本としつつ、プレスはやや消極的と甲府と類似。
甲府のビルドアップは、中央CBの山本が一列前に出るのが基本スタイルですが、序盤はウイングバックを走らせての裏狙いが中心。
一度ボールを前進させるとすかさずチェックに入られるため、妥当な選択肢といえたでしょうか。

15分頃から長崎が攻撃権を掴み始めますが、この時もカイオは攻撃に絡めず、サイドからの展開が多く。
中盤でのボールの奪い合いというシーンが多く見られる、ミラーゲームに相応しい内容が描かれつつ、飲水タイムへ。(24分)

明けてからは、甲府が泉澤の突破力を活かして攻撃しますがフィニッシュには持ち込めず。
再び膠着状態になるかと思われましたが、試合を動かしたのはセットプレーでした。

29分、長崎の中央かなり遠目からのフリーキック、キッカー秋野はエリア内右へのロビングを選択。
フレイレが折り返すもこぼれ球となり、左サイド奥で亀川が拾ってから、エリア内左で短いパスの連続で崩して澤田がマイナスのクロス。
(鍬先が微妙にコースを変えて)これをフレイレがシュート、甲府・有田の足に当たってコースが変わったのも幸いし、ゴールネットを揺らす事に成功。
開幕節以来の先制点を挙げた長崎。

その後はリードを許した甲府が攻撃権を支配するも、その数は少なく。
前述のような中盤でのボールの奪い合いのシーンが多く、双方ボールロストが目立ち流れを掴めない状態。
40分には再びセットプレーからで今度は甲府、FKでのクロスがクリアされたボールを繋いで二次攻撃、中村がエリア内右角からクロス。
ファーサイドで泉澤がダイビングヘッドの形でシュートするも、ボールはサイドネット外側止まりでモノに出来ず。
前半終了間際には逆に長崎のターンとなり、アディショナルタイムに亀川が左サイドをドリブルし、カットインからシュート。(GK河田キャッチ)
共に見せ場は作ったものの、1-0のまま前半を終えます。

巻き返したい甲府、早めに動きハーフタイムで2枚替え。
小柳・有田→メンデス・長谷川へと交代、三平がシャドー→FWに、新井が左CB→右CBへとシフトします。

その思いとは裏腹に、先に好機を得たのは長崎。
後半3分、影を潜めていたカイオがドリブルで持ち上がり、エジガル・ジュニオのポストプレイを経て自らミドルシュート。
しかしGK河田がセーブし、追加点を阻みます。

前半に比べて甲府は前線でプレッシングを強め、以降は押し気味に試合を進めますが、その分長崎サイドはカイオが自由を得たようであり。
5分にも、右サイドからカットインを仕掛けたカイオを、メンデスが反則で止める(反則かどうか際どいディフェンスでしたが)シーンが見られました。

それでも優勢に持ち込み、甲府にとっては早く追い付きたいという状況。
尚も交代カードを切りに掛かり、野津田投入の準備をしていた矢先の13分でした。
山本の左サイド裏へのロングパスが泉澤に繋がり、切り返しからファーサイドへ上げたクロスを三平がヘディングシュート。
ゴールマウスを捉え、待望の同点弾が生まれました。
直後に中村→野津田へと交代し、逆転への気勢を高めていきます。

そして17分、その流れが手が届く所に舞い降りた甲府。
左サイドでパスを繋ぎ、カットされこぼれたボールを三平が前へ送ると、抜け出して受けた長谷川がフリーでエリア内に進入する大チャンス。
しかしGK徳重との一対一を制する事が出来ず、シュートを足で防がれてしまった長谷川。
尚も直後のコーナーキック、二次攻撃で長くボールを回したのち、荒木が左からの泉澤のパスをエリア内左受けてでシュート。
ゴールバーを直撃し、エリア内右へ跳ね返ったボールに関口が叩き付けるボレーシュートを放ちますが、GK徳重が辛うじてセーブしまたもゴールバー。
勝ち越しゴールに最接近したものの、結局モノに出来ませんでした。

リードを失い、劣勢になった長崎。
挽回すべく21分に2枚替えを敢行し(大竹・澤田→名倉・ルアン)、23分にエジガルがエリア内からシュートを放つ(ブロック)など、反撃の兆しを見せた所で後半の飲水タイムに。(24分)

これが長崎にとってペースダウンを招いてしまい、明けた後は再び甲府の攻勢が描かれます。(明ける際に野澤→山田へと交代)
カウンターを仕掛けて良し、楔のパスを入れて良し、ビルドアップも良しと多彩な攻撃を仕掛けていく甲府。
32分に早くも5枚の交代を使い切る(荒木→宮崎へ交代、右WBに入り関口が左WBにシフト)など、伊藤彰監督以下ベンチも勝負所を抑えての采配を見せました。
しかし先程の決定機逸以降も、フィニッシュの精度に泣かされゴールは奪えずに時間が進んでいきます。
長谷川は積極的な姿勢を見せましたが、29分には再びエリア内からシュートするも枠外、34分にはCKからのこぼれ球をボレーシュートするもブロックに阻まれるなどモノに出来ず。
ならばと今度は泉澤が、36分に左からカットインしてシュート(ゴール右へ外れ)、37分には中央エリア手前からシュート(ブロック)を放つもこちらもゴールには届きません。

一方の長崎(31分にエジガル→富樫に交代)、37分に上記の泉澤のシュートを防いだのちカウンター、ルアンのドリブルから名倉が右へと流れてシュート。(ブロック)
これでCKを得て、甲府の流れを切る事に成功。
そしてその後39分の右CK。
キッカー秋野のクロスに、中央で新里がドンピシャでヘディングシュートを放ち、GK河田の右を破りゴール。
流れが悪い時はセットプレーからの一発、という格言(?)がピッタリのこの日の長崎の2得点でした。

攻め込みながらも勝ち越せず逆に……という展開になってしまった甲府。
そのフラストレーションは相当なものだったようで、40分に審判の判定を巡りそれが爆発。
長谷川がルアンにスライディングでボールを奪われると、長崎が攻め込んだ所で今度は富樫が山本に倒されて審判の笛が。
しかし主審はルアンのプレーで警告を出し、これで甲府サイドは紛糾。
一度は長崎のFKになりかけましたが、判定が覆り甲府のFKとなる始末で、この一連の流れに4分程費やす事となりました。(新井に異議?で警告)

そしてそのFKでも、二次攻撃で泉澤の左からのクロスに、合わせようとした宮崎が長崎・ルアンに倒される事象が発生。
笛は吹かれずに、再び紛糾する甲府選手達。
その後長崎・富樫が頭部にボールを受けたため治療で試合が止まるなど、失点前とは一変し流れを作る事すらままならない甲府。
ATにはメンデスを前線に上げてパワープレイを試みるも、結局シュートを放つ事は無く。
2-1のまま試合終了の時を迎え、勝ち点3に辿り着いたのは長崎となりました。

ようやく2勝目を挙げた長崎でしたが、全体としては今一つ。
セットプレーでの得点が無ければどうだったか、という怪しい内容の試合となりましたが、そうした試合で結果を得るのと得ないのでは雲泥の差なのも事実。
一息付けた事で、巻き返しを図りたい所でしょう。


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