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DAZN観戦 2021年J2リーグ第7節 FC町田ゼルビアvs京都サンガFC

2021-04-15 16:29:11 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の町田の記事はこちら(2節・磐田戦、3-1)
※前回の京都の記事はこちら(2節・松本戦、0-0)

前年は過密日程にも拘らず、ベストメンバーをほぼ固定して戦っていた町田。
オフを経て戦力を上積みし、かつ日程も(前年よりは)緩やかになった今季は、ランコ・ポポヴィッチ監督の理想のサッカーを追求し浮上を目指すシーズンという位置付けでしょう。

しかし前年のレギュラー組に誤算が発生。
4節・水戸戦の惨敗(0-3)を受け、センターバックの一角を水本→高橋に交代。
守備面で落ち着きを見せた矢先、前節(金沢戦・0-1)ではボランチの高江が負傷交代、この日はベンチ外となってしまいました。
センターラインが手薄な状況で、ドイスボランチの一角に誰を当てはめるのか。
ポポヴィッチ監督の選択は、自身の息子的な存在である長谷川アーリアジャスールを穴埋めに起用するというもの。
中盤なら何処でも出来る長谷川アーリアだけに起用法に違和感は無いものの、強度の意地という点で、ベテランで故障明けのシーズンである彼がどれだけタスクをこなせるか。

試合が始まると、町田がプレスを嵌めて流れを得る入り。
そして敵陣でのスローインで、中島をターゲットとして好機を作るなど、町田らしい立ち上がりを描きます。

しかしそんな町田の攻撃も、一度京都がペースを剥がすと消え失せる事に。
プレスの激しいチーム同士の試合らしく、中盤でボールがこぼれたり、あるいは裏へのロングボールをセーフティにクリアしたりでスローインの数が増大。
そしてそのスローインはじめ、セットプレーで相手を翻弄する攻撃を披露するのが今季の京都のスタイルの一つとなっています。

前半8分、敵陣深め左からのスローインを得た京都、ボールを受けたピーター・ウタカが即クロスを入れるもブロックされて2度目のスローイン。
今度は直接エリア内左奥へと入ったボールを、福岡が落としてウタカが受け、中央に叩いた所にヨルディ・バイスが走り込んでミドルシュート。
これは町田・奥山がブロックして防がれた(京都サイドがハンドをアピールも無し)ものの、早速フィニッシュに繋げてきた京都。

これで流れを得ると、14分に得た左コーナーキックで再度変化を付けに来ます。
キッカー松田はグラウンダーでのクロス、合わせにいったウタカはポストプレイを選択し、エリア手前中央に落とされたボールを川崎がミドルシュート。
そしてコース上に居た武田がフリック、混戦の中で虚を突かれた(と思われる)GK福井は何とかセーブし、福岡に詰められるもボールを抑えました。
デザインされたようなプレーで町田ゴールを脅かした京都。

その一方で流れの中からも攻め込む京都。
GK若原も前に出てのビルドアップから、CFのウタカをはじめポジションチェンジを絡めつつ、サイドバック(主に左の荻原)の推進力で好機を作る攻撃。
これが4-4ブロックの町田に良く効いており、ペースを掴む事に成功します。

そして21分、最終ラインから左サイドにボールが回り、武田の浮き球でのパスを松田が胸で落とし荻原の下へ。
荻原は中央へ向かうドリブルで町田ディフェンスを次々と剥がし、フリーのウタカにパスを送ると、エリア手前中央から果敢にかつ狙いすましてシュート。
ゴール左へ綺麗に突き刺さり、先制に成功した京都。
様々な手で目線を釣った成果か、ウタカをフリーに出来ていたのが勝因だったでしょうか。

飲水タイムが挟まれた(23分)のちも、京都ペースで試合が進んでいき。
業を煮やした町田サイドは、この辺りでポジションチェンジを敢行。
長谷川アーリアと平戸の位置を入れ替え、ボランチに平戸・セカンドトップに長谷川アーリアという布陣に。
30分過ぎから反撃姿勢を見せる町田でしたが、サイドからクロスを入れる機会は増えても、シュートには結び付かず。
また中央寄りで突破を図っても、バイスや麻田のカバーリングが冴える京都ディフェンスが立ちはだかり。
上手く中島にボールを繋げても、高いラインを敷いた京都の前にオフサイドとなる事も目立ちました。

前半も終盤を迎え、焦りが見える町田の前に京都が再度攻勢。
40分に、町田CKからの逆襲でウタカが遠目からループシュートを放った(枠外)かと思えば、42分には町田のパスミスを拾って好機。
松田→武田→荻原と渡り、エリア内左から荻原がシュートするも、枠を捉えられず。
相手のミスを誘い、追加点を狙い止めを刺すという勝ちパターンを踏襲するも、モノには出来ず前半を終えます。

ともに交代は無く後半開始を迎え、先にフィニッシュに持ち込んだのは京都。
後半2分、左サイドから武田の縦パスを受けたウタカ、そのまま左サイドに流れた後に再び中央へ向かいドリブル。
そしてエリア内へスルーパスを送ると、福岡が走り込んでシュートしますがGK福井がセーブし追加点はならず。

このシーンのように、ウタカのポジションチェンジが実に良い流れに結び付けられているな、というのが京都の攻撃を見ての感想。
前年も、FWの位置から降りたりサイドに流れたりという動きを見せていたウタカですが、それが組織立っているような印象を受けました。
ウタカ自身の習性に翻弄されていた前年から、効果的に利用するように変貌を遂げていたようで、今後も相手にとって怖い要素となるでしょう。

入りは満点だった京都ですが、ここからビハインドの町田が反撃に。
4分平戸を中心に右サイド寄りで形を作り、縦パスが中央の長谷川アーリアに入り、受けた岡田が左へ流れミドルシュート。
GK若原がセーブしたものの、文字通り流れを変える一撃になった岡田のシュート。
以降京都のプレッシングを上手くかわし、流れの中からチャンスを量産していく町田。

11分平戸の戻しからGK福井がロングフィード、右サイドで受けた三鬼から長谷川アーリアのポストプレイを経て、平戸が左サイド裏へロングパス。
受けた岡田からクロスが上がり、クリアされたのち拾った佐野がミドルシュート。(GK若原キャッチ)
1トップの中島を張らせつつ、平戸を中心に攻撃を組み立て。
そうかと思えば、13分には長谷川アーリアの縦パスを受けた中島が、右ハーフレーンからミドルシュートを狙う(GK若原キャッチ)という具合に中島狙いの攻撃も見せていきます。
それでも、9分と16分に中島がオフサイドを取られてしまうなど、京都ディフェンスの徹底ぶりに苦しめられていましたが。

前目でのボール奪取も良い形に結び付き。
19分敵陣で深津がボールを奪い、平戸→長谷川アーリア→岡田と渡り、ドリブルでエリア手前まで進んだ岡田がミドルシュート。(ゴール左へ外れる)
願わくばこの時間帯で同点にしたい所でしたが、それは叶わずに後半の飲水タイムへ。(22分)

中断明けも町田の攻勢は止まず。
25分、ロングパスを左サイド奥で奥山が受けると、戻されたのち岡田がエリア内へスルーパス。
これを中島がトラップし、反転シュートを狙いにいきましたが、間一髪でディフェンスに阻まれ撃てず。
押され気味の京都、27分にはクリアしたボールを平戸がヘッドでエリア内へ送ると、裏で受けた中島ですがオフサイドを取れず。(飯田が残っていた)
ここは中島のマイナスのクロスを防いだものの、破綻は目前かと思えたシーンであり、溜まらずベンチも動きます。(既に7分に最初のカードを切り宮吉→三沢)
28分に福岡・荻原→中野克哉・長井へと2枚替え、守備的な長井の起用で塞ぎにかかります。
一方、押せ押せの町田サイドも、31分に長谷川アーリア・太田→晴山・吉尾と2枚替えを敢行。

終盤も見えて来た中、34分京都に決定機。
クリアボールを拾った武田が縦パスを三沢に入れると、彼からのラストパスを受け裏に抜けたウタカがエリア内からシュート。
GK福井がセーブした跳ね返りを尚も三沢が繋ぎ、中野克がエリア内右からシュートするもブロックに阻まれ、モノに出来ません。

冷や汗を掻いた町田、尚も同点にするべく攻撃を敢行。
38分には右サイドでこぼれ球を拾った中島がエリア内右へとスルーパス、走り込んだ晴山が京都・バイスに倒されるものの、反則は無く。

京都も必死に防戦するなか、39分にCBの麻田が足を痛めるアクシデントが。
交代の準備が進められる中、10人の相手に町田が好機を作ったのが42分。
中央で縦パスを受けた中島が右サイドへ展開、受けた吉尾がエリア内に入り、切り返しからシュート。
しかしゴール右に外れてしまい、同時に交代が敢行され数的優位は無くなり。
京都は麻田→森脇の他、同時にウタカ→李へと交代でカードを使い切ります。(長井がCBに回り、森脇が左SBに入る)

これと同時に町田も、高橋→マソビッチへと交代。
CBを変えて攻撃的な選手を入れるというカードで、前掛かりになるのは明らかですが、同時にポジションも不透明なものとなり。
佐野がボランチ→CBへと回り、マソビッチが左サイドハーフへと入ったのは確認できましたが、ボランチの穴には誰が入ったのか。
左SHだった岡田は前目な位置を取り、恐らくは2トップないしはセカンドトップになったようでしたが、それともボランチを埋めずに平戸が1アンカーの4-1-4-1という布陣だったのか。

そんな疑惑を傍らで(勝手に)抱いていましたが、町田サイドも以降は効果的な攻撃を繰り出せず。
果たして練習などで試していたものだったのかと疑問に思ったりするなか、アディショナルタイムへと突入。
左コーナー付近で時間稼ぎの体制を採ったり、接触プレー(松田)や足攣り(武田)で選手が倒れ込むシーンが作られるなど、逃げ切りを図る京都。
その思惑通り、町田にシュートを撃たせず無事に0-1のままタイムアップ。

自身の子飼いの選手を補強したという両クラブの対決は、京都に軍配が上がり。
といっても町田が長谷川アーリア一人なのに対し、松田・中川・武富(故障離脱中)と複数人揃えた京都。
戦術理解度の差が……と言いたくなりますが、監督の曺貴裁(チョウキジェ)氏も、湘南で行っていたのとは異なるサッカーで挑んでいるのでその点は不明。
果たしてこのまま上昇機運に乗り、昇格戦線に加わる事が出来るでしょうか。

コメント
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