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DAZN観戦 2021年J2リーグ第2節 京都サンガFCvs松本山雅FC

2021-03-10 16:47:30 | サッカー視聴記(2021年J2)

今年で連続11年目のJ2となった京都。
その間には、傍らから見ていても「昇格する気あるのか」という監督人事が行われたりもしましたが、今度という今度は本気なのか。
それで無くても、前年に新スタジアムを本拠地とした事で注目度も高まっているであろう中なので、そんな姿勢を見せるのは何よりも重要。

そんな思いからなのか、今季の監督に選んだのは曺貴裁(チョウキジェ)氏。
曰く付きの氏を選ぶ、「昇格のためなら毒でも何でも呑む」ような姿勢はある意味歓迎すべき、と言うべきでしょうか。
それでもその監督としての実績からか、開幕前の評判は上々となった京都。
その通りに開幕節は昇格組の相模原を、苦戦しながらも一蹴(2-0)。
一気にスタートダッシュをかけたいリーグ戦の入り、そしてこの試合でもそんな思惑がありありと感じられました。

果敢にハイプレスを掛ける両チーム。
その中でボールを繋ぐ姿勢を見せる松本ですが、ハイプレスの中ではそれはまともに機能したとは言い難く。
逆に好機を作っていく京都、前半4分には右ハーフレーンで攻撃を作り曽根田が中央へパス、これをピーター・ウタカがワントラップでエリア内に進入するもシュートは撃てず。
5分には右からのスローインを受けたウタカが曽根田とのワンツーを駆使しつつカットイン、そして左へ叩いた所を荻原が受けてエリア内からシュート。(ブロック)
監督が代わっても、自身で得点を狙う姿勢と、周囲を活かす姿勢双方を駆使し攻撃を活性化させるウタカ。

幾度も激しいデュエルが行われ、流れはどちらとも言えないという展開。
そんな中松本も好機を掴み始め、13分には左サイドのスローインから決定機。
佐藤が縦パスをエリア内へ入れ、受けた阪野がディフェンスに遭いながらも戻して繋ぐと、左ハーフレーンから佐藤のミドルシュート。
ライナーでゴール右を襲うも、ポストを直撃してしまい惜しくもゴールならず。

以降はプレスの嵌った京都の攻勢。
そんな中、スローインに工夫を入れる姿勢が見られたのが20分辺り。
敵陣右サイドから飯田が奥に投げ入れる体勢を見せ、両選手を右サイド奥に集めたと思ったら、方向転換してマイナス方向の中央へ投げ入れ。(その後左サイドから荻原がクロスを入れるも流れる)
続く21分、右サイド奥で再び飯田がボールを持つと、その目前で中川と福岡が激しく動き回り。
どちらが受けにいくか判り辛いスタイルの中、福岡が受けた所松本・安東に倒されて反則。(直接フリーキック、荻原が直接狙うもゴール上へ外れる)
トリックプレーも交えての攻撃で、「勝利のためなら何でもする」ような思想を見せ付けます。

飲水タイム後の26分、松本にアクシデントが。
京都のスルーパスに対応すべく全力疾走した橋内、足を痛めてしまい続行不可能となってしまいます。
そして交代で出場したのは、新人の野々村。
投入されて1分も経たないうちに、ドリブルに入ろうとする曽根田を倒してしまい反則・警告を受けてしまいます。
彼をセンターバック中央に据えなければならない、スクランブル体制を強いられた松本。

暗雲を振り払わんと、再び松本が決定機を得たのが31分。
相手のプレスをかわすような、長めのグラウンダーでのパスでのビルドアップから、阪野のポストプレイを経て左サイドを外山がドリブル。
そして奥まで切り込んでクロスを上げ、流れた所を前が拾い逆サイドから再度クロスが入り、阪野がヘディングシュート。
しかしGK若原のファインセーブに遭い、その後下川がミドルシュートを放つもゴール上に外れ。

肝を冷やす場面となった京都も、その後は左サイドの荻原の推進力が目立ちチャンスメイク。
その後の37分には、松本のGKへのバックパスをウタカが奪う一幕を見せましたが、GK圍が何とか防ぎ決める事は出来ず。
42分にはコーナーキックを得た京都、ここでGK若原が攻撃参加する姿勢を見せると、蹴る段階になった所でUターン。
そしてキッカー松田はグラウンダーでクロスを入れると曽根田のポストプレイを経て、走り込んだ福岡がシュートするトリックプレーを敢行しますが、GK圍がセーブして先制ならず。
際どいシーンの連続に観衆のボルテージも上がりつつありアディショナルタイムに突入。
松本のロングボール、深めの位置で阪野がヨルディ・バイスに乗っかるように頭で合わせると、競らなかったという事でバイスの反則となったり。
その後松本のCKで曽根田と松田が味方同士激突してしまい、頭部を抑えて倒れ込む曽根田に騒然となったりと、見所満載な中で前半終了の笛が。

ここまでの京都、曺監督は湘南時代とは一線を成す、4-1-2-3というフォーメーションを使用。
全体としては左サイドバック・荻原の跳梁が目立った攻撃でしたが、注目する動きを見せていたのが曽根田。
登録上は左ウイングながら、フリーマン的な動きで、逆の右サイドでボールを触る事がしばしば。
そして荻原が上がって来て空いたスペースを突く工夫の成果が発揮されたという、前半の攻撃だったでしょう。

ハーフタイムを挟み、京都は中川→中野克哉へと交代。
後半のキックオフを迎えますが、ここでも京都はいきなり前進して攻撃と変化を付けてきました。(右サイドから攻めて松田がクロス)

そして圧力を持って攻勢を掛ける京都の立ち上がりとなりましたが、松本サイドもやられっぱなしとはならず。
後半6分に敵陣ペナルティアーク内で、河合が京都・曽根田に倒され反則・直接FKに。
これを佐藤が直接狙うも、壁を直撃してしまいモノに出来ません。
一方懸念された守備面では、野々村が良くウタカはじめ京都の前線に対応するなど粘りを見せ、決壊を防ぎます。

未だスコアレスという試合展開で、先にベンチが動いたのは京都。(既に前半にアクシデントで松本が動いているのだが気にしない)
12分に曽根田→宮吉へと交代。
前後して、ウタカが他者を活かすプレーで好機を演出。
チャンスエリアでシュートと見せかけてエリア内へパスを出したり、バイスのロングボールをポストプレイしたり。
そして19分、ウタカ自身に絶好機が訪れます。
左サイドで本多のロングパスがクリアされるも、宮吉がヘッドで繋いだのち荻原が奥へ進入。
そしてファーサイドへクロスが上がると、ウタカが足元で収めるビッグチャンスとなりましたが、ウタカのシュートはゴールに向かわず。
看板にボールが当たった音が響いただけに終わってしまいました。
直後(20分)に松田→三沢へ交代と、再び動いた京都。

以降も主導権を握り攻勢を掛ける京都。
松本側のプレスが嵌らなくなってきたとあって、ビルドアップからの攻撃も見せ始めます。
両サイドバックが初めから上がるため、2CBとアンカーの3人(+GK)が基本。
それをカバーするようにインサイドハーフが降りて来て出口を作るというシステムでした。

飲水タイム(22分)の後、京都が立て続けに決定機。
25分、GK若原の右へのパスから繋いで前進、福岡のクロスが逆サイドに流れるも荻原が拾い継続。
そしてウタカが低いクロスを供給し、エリア内中央で収めた宮吉が反転しつつシュートを放ちますが、GK圍がファインセーブ。
28分には再びウタカがアシスト、左サイドからカットインでエリア内に切り込んだのち、フィニッシュを荻原に託します。
しかし荻原のシュートはまたもGK圍がセーブして決められず。
直後のCKでも、二次攻撃で長らくボールを繋いだのち、バイスの左からクロスを宮吉のポストプレイを経てウタカがエリア内で受ける絶好機。
しかしウタカのシュートは威力を欠き、GK圍が抑えゴールならず。
この日はチャンスメイクの仕事が冴え渡ったウタカでしたが、いざ自分の番となるとシュートミスが目立つ事となりました。

完全に押され気味となった松本は、流れを変えるべく31分に2枚替え。
河合・外山→戸島・平川へと交代、表原がシャドー→左ウイングバックへとシフトと布陣変更も交えます。

この日のスタメンは下川が左CBでスタートと、若干イレギュラー気味だった松本。
下川はサイドが主で、両側をこなせるうえボランチも務められるマルチな選手ですが、逆にチーム事情により良い様に当てはめられている風でもあり。
サイドの選手が3バックの両脇を務める事で、分厚いサイド攻撃を仕掛けるという狙いも近代サッカーでは重要ですが、この日は京都のハイプレスもありそれは思うように見られず。

その他、表原が左WB→シャドー・前がシャドー→右WBと、開幕節(山口戦)からポジションを移してこの試合に挑む事となり。(京都の、荻原が上がり目となる所を突きたいという思惑だったのだろうか)
そして試合中には橋内が負傷交代という具合に、様々な対応を強いられる状況。

オフに大型補強を敢行したのは、こうした流動的な起用でチームを活性化させる事なのか。
あるいは、シーズン序盤という事で最適解を探している最中なのか。
開幕節はスコアレスドローに終わり、そしてこの日も未だ得点・失点は無く。
我慢の展開という風に映りがちな松本のシーズンの入りですが、果たしてどう針が振れていくでしょうか。

被決定機の連続を何とか凌いだ松本ですが、交代カードを切った後も中々ペースを掴めず。
京都サイドも落ち着きを見せつつある中、36分には双方選手交代。
松本は阪野・安東→鈴木・横山。
京都は福岡・荻原→中野桂太・白井、と双方2枚替え。
共に交代枠を使い切って、最後の局面を迎えます。

40分に、交代で入った中野桂がシュートするもブロックされCKに。
そのCKで松本がカウンター、佐藤の右へのスルーパスを受けた鈴木がドリブルで前進、エリア内右からクロス。
ファーサイドでバウンドしたボールを、京都同様に交代投入の横山が収め、そしてシュート。
GK若原にセーブされ、今度は松本のCKと入れ替わりも激しく。
そのCK、クリアされたボールを拾った下川が、エリア内右からシュートしますがこれもGK若原がナイスセーブ。
松本も決定機を重ねた事で、白熱の展開となってきた試合。

そのままATへと突入。
京都は白井の左サイドからのクロスを、ファーサイドで中野克がボレーシュートするも枠を捉えられず。
松本はCKから、キッカー佐藤のファーサイドへのクロスを、鈴木がヘディングシュートするもGK若原がキャッチ。

最後までゴールに向かった両軍でしたが、得点は生まれないまま無情にも試合終了の笛が鳴り響き。
ともに2試合無失点のまま次節を迎える結果となりました。

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