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DAZN観戦 2021年J2リーグ第1節 水戸ホーリーホックvs大宮アルディージャ

2021-03-03 18:17:53 | サッカー視聴記(2021年J2)

試合前の監督インタビューを観て、相変わらずの気持ちの強さを感じさせる受け答えを披露した水戸・秋葉忠宏監督。
一方、大宮の岩瀬健監督は落ち着いた雰囲気での受け答え。
この対称的な2人が同期生で、この日相対する事となりました。
(尚、両名とも相手をリスペクトしていたインタビュー内容でした)

大宮OBである岩瀬氏、監督業も大宮でスタート……では無く。
2018年のシーズン終盤、J1で降格寸前に追い込まれた柏で、解任された加藤望氏の代行として務めた経験を持っています。
残り2試合で1敗でもすると降格決定という状況の中、見事に2連勝を果たしたものの、残念ながら他のライバルクラブも負けなかったため結果的に降格となってしまった柏。
しかし意地は見せた岩瀬氏、後の監督へのレールはこの時に敷かれる事となったのでしょうか。
前年は大分でコーチ業をしていましたが、こうして古巣で指揮を執る事に。

初のシーズン頭からの采配となった岩瀬氏の下、どんな布陣で挑むのか注目された大宮。
新加入の選手を7人起用、それも全員移籍選手であり、早速チームの力に還元しようという舵取りを見せました。
オーソドックスともいえる4-4-2の布陣で、前年屈指の攻撃力を見せた水戸相手に立ち向かう事となりました。

前半1分に松田が早くもペナルティアークからシュート。(ブロック)
そこからコーナーキックが2本続くなど、ペースを掴んだかに見えた立ち上がりの大宮。
最初のCKではショートコーナーを敢行し、以降の選択肢の一つとなりました。

しかし徐々に水戸に押し返され、7分にはスローインの連続で自陣に押し込まれ。
そして直後の8分、中盤で中野のボール奪取からカウンターを仕掛けようとした大宮に対し、水戸・住吉ジェラニレショーンの良いパスカットから逆に水戸がカウンター。
拾った安藤が中央をドリブルしたのちスルーパス、エリア内やや左へ走り込んだ深堀がシュート。
右サイドネットへと突き刺さり先制ゴール、早速牙を向いた水戸の攻撃力。

尚も11分、左サイドで平野のスルーパスに走り込んだ森からのクロスを、ファーサイドで中山がボレーシュート。
地面に叩きつけられたシュートはバウンドしてゴールを襲うも、寸前で西村が頭で掻き出し、何とか追加点は防ぎます。

反撃に出たい大宮、以降は最後方でのビルドアップを駆使して攻撃を仕掛けます。
しかし中々前にボールを運べず、ロングパスで打開を図る事を強いられているような攻撃。
そのロングパスも、奥抜・中野という2トップなので、サイドハーフ(右・松田、左・佐相)も含めた裏狙いがメイン。
水戸のサイドバックが、右がFWが本職の村田・左が8日前に緊急的に補強した温井という事が、そんな攻撃に傾倒させたのでしょうか。
相手の弱点を突かんとする姿勢は窺えたものの、単純故に中々効果的とはならずに時間を浪費している、という印象でした。

一方の水戸、少ないタッチ数で好機を作るシーンが目立ったものの、ビルドアップを根底とするのは前年と変わらず。
3トップ(4-1-2-3)という新布陣(前年も何度か試行していたが)でシーズンに入り、その通りにサイド突破は非常にスムーズに運べていたと思います。
反面遅攻は今一つで、早い段階でリードしたのもあり、大宮にボールを持たせているかのような内容だった前半。

そんな展開で前半も終盤を迎え、大宮はもっぱらロングパスを供給するのが大山に固まりつつあり。
そしてワンパターンになるのを防ぐべく、ビルドアップの形も大山が左に降りる・松本がセンターバックの間に降りるという具合に、中々一定しない時間帯となりました。
水戸サイドも有効打を放てず、アディショナルタイム前後には無理して攻め込まず、パス回しに終始する姿勢を取りました。
その消極的さを突きATの大宮は右サイドから松田が低いクロス、これが中央でブロックされてエリア内にこぼれると、馬渡が右から走り込んでシュート。
ブロックされてCKとなり、ここではフィニッシュには繋げずも、水戸を押し込んで前半を終えました。

後半を迎えるに辺り、大宮は左SHの佐相に代えて柴山を投入。
前年J3でブイブイ言わせてきた(?)佐相でしたが、この日はサイド奥でボールを受けても、その後のクロス精度が今一つという印象でした。
そして新人・柴山(前年に2種登録)が同ポジションで入ると、この柴山を活かすような振る舞いで後半の入りを彩った大宮。

早速の後半1分、左サイドでパスを繋いだのち柴山が奥へスルーパス、走り込んだ奥抜からマイナスのクロスがエリア内へ。
合わせにいった松本は撃てずも、こぼれ球に反応した柴山がシュート。
ゴール左に外れるも、前半の閉塞感を打ち破るには十分な一発だったでしょう。

しかしその後は双方ボールを上手く繋げられず、反則で選手が倒れるシーンも続出し停滞気味に。
そんな中大宮ベンチは再び動き、12分に松田→黒川へと交代します。
今度は右SHを代え、しかもその能力の高さは折り紙付きの黒川。

SBに不安を抱える水戸、脅威にさらされそうな予感が。
しかし13分には温井の対角線で中山を狙ったロングパス(左→右)、これがこぼれ球となるも、森がトラップしてそのままシュート。(ブロック)
あくまで攻撃を貫く姿勢は変わらず。
一方の大宮は、以降も暫くは左サイド重視で攻撃。
柴山はスルーパスやクロスにと活躍を見せますが、肝心の得点には繋がらず。

19分に水戸も動き、深堀・木村→山根・奥田へと2枚替え。
後半の水戸の攻撃は、前半にも増してシンプルな傾向となり、しっかりとボールを繋ぐ事が中々出来ず。
運動量を補填して大宮の攻撃を防ぎにかかりにいったのでしょうが、逆にテクニックに優れた木村が退いたためか、不利さに拍車が掛かったようでした。
21分、それまであまり目立たなかった黒川が攻撃に絡む大宮。
GK上田のスローから左サイドで攻撃開始するも、戻されたのち右サイドに移り、西村のロングパスに走り込んだ黒川がクロス。
奥抜には僅かに合わずも、エリア内左から柴山から再度上がったクロスに対し、黒川が頭でトラップののちボレーシュート……も空振りでモノに出来ず。
しかし両サイドをふんだんに使っての攻撃を見せた大宮。

飲水タイム(22分)を挟み、大宮が好循環を結果に結び付けたのは25分でした。
GK上田ロングフィード→中野の落としから右サイドで攻め、黒川が細かいタッチでカットインし中央へパス。
松本→中野を経て左ハーフレーンで柴山が受け、切り返しののちエリアライン際から思い切ってシュート。
巻く軌道でゴール右へと突き刺さり、同点弾とともにプロ初得点も挙げた柴山。

勢い付いて尚も果敢にゴールを狙いにいく大宮。
27分には左サイドの崩しから、奥抜のカットインを経て右ハーフレーンの黒川へと渡りミドルシュート。(ブロック)
29分には大山が左サイドから右裏へとロングパス、走り込んで奥で受けた黒川から、マイナスのボールを中央で受けた松本がミドルシュート。
GK牡川がセーブするも、エリア内で拾った柴山がさらにシュート(ブロック)と連続攻撃。
左右くまなく使う攻撃で水戸を攪乱し、柴山・黒川の跳梁も止まりません。

溜まらず水戸は再び2枚替え、安藤・村田→松崎・柳澤へと交代。
本職のSBを起用するとともに、右サイドをテコ入れして建て直しを図ります。

以降徐々にペースを取り戻した水戸、決定機が訪れたのは35分。
中央やや左で形を作り、こぼれ球を平野が左へ縦パス、受けた山根のエリア内へのスルーパスに走り込むのは温井。
彼のグラウンダーのクロスをニアサイドに中山が合わせにいき、撃てずもこぼれ球となった所を松崎がヘディングシュート。
しかし僅かにゴール上に外れて勝ち越しはなりません。
直後に大宮は大山→石川へと交代。

この決定機逸で再び大宮に流れが傾いたか、37分には右サイドから黒川がカットイン、エリア内に進入した後グラウンダーでクロスを入れるも合わず。
しかし直後の38分、今度は中央やや右で中野のポストプレイを受けた黒川、右サイドへパスを送ると馬渡がフリーに。
そのままクロスが上がると、跳んだ中野を越えたボールが後方で頭から跳び込む奥抜にドンピシャリ。
勝ち越し・逆転に成功した大宮、黒川の存在感故に馬渡がノーマークとなっていたのでしょうか、見事なクロスが入って勝負ありな場面でした。

とうとうビハインドとなってしまった水戸、失点直後に最後の交代枠を使用。(森→新里)
以降は松崎の突破力を軸に、再び追いつかんと攻勢を仕掛ける事に。
40分には平野の縦パスを受けた松崎、中央からドリブルシュートを魅せるもブロックに阻まれます。

しかし以降は、マイボールの際は敵陣サイド深めでボールキープ重視に振る舞う大宮の逃げ切り体勢が冴えます。(44分に中野、奥抜→ネルミン・ハスキッチ、翁長へと交代)
水戸は何度か反撃しFK・CKも得たものの、フィニッシュには繋げられず。
結局そのまま試合終了となり、胸すく逆転勝利で大宮が初戦を制しました。

思えば前年の開幕節も同じカードで、結果も同じもの(2-1で大宮勝利)。
しかし今季は突如の中断は起こらないと思われるので、勝った方は勢いを維持すべく、負けた方は引きずらないように微調整の末次節に挑む。
そんなリーグの戦いを考えるシーズンが、ようやく戻って来た……と実感できる年となるでしょうか。

コメント
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