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DAZN観戦 2021年J1リーグ第6節 大分トリニータvsサンフレッチェ広島

2021-03-23 17:19:26 | サッカー視聴記(2021年J1)

<大分スタメン> 3-4-2-1
GK 高木
RCB 小出 CCB 羽田 LCB 三竿
RWB 井上 DH 小林裕紀 DH 下田 LWB 福森
IH 町田 IH 小林成豪
FW 長沢
<広島スタメン> 4-4-2
GK 大迫
RSB 今津 CB 野上 CB 荒木 LSB 茶島
RSH 藤井 DH 青山 DH 川辺 LSB エゼキエウ
FW ドウグラス・ヴィエイラ FW 浅野

開幕節(仙台戦)・2節(マリノス戦)と、有利な展開から引き分けに持ち込まれ、勝ち点を落としての滑り出しとなった広島
5戦無敗と聞こえが良い成績ながら、同じ無敗の川崎・名古屋・鳥栖の快調なスタートとは一線を成し、中位からの浮上を狙う立ち位置。
過去3年はスタートダッシュに成功しているのとは対照的なシーズンになっています。
そんな流れで4年目を戦っている城福浩監督(現在J1での日本人最年長監督)も、60歳を迎える事となったこの日。

今季は4バックへと基本フォーメーションをシフトし、前線は基本的には、ヴィエイラを最前線に配置。
それでも4-2-3-1だったり4-4-1-1だったりと、過密日程もありマイナーチェンジを重ねつつの戦いとなっています。(この日は4-4-1-1との事だが、便宜上4-4-2とした)
新戦力のジュニオール・サントスですが、開幕から2戦連続でゴールを挙げながら、その後はスタメン落ちが続いている状況。
前年まではレアンドロ・ペレイラ(現ガンバ)の、一長一短の特性に悩まされていたようなシーズンでしたが、今季も同様の悩みを抱えるとしたら苦しい一年になりそうな予感がします。

それはともかくとして、試合は広島ペースの入りに。
前半2分、左サイドでエゼキエウのスルーパスから奥でパスワークを経て茶島のクロスが上がり、クリアされたボールを浅野が中央でシュートするも枠を捉えられず。
5分にはクリアボールを収めたヴィエイラがスルーパス、浅野が抜け出すもGK高木が抑えます。
長短を使い分けての攻撃で主導権を握る……と思われましたが、その後大分もやり返し。
6分に右サイドから攻める大分、井上のフリックから小出がドリブルで前進し、町田のクロスを長沢がヘディングシュート。(枠外)
この日スタメンとなった長沢、ボールポゼッションとサイド攻撃がチームの持ち味な中、ターゲットとしての一芸で戦うという気概が感じられる立ち上がりとなりました。

その後大分がボール支配する時間が増えていきますが、自陣でのパスワークのシーンが長く。
常に疑似カウンターを狙っているチームなので、数字上のポゼッション程攻め込む印象は強くなく、ビルドアップの形を整えつつのボールキープに時を費やしていきます。

その大分の基本形ですが、ボランチ1人が最終ラインに落ち、両サイドのCBが開いての形なのは変わらず。
しかし三竿・小出の上がりがかなり大きく、小出に至っては時に右サイド最前線にまで張り出す事もありました。
そしてドイスボランチ双方が最終ラインに吸収される事もあるなど、前年までのやり方をマイナーチェンジさせたような形に見えたこの日。
前線の人数を増やしたうえで、いざボールを前に運ぶ事に成功させた際に大チャンスを作る、そんな感じでしょうか。
今季予想を裏切るような快調なスタートを切っているのが鳥栖ですが、「6トップ」へと変形するやり口が奏功し、圧の強い攻撃を繰り出す事に成功している。
前年のJ2・北九州(攻撃時は3-1-6へと可変)もそうでしたが、いかにビルドアップの中で前線にかける人数を増やしていくかが最近のトレンドとなりつつあるのでしょうか。

試合の方は、お互いゆっくりとしたビルドアップを経て、散発的にシュートを撃ち合うもゴールは割れずに時間が経過。
大分のやり口に付き合うように、広島も無理にボールを前に運ばず、後ろの方で回しつつ様子を伺うシーンが増えていきます。
しかしこちらの方は、ビルドアップ時も可変が少ないため、露骨なリスク回避のようにも映り。

飲水タイム(25分)後は、徐々に大分がペースを握り始め。
その中心は右サイドで、井上の突破力を活かしての攻撃。
ちなみにこの日も前半は、守備時は4バックで構える姿勢をとるなど、井上を出来るだけ前の位置でプレーさせる配慮をしていました。
広島はこれを受け、サイドハーフの位置を入れ替え右=エゼキエウ・左=藤井と手当て。(33分辺りからか?)
この策が当たったか再びペースを握り、36分には右サイドでパスを回しつつ前進、川辺のエリア内右へのスルーパスにエゼキエウが走り込んでクロス。
ヴィエイラが合わせにいくも逆サイドにこぼれ、中央へと戻され再び川辺からエリア内へとロビング、右から今津が折り返したボールをヴィエイラがヘディングシュート。
しかしゴールバーを直撃し、先制点は奪えず。

その直後の38分には大分が、今度は左サイドで好機を作り、長らくパスを繋いだのち福森が手前からクロス。
町田と長沢が合わせにいくも触れず流れ、そのまま右ゴールポストを直撃してこちらもゴールとはなりません。

44分には広島の攻撃、ヴィエイラのポストプレイを受けた浅野がドリブルで前進、エリア手前左からシュートを放つもGK高木がセーブ。
ここからコーナーキックが2本続くなど攻勢となるも得点はならず。
共に枠に嫌われた事もあり、結局前半は0-0のまま終了となります。

ハーフタイムを経て、広島サイドが2枚替え(エゼキエウ・藤井→森島・サントス)を敢行して迎えた後半。
前半終盤の流れを引き継ぎ攻勢を掛ける広島でしたが、シュートは放つ事が出来ず。
浅野が右SHへと位置し、サントスとヴィエイラの2トップ……とも思われましたが、サントスがやたらと降りて来るので繊細は解らず。(開幕節のような4-2-3-1か?)

そうこうしているうちに大分が好機。
後半7分、右サイドで攻める構えから左へと展開され、福森がドリブルからスルーパス。
小林成が奥へと進入に成功し、戻されて三竿からクロスが上がると、ヘディングシュートを放ったのは長沢。
広島・荒木とのエアバトルを制し、ネットを揺らし先制に成功した大分。
ヘディングで戦う男の意地が垣間見えた得点となりました。

先制されてから、再び広島はSHの入れ替えを敢行し右=森島・左=浅野へ。
しかしその後は、サントスが左サイドに流れてボールを受ける事が多々あり、サントス=左SH・浅野=トップ下ないしはシャドーのように見えました。

サントスの長い足を活かした(?)突破は迫力あり、12分には左サイドで受けてから、エリア手前でカットインし一気に中央へ。
しかし大分ディフェンスに囲まれシュートは撃てず。
その特徴と共に、何処と無く「広島が扱いに困っている」感も伺えるシーンとなりました。
そんな中もう一人の助っ人・ヴィエイラは、14分に今津のクロスからヘディングシュート。(枠外)
17分には自らエリア手前からシュートを放つ(GK高木キャッチ)など気丈にゴールを狙うも、結果を出せず。

この間大分の攻撃機会は稀でフィニッシュシーンも無く、広島がペースを握りながらも、ビハインドの続く展開に重苦しい雰囲気が感じられ。
それを吹き飛ばすのはやはりゴールという要素であり、迎えた20分。
敵陣中央で浅野がサントスとのパス交換を交えて左へと展開、茶島からクロスが上がると、中央で合わせたのは両助っ人では無く青山。
ループヘッドは絶妙な軌道でゴールバー下に当たり、ゴールに吸い込まれ。
ベテランが窮地を救う同点弾を挙げました。

直後に再び広島は2枚替え、茶島・ヴィエイラ→佐々木・柏へと交代。
左サイドに柏・佐々木のホットラインを作り、尚も押し込みを見せます。
23分には敵陣深めでのボール奪取から、森島からクロスを受けたサントスがエリア内でシュート。(右へ外れる)
26分には左サイド、柏のスルーパスに走り込んだ佐々木からクロスが上がると、ファーでサントスが収めたのち今津が走り込んでシュート。(GK高木セーブ)

広島に針が振れていく展開に、大分も30分に流れを変えるべく3枚替え。
小林成・井上・福森→渡邊・黒﨑・香川へと交代します。

しかし広島の勢いを止める事は叶わず。
この辺りから3度目のSH入れ替えを敢行し、右=柏・左=森島へ。
35分には浅野→鮎川へと交代し、鮎川がFWに入り明確な2トップに。

広島のパスワークに対し、耐えるだけとなっていく大分。(38分に小林裕→長谷川に交代)
ようやくマイボールになり攻撃を仕掛けるも、それが逆起点になってしまう事に。
42分、今津が自陣でパスカットして自らドリブルで持ち上がり。
そしてそのまま裏へスルーパスを送ると、川辺が走り込んで受け、エリア手前からシュート。
GK高木の股を抜く勝ち越しゴールとなり、歓喜に沸く広島サイド。

攻めなければならなくなった大分、43分に最後のカードを切ります。(町田→高澤)
しかしフィニッシュに辿り着く事が出来ず、広島はパス回しで時間を使いにいきリードを守る体勢に。

アディショナルタイムに入り焦る大分、そんな中で生まれた最終ラインでのパスミス。
三竿のパスが森島にカットされると、拾った鮎川がそのままエリア内右でGKと一対一に持ち込み、左へとシュート。
試合を決定付ける3点目となり、また鮎川はプロ初ゴール。

その後はロングボール攻勢に出た大分、そこから下田がミドルシュートを放つ(ブロック)などしましたが、結局1-3のまま試合終了。
無敗を保つ事に成功した広島。

敗れた大分、後半から全くペースを掴めなくなったのは気掛かり。
前年観た際は、後半から攻勢に出れていた試合が多かっただけに、それが逆転してしまっています。
この日も後半から、守備時は5バックで構える体勢へとシフトしていましたが、この可変が体力を奪う原因になってはいないか。
それでも現状井上の突破力が攻撃の矢となっている事もあり、これから難しい選択を強いられる気がします。

コメント
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