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DAZN観戦 2021年J2リーグ第4節 東京ヴェルディvsツエーゲン金沢

2021-03-22 18:27:29 | サッカー視聴記(2021年J2)

開幕節(愛媛戦・3-0)で快勝。
それだけで無く、阿野や橋本といった若き戦士をピッチに登場させた事で、育成面でも順風なスタートを切った……かと思われたヴェルディ。
しかしその後勢いは付かず、1勝1敗1分という綺麗な星取りで迎えた4戦目。

ここでも触れているように、現在のヴェルディのフォーメーションを「4-1-2-3」の認識で個人的に筆を執っています。
しかし実際には「偽9番」というワードが定着しているように、センターフォワードが下がり目の位置を取るシステム。
CFでは無くトップ下という認識で、「4-3-1-2」のような感じの配置。
その「偽9番」を、現状最も良く務め上げられるのは端戸ぐらいのもの。
開幕節で負傷交代してしまい、以降端戸を欠いた2・3戦目で芳しくない結果を描いたのも頷けますが、この日無事スタメンに復帰。

試合が始まり、前半1分に早くも金沢・藤村がミドルシュートを狙う(GKマテウスキャッチ)など、金沢がペースを掴みかける入りに。
しかしそんな状況の中、4分にカウンターで一閃を魅せるヴェルディ。
センターサークル手前で端戸が佐藤優平からの縦パスをポストプレイ、これを受けた井出が裏へスルーパスを出すと、走り込んで受けたのは小池。
そのままエリア内へ進入しシュート、見事に最初のチャンスでゴールを決めたヴェルディ。
これで小池は4戦で5ゴールと量産体制で、良い攻撃の流れが出来上がっているかのようでした。

その後もこの得点シーンの如く、「縦パス→端戸がポストプレイ→受けた選手がスルーパス」という流れを何度か見せるヴェルディ。
ややシステマティックなのが気になりますが、反撃に出たい金沢の気勢を削ぐように好機を作っていきます。

その金沢の反撃は、リードを奪われたという事もあり、最後方からのビルドアップも駆使しつつの形作り。
それでも縦に速い攻撃が理想形らしく、7分には石尾のボール奪取から右サイドをパスワークで前進したのち、丹羽が斜めのスルーパスをエリア内へ。
そして走り込んだ大谷が左からシュート(ブロック)と、エリア内を急襲する攻撃を展開しました。

時間が進み試合が落ち着きを見せる中、ビルドアップを強いられているような状況となる金沢。
サイドバック(右・松田、左・渡邊)を高い位置に上げ、サイドにボランチの片割れが開いて受けるという、前年の山形に近いような基本形。
大橋・藤村の「鉄板のドイスボランチ」から、そのままそのサイドで攻撃するか、あるいはサイドチェンジを敢行するかを主として組み立て。
ボランチにかなりの動きを要求するようなサッカーで、前半に左コーナーキックのキッカーが、藤村ではなく嶋田が務めていたのはその負担減の一環だったでしょうか。(右は変わらず藤村が蹴っていた)

それでも普段はビルドアップに不慣れな金沢。
逆にボール支配に長けるというイメージながら、未だ形が定まっていないのか(開幕節では、センターバックを務めた加藤が一列上がってのビルドアップをしていましたね)金沢のマンマーク基調のディフェンスに対し、今一つボールを前に運べていない感じのヴェルディ。
一進一退の様相を描きつつ前半の飲水タイムへ。

明けた後、最初の好機はヴェルディ。
26分左サイドで井出のパスカットから、中央→右サイドへと展開されたのち、山本のドリブルを絡めつつ前進。
山下から中央へとパスが送られ、エリア手前で端戸スルー→井出ヒールでポストプレイ→端戸シュートという流れるような攻撃を放ったものの、GK後藤にセーブされゴールならず。

ヴェルディの側に針が振れるかと思われましたが、その後は金沢が一方的に攻撃を仕掛ける絵図が展開されます。
速攻と遅攻、双方を駆使して相手陣内に押し込み、また出足の良い守備でヴェルディに反撃の間も与える事無く圧を掛けていきます。
36分に決定機が訪れ、嶋田の左サイド裏へのロングパスを丹羽が受け、戻されたのち藤村がグラウンダーでクロス。
クリアされたボールを嶋田がエリア手前からシュート、ブロックされこぼれたボールを拾い直した嶋田が今度はエリア内からシュートするも、GKマテウスが片手でセーブして防ぎます。
良い時間帯の中、相手GKの好守に阻まれ得点出来ないという、前節(北九州戦・1-1)と近似的な内容に嫌な予感も過る展開。

しかし43分に、そんな雰囲気を遠ざける一発が。
藤村のロングパスがクリアされるも、敵陣左サイドで嶋田(40分辺りから、大谷とサイドハーフ同士でポジションを入れ替えていた)が拾い、溜めたのちエリア内左へとスルーパス。
走り込んで受けた丹羽が、そのまま角度の無い所からシュートを放ち、GKマテウスの股を抜くゴール。
攻勢がようやく得点に結び付き、同点に追い付いた金沢。
以降もヴェルディに攻撃権を渡す事無く、前半を終えます。

迎えた後半、早速の後半1分に石尾のラフなロングパスを瀬沼が拾ったのち、中央で嶋田がドリブル突破して丹羽へラストパス。
再びエリア内からシュートした丹羽でしたが、今度はGKマテウスがセーブ。
前半の勢いそのままに、という流れを見せる金沢。

そして6分に怒涛の攻撃。
嶋田・大橋がミドルシュート攻勢を仕掛けて防がれるも、敵陣右サイドでプレスバックした丹羽がボール奪取して尚も攻撃継続。
中央への展開から嶋田→瀬沼ポストプレイ→嶋田スルーパスという流れで、エリア内左へ瀬沼が走り込みワントラップからシュート。
見事ニアサイドを抜いてゴールに突き刺し、逆転を果たした金沢。
新戦力の2トップ、丹羽・瀬沼の双方が結果を出すという好循環も露わになりました。

追う展開となってしまったヴェルディ。
平の後方からの縦パス・ロングパスを駆使してようやく攻勢に出れるようになるも、今度はエリア付近での金沢の球際の強さの前に苦戦し、シュートを撃てない場面が目立ちます。
そして再び金沢ペースへと傾く中、溜まらずヴェルディベンチが動き。
端戸・佐藤優→佐藤凌我・馬場へと2枚替え。
CBの加藤が一列上がり、馬場がCBに入るという配置転換も絡め反撃せんとします。

前節(町田戦・2-2)にかなりのパフォーマンスを見せ、2点ビハインドから同点に持ち込む事に貢献した新人の佐藤凌。
故障がちの端戸の代役として定着すればチームとして大きいですが、この日は流れを呼び込む事は出来ず。
金沢の守備の前にボールを繋ぐ事がままならないヴェルディの攻撃を尻目に、追加点を狙うべくの金沢の圧力に脅かされつつ(後半から左CKでも藤村が蹴っていた)、23分に後半の飲水タイムが。
(22分にヴェルディは福村→安在に、24分に金沢は島田→力安に交代)

そして明けた後の最初の好機で、スコアが動く事に。
動かしたのはまたも金沢で26分、クリアボールの落としを拾った大橋が右サイドをドリブル、そしてエリア内中央へとスルーパス。
走り込んだ瀬沼のシュートこそGKマテウスが防ぐも、こぼれ球を大谷が詰めてゴール右へと突き刺し。
金沢らしい縦に速い攻撃で点差を広げました。

窮地に立たされたヴェルディ、以降は最後方でのビルドアップから、左サイドへパス→ダイレクトで中央へ叩くという流れで攻撃。
一筋の光明を見出すかの如く31分にはその流れから、中央で山本が右へとスルーパスを出すと、走り込んで受けた山下がエリア内右へと進入。
そしてシュートしますが、GK後藤に弾かれ惜しくもゴール左へと外れ。
その後もエリア内から山本や山下がシュートを放つ(いずれも33分)など、ようやく押し気味の流れに持ち込む事に成功します。

しかしこれを受けた金沢も、以降はカウンター狙いへとシフト。(34分に丹羽→杉浦恭平に交代)
ヴェルディの攻勢を凌ぐと、38分にチャンス到来。
中央から杉浦恭がエリア内へとスルーパス、これを先に触れると思われた若狭の後方で瀬沼が追い掛け、ボディコンタクトを経て前に出て先にシュート。
GKマテウスのブロックで混戦となる中、ボールはゴールに吸い込まれ。
決定的な4点目が生まれる事となりました。

もはや総攻撃に出るしかないヴェルディ。(失点直後に若狭・小池→奈良輪・松橋に交代)
長短のパスを繋いで金沢ゴールに迫ったり、井出がミドルシュートを放ったり(ブロック)と反撃の姿勢を見せるものの、この時間帯での3点差はやはり大きなものでした。
アディショナルタイム突入間際の45分、平の右サイドへのロングパスから好機を作り、奥からの奈良輪のクロスがブロックされエリア内にこぼれ。
これを佐藤凌がポストプレイで繋ぎ、受けた山下がエリア内右から果敢にシュートを放つと、左ゴールポストを叩いてゴールの中に。
1点を返し何とか意地を見せたヴェルディ。

ATにCKを3本得る(時間も押し迫っていたためかキッカーが一定せず)など、尚も攻勢を続けたヴェルディですが反撃もここまで。
終了直前には逆に金沢にゴールを脅かされ、杉浦恭が右サイドから長距離のドリブルで一気にエリア内に進入してシュート。
ゴール左に外れると同時に試合終了の笛が鳴り、綺麗に終われずとも無事勝利に辿り着いた金沢。

ある程度のパスサッカーの形が見られた金沢でしたが、やはり本来は縦に速い攻撃と、出足の良い守備からのカウンター。
双方バランスの良い攻撃を繰り広げられたという感じの前半でしたが、今後「ボールを持たされる展開」を強いられた際も、この日のような結果を叩き出す事が出来るでしょうか。

コメント
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