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DAZN観戦 2021年J2リーグ第2節 ジュビロ磐田vsFC町田ゼルビア

2021-03-08 16:43:26 | サッカー視聴記(2021年J2)

今シーズンこそ昇格を……という意気込みであろう磐田。
しかし開幕節(琉球戦)でいきなり敗戦(0-1)、しかもシュート数で圧倒しながらもゴールを奪えずというもの。
「内容は悪くなかったから次に繋がる」と開き直るのは簡単ですが、逆にそういった試合を勝ち点ゼロで終えてしまうのは、昇格を目指すクラブにとって大きなダメージとなってしまう。
その分岐点となる次節、この試合の結果が重要となりそうですがどうなるか。。

前年の3-4-1-2という基本フォーメーションから、今季は3-4-2-1へマイナーチェンジしている磐田。
1トップを小川航基→ルキアンに代えた以外は、前節と同一のスタメン。

試合が始まり、町田のプレッシングの強さをいなしながら好機を作る磐田、という立ち上がり。
前半6分にはカウンターから、右サイドをドリブル突破した小川大貴が中央へパス、受けた山田がエリア内へ進入。
左へ切り返してシュートを放ったもののブロックに阻まれます。

ファーストシュートはカウンターを展開してのものでしたが、町田のプレスをかわすのに神経を費やしていた所為か、全体的にポゼッションに針が振れていた感があり。
9分、ゴールキックからキープした磐田ですが、町田のプレスの前にバックパスを繰り返し。
そしてGK八田へバックパスを出すと、ダイレクトで蹴られた八田のパスミスを町田・中島が難なくカット。
そのまま一対一になってしまい、エリア内からシュートしてあっさりと決めた中島。
あっけなさすぎる、という言葉がピッタリの町田の先制点となりました。

前節も前半1分という早い時間で先制された磐田、再び早い段階から追う展開を強いられます。
こうなるとボール支配しつつ、守備を固める相手を何とか崩さんとしなければならない。
ショートパスを繋ぎつつ、頻繁にポジションを動かす大森を軸としながら、それを果たさんとします。

また、前年終盤に故障離脱したルキアンが復活。
様々な場所に降りて来てポストワークし、前進の援けになるという、前監督のフェルナンド・フベロ氏の時代に見せていた主たる仕事を発揮していました。
思えば前年は、監督交代後はそういった動きが無くなっていたな……と感傷的な気分になったりもしましたが、得意分野を発揮できるような環境が戻ったとあれば何よりでしょう。
20分、大森のドリブルから、右サイドでボールを受けたルキアンがキープし中央へとパス。
入れ替わるように小川大が受け、伊藤のミドルシュートに繋がる(GK福井キャッチ)という流動的な攻撃。
後は結果だけ、というのはルキアン個人・チーム全体共通の気持ちだったと思われます。

一方の町田、ポゼッション重視の磐田の攻撃を受けつつ、クリアから身体を張ってのボールキープで時間を作るのがメイン。
その副産物である、相手の反則からのフリーキックを先制後3本得るなど、効率良い攻撃でプレッシャーを掛けていきます。

そんな展開が描かれ、やや遅めの飲水タイム(26分)が挟まれると、スコアが動きます。
30分の磐田、遠藤からのパスを受けた大森が右ハーフレーンをドリブル、そしてエリア内右に走り込むルキアンにパス。
彼のグラウンダーのクロスを、中央に走り込む松本がスライディングで合わせシュート、綺麗にゴールゲット。
主導権を握っての攻撃を結果に結び付けた磐田。

さあ勝利に向けて大攻勢だ、そんなホームの雰囲気とするべき所でしたが、直後に冷水をぶっ掛けられる展開が。
敵陣右サイドで三鬼のカットから攻撃を組み立てる町田、斜めの縦パスを受けた中島、再び右サイドへ流れて奥からクロスを供給。
これをニアサイドで頭で合わせた平戸、上手く首を振って放たれたヘディングシュートは対角線の放物線を描きゴールに吸い込まれ。
鮮やかな得点となり、僅か2分後に再び勝ち越した町田。

またも追う展開となった磐田、一層ボールを握って攻勢をかける事に。
37分、左サイドから半円を描いての逆サイドへのパスワークを経て、小川大のクロスをファーサイドで大森がボレーシュート。(GK福井キャッチ)
ポゼッションは高まっても、フィニッシュはこのシーンぐらいとなり、結局1-2のままハーフタイムを迎えます。

双方交代無く後半が開始、まず磐田が攻勢に出るも、町田はそれを防ぎつつ右サイドの太田の突破力を活かして反撃。
一度はそこからカウンターを仕掛けた磐田でしたが、5分には太田のドリブルを山本康裕が腕で防いでしまい反則・警告を貰うなど脅かされ。

そんな一進一退の入りでしたが、ここから磐田が同点に追い付かんと再びの大攻勢。
フィニッシュシーンは9分、左サイドでのパスワークから、中央で受けたルキアンが右に流れて小川大へパス。
小川大のカットインから中央でショートパスを繋ぎ、松本が走り込んでシュートするも枠を捉えられず。
その後もボールを支配しますが、町田の堅守の前にシュートを放てません。

長らく守勢に回っていた町田は17分、佐野の左→右へのサイドチェンジから、太田が三鬼とのワンツーで奥へ進入。
そしてグラウンダーでクロスを入れると、再び平戸がニアで合わせましたがブロックに阻まれ追加点はならず。
その直後にベンチが動き、岡田・太田→長谷川アーリアジャスール・吉尾へと交代します。

上位進出を図らんと、オフには精力的な補強を敢行した町田。
鄭大世(チョンテセ)というビッグネームの獲得はあったものの、彼は既に最晩年(38歳)で過剰な期待は出来ず。
それでも彼の存在が「ロングボールをターゲットに蹴り込む」という攻撃の目線を正す事となったか、今季レギュラーに返り咲いた中島。
前年のような「ターゲットになれない安藤(現水戸)にロングボールを蹴る」というチグハグさは、改善されつつあります。

そして投入された長谷川アーリアも、一種の目玉的な補強。
言わずと知れたランコ・ポポヴィッチ監督の子分的な存在で、海外クラブ(スペイン・レアル サラゴサ)で指揮を執った際は、わざわざ長谷川アーリアを入団させる程の信頼関係となりました。
中盤でポジション問わずのプレーが主ですが、前所属の名古屋では、長身を買われてのFW起用がメインとなり。
果ては前年故障で1年を棒に振るというシーズンで、教え子の再生という典型的な移籍となった今季。

指揮官の思想通りに早速開幕節でスタメン出場した長谷川アーリアですが、こうした起用法でチームが低迷しようものなら、不協和音を生みかねないもの。
しかし逆に言えば、「自身の望む補強をした」ポポヴィッチ監督も背水の陣でシーズンに挑んでいるという事でしょう。
早期に結果を残す事が自身にとっては言わずもなが、チームの道筋も左右しそうな存在である長谷川アーリア。

その後は再びイーブンな展開となり、21分には左サイドで平戸のパスを受けた長谷川アーリアがボールキープ。
その後佐野に繋ぎ、受けた佐野がミドルシュートを放つもGK八田がセーブ。
着実に攻撃の流れを取り戻していた町田。

点を獲らなければいけない立場の磐田は、必然的に前掛かりになる事を強いられる。
イーブンとなった展開の中、その意識が手痛い追加点を与える事となります。
28分の町田、深津の右への展開から三鬼が頭で落とすと、吉尾ポストプレイ→三鬼ロングパス→平戸ポストプレイ→吉尾スルーパスで右サイドを突破。
ここでの磐田ディフェンスは、前後に激しく動かされるボールに喰い付きすぎて全員突破を許してしまう有様で、最後は平戸のグラウンダーのクロスに走り込んだのは長谷川アーリア。
フリーで放たれたシュートがゴール右上を捉え、磐田をどん底に突き落とす追加点。
そして復活の狼煙のような、長谷川アーリアの移籍後初得点となりました。

既に19分に大森→藤川、25分に山田・松本→大津・鈴木雄斗と交代カードを切っていた磐田。
人数を多く割いてのサイド突破の攻撃に拍車が掛かり、大津・藤川がサイドに寄ってボールを出し入れしたり、CBも盛んに前に出たりと町田を押し込み。
2点差となってからは尚も顕著となるも、守備を固める相手には何処かで無理をしなければゴールに迫る事はままならず。

37分には右サイドに大津・藤川が加わりパスワーク、大津のスルーパスを受けた藤川がカットイン。
中央で小川航基(ルキアンと交代で出場・33分)のポストプレイを得て、エリア内左へと進入する藤川でしたが、グラウンダーでの折り返しはGK福井に抑えられます。
激しく動き回り奮闘した藤川が目立ったシーンでしたが、それでもゴールに繋がらないという事実が、磐田の流れの悪さを象徴するようでもあり。
動きの少ないゲームメイカー(遠藤)がパスを散らすのを基本に、他選手が頻繁にポジションチェンジを行う攻撃。
聞こえは良いものの、動いて好機を作る選手が報われずに得点出来ないという状況が続いてしまっているのが観ていて辛い所です。

町田サイドは38分、中島→鄭に交代。
これが町田で初出場となった鄭、中島と同じくロングボールの収め役として働きます。
依然として押し込み続ける磐田でしたが、最終盤に入り、溜まらず大井が前線に上がるパワープレイの体勢へ。

しかしアディショナルタイムでは、守りが薄くなった、ないしは緊張の糸が切れたような磐田の隙を町田が突くシーンが続発します。
GK福井のロングフィードを右サイドで収めた鄭、そのまま中央へパスを出すと、受けた平戸がフリーでエリア内に進入。
そしてGK八田を左にかわしシュートしましたが、戻った山本康がスライディングでブロックしゴールならず。
4点目は奪えなかったものの、その後も鄭のスルーパスに平戸が抜け出したり(オフサイド、その後平戸が遅延行為で警告)、GK福井のロングフィード一本から鄭がボレーシュートを狙ったり。
町田の方が好機を演出したATとなり、そのまま試合終了、町田が今季初勝利を挙げた試合となりました。

連敗スタートの磐田。
攻撃権を支配している反面、2試合とも常時リードを奪われる試合になっており、「内容が良くても結果が伴わず……」を地でいく状態。
その内容も攻撃面(フィニッシュ以外)のみで、この日は守備面の課題が露呈し、現状のままでは昇格など夢のまた夢な状況。
ここから修正し巻き返すのは可能でしょうか。

コメント
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