浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

急進派の勢力伸長

2005年12月18日 | Weblog
 パレスチナ自治区が大揺れに揺れています。与党アル・ファタハの分裂騒動はすでにお伝えしたとおりですが、何回かに分けて行なわれている地方選挙の結果で、ハマースが大躍進しています。  まず、西岸地区最大都市ナブロスでは、ハマースがなんと73%もの票を集めてしまいました。それに対して、ファタハは13%の得票に留まっています。ナブロスはこれまで、ファタハの強力な地盤があるところとされてきただけにアッバース . . . 本文を読む

バルグーティ氏 新党設立

2005年12月15日 | Weblog
 マルワン・バルグーティ氏は2002年4月、私が現地取材中、ラマッラの自宅からイスラエル軍に連行されたまま、今も獄中にあります。  バルグーティ氏は、その「汚れていない経歴」と人柄、活動実績から若者の間で人気が高く、逮捕された直後は、ラマッラだけでなくパレスチナ自治区の各所で抗議デモが行なわれました。  その後、彼は昨年、故アラファト大統領の死去に伴なって行なわれた後継者を選ぶ大統領選挙で、立候補 . . . 本文を読む

ファタハ分裂

2005年12月15日 | Weblog
 パレスチナ自治政府の与党である「アル・ファタハ」の内部分裂が進行中です。党を二分しかねない深刻な状況です。渦中の人は現在、イスラエルの獄中にあるマルワン・バルグーティ氏です。後ほど詳しくお届けします。 . . . 本文を読む

進まぬ合意の実現

2005年12月14日 | Weblog
 イスラエル政府は、先月アメリカのライス国務長官と「カルテット(国連、EU、ロシア、英国)」の仲介でパレスチナ自治政府とサインした合意文書の実行を、パレスチナ武装組織によるイスラエルに対する攻撃が再開されたことを理由に、延期し続けています。  特に、西岸とガザを結ぶバスの運行は、パレスチナ住民が長年待たされてきたことで、希望が高まっていました。しかしながら、イスラエル政府はいっこうに再開に向けた話 . . . 本文を読む

仏政府 暴動鎮圧にイスラエルの手法

2005年12月12日 | Weblog
 イスラエルの公安長官と警視総監が11日、フランスに向けて経ちました。  ハーレツ紙によると、2人はフランス政府の要請で訪仏したとのことです。その目的は、「暴動鎮圧」法の伝授だとのこと。  イスラエル警察と軍隊は毎日、パレスチナ人の抵抗運動の対処に迫られています。そこで、「過激派対策」分野では世界一と思われている節があるようで、これまでにも、米軍のアル・カーイダ系活動家の取調べや英国の活動家の取り . . . 本文を読む

ハマース 対イスラエル攻撃再開か

2005年12月12日 | Weblog
 ガザに本拠を置くハマースのハーレッド・メシャール・シリア支部長が9日、シリアの首都ダマスカスで行なわれた、PFLP(パレスチナ解放戦線)の創立38周年記念集会で演説、イスラエルとの休戦は今年一杯で終わり、それ以降は延長しないことを明言しました。  メシャール氏は、先週月曜日のイスラエルのナターニヤで起きた自爆攻撃以来、パレスチナ自治区で行なわれているイスラエル軍の軍事作戦に触れ、ハマースが対イス . . . 本文を読む

ナブロス近郊で銃撃戦

2005年12月12日 | Weblog
 パレスチナ自治区北部のナブロス市に隣接するバラータ難民キャンプに11日早朝、イスラエル軍が3台の戦車と45台の軍と警察車両で乗り入れ、活動家の拘束を強行しようとしたところ、パレスチナ勢力が反撃、銃撃戦になりました。  その折、19歳(18歳との情報もある)の若者がイスラエル軍に手りゅう弾を投げつけようとして失敗、自爆してしまい収容先の病院で死亡しました。これまでのところ、それ以外の死傷者の情報は . . . 本文を読む

モファズ国防相も新党入り

2005年12月11日 | Weblog
 イスラエルのモファズ国防相が11日、リクード党を離れ、シャロン首相の新党「カディマ」に加わることを発表しました。  記者会見の席上、モファズ氏は、リクードの右傾化についていけないことを離党理由にしましたが、同じ席でシャロン首相から3月の総選挙に勝利を収めシャロン氏が首相に再選された折には次期内閣の国防省のポストを約束されたと述べており、今回の移籍がシャロン氏の手引きであったことを示唆しました。同 . . . 本文を読む

「イスラエルはドイツかオーストリアに移せ」イラン大統領

2005年12月09日 | Weblog
 イランのアフマディネジャド大統領は就任以来、過激発言で欧米社会に波紋を起こしていますが、8日、サウディ・アラビアのメッカで開催中のイスラム諸国会議に出席した後、またまた「問題発言」をしました。  発言は、イランの国営衛星テレビ局に対して行なったものでしたが、最近の注目度の高さの表れでしょう。欧米やイスラエルからすぐに異論が唱えられました。  同大統領は、これまでにも何度かイスラエルの建国の矛盾に . . . 本文を読む

イラクでの人質の釈放を求める声

2005年12月09日 | Weblog
 11月26日にバグダッドで武装組織に誘拐された4人の外国人の釈放を要求する声が、パレスチナで高まっています。  人質になっているのは、74歳の英国人、54歳の米国人、そして41歳と32歳のカナダ人です。4人は全て人権擁護組織「CPT(キリスト教徒平和仲裁団)」のメンバーで、イラクで人権活動をしており、誘拐されたこの日も、米軍やイラク警察に拘束されているイラク人の人権について話し合うため、イスラー . . . 本文を読む