浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

レバノンで大量死体発見

2005年12月07日 | Weblog
 シリア政府は今年4月、30年近くのレバノンに対する事実上の軍事占領をあきらめ、駐留軍を完全撤退させました。  しかし、その後も、レバノンでは、反シリア姿勢を崩さない政治家やジャーナリストの殺害や傷害は後を絶ちません。多くの事件がシリアの影響を示唆されています。  そんな中、今度はシリアとの国境の近くで30人の身元不明の死体が埋められているのが発覚しました。死体発見現場はアンジャール村とされていま . . . 本文を読む

シャロン新党に勢い

2005年12月07日 | Weblog
 シャロン首相の立ち上げた新党「カディマ」の勢いが止まりません。  シャロン氏は、かつて自らが結党に加わったリクード党を離れ、新党を結成したばかりですが、リクードからの「離脱組」を中心に、労働党や諸派からも仲間が続々集まり、最近の世論調査では、リクードや労働党を抜きトップの座に躍り出ています。  ハーレツ紙(労働党系日刊紙)が行なった「総選挙想定」世論調査では、国会(クネセット)の総議席120の内 . . . 本文を読む

実家の爆破

2005年12月06日 | Weblog
 自爆攻撃実行者の実家の爆破については、これまではほぼ間違いなく爆破してきたと書きましたが、実は国際的な圧力で禁止されるようになり、ここしばらくは行なわれていないとのことです。それに対して、モファズ国防省は、再発防止効果がある策だとして解禁措置がなされるように訴えているそうです。 . . . 本文を読む

イ軍の報復始まる

2005年12月06日 | Weblog
 ナタニヤ(日本の新聞各紙はネタニヤとしていますが、現地の人たちの発音に近い表記にしています)で起きた自爆テロの報復が早速始まりました。事件が起きて数時間後、西岸地区のほとんどは「軍事封鎖地域」を宣告され、戒厳令のような状況です。6日には多くの学校が休校になりました。  そして、6日夜明け前、イスラエル軍が西岸地区トゥルカラムの近郊にある自爆攻撃実行者の実家を包囲、父親と3人の兄弟が拘束されました . . . 本文を読む

イ軍 新たな攻撃予告

2005年12月06日 | Weblog
 10月26日のイスラエルのハデラで起きた自爆攻撃の“報復”として始まった「ゲリラ狩り」は1ヶ月以上経った今もジェニンからその周辺に範囲を広げて行なわれています。数百人の若者が拘束され、活動家との関わりが疑われる住居や事務所が破壊されてきました。国際メディアが事実上の無視をする中で、“堂々と”国際法違反行為が行なわれています。  5日のナタニヤで行なわれた自爆テロに対しては、ガザからこのところ活発 . . . 本文を読む

小泉首相 中東歴訪へ

2005年12月06日 | Weblog
 小泉首相は来年1月上旬にイスラエル、パレスチナ、トルコへの訪問を予定しています。訪問中、イスラエルのシャロン首相やパレスチナ自治政府のアッバース大統領らとの会談が組まれているようです。マスコミ報道では、小泉さんは中東和平の仲介作業を担って日本の影響力を高めようとしていると伝えていますが、もしそれが本当だとしたら、「中東をなめるのもいい加減にしなさい」と言いたいですね。これまでほとんど中東に手を着 . . . 本文を読む

自爆攻撃で多くの死傷者

2005年12月05日 | Weblog
 イスラエルの港町ナタニヤの商店街入り口で5日午前、パレスチナ人青年の自爆攻撃があり、少なくともイスラエル人5人が死亡、50人以上が負傷しました。  事件直後、青年はパレスチナの最大政党アル・ファタハの武装集団「アル・アクサ旅団」のメンバーであると発表されていましたが、後になってイスラーム聖戦から犯行声明があり、同組織のメンバーであることが判明しました。  レバノンのヒズボアッラー(神の党)の運営 . . . 本文を読む

イスラエルがミサイル防空網のテスト

2005年12月03日 | Weblog
 イスラエル軍は12月2日、ロシアのイランへの地対空ミサイルの売却報道を受けて、アロウ防空システムのテストをしたと発表しました。  テストの内容は、イランのシャハブ型ミサイル(核弾頭装着可能)に似たミサイルを飛行機から発射、それに向けて地上から迎撃ミサイルを放つという、一般的な訓練スタイルがとられました。  アロウシステムは、1991年の湾岸戦争の経験を元にイスラエルと米国が20億ドル(約2400 . . . 本文を読む

密入国

2005年12月03日 | Weblog
 イスラエル軍(以下イ軍)が撤退したガザ地区で2日、3人のパレスチナ人が国境のフェンスを越えようとしてイスラエル兵に銃撃され、1人が死亡、2人が負傷しました。  イ軍の発表によりますと、国境警備隊がフェンスを登る3人を発見、「テロリストの侵入」と判断して銃撃したとのことです。今回イ軍は、3人を拘束しようとはせず、パレスチナ治安当局に連絡しました。救助に駆けつけた救急隊の発表では、3人は武装しておら . . . 本文を読む