アートインプレッション

株式会社アートインプレッションは、美術展の企画を主な業務としている会社です。

国立エルミタージュ美術館所蔵皇帝の愛したガラス 出品作品紹介4

2011-07-01 15:57:11 | 皇帝の愛したガラス
出品作品紹介!



前回のブログに続いて、今回もエナメル彩の技法を使用した作品を紹介しますね。
今日はこの作品


このカップルが描かれているグラスは、

「染物屋ギルドのタンブラー」
フランケン、1713年制作

前回に引き続いてこのようにエナメル絵付けが施されたガラス製品は、17世紀後半から
18世紀にかけて、一般の人たちの手の届く品となってきたそうです。
その注文主で多かったのはギルドの親方達。
(ギルド~中世より近世にかけて西欧諸都市において商工業者の間で結成された各種の職業別組合。商人ギルド・手工業ギルド(同職ギルド)などに区分される。一般に封建制における産物とされる。by Wikipedia)

ギルドの親方達は、夫婦の記念日や結婚式の記念品として、夫婦の絵を描かせていたのです。
この作品をよく見ると・・・

男性は片手にワイングラスを。



女性はお財布(お金)を持っています。



これは、平穏な家庭生活表す伝統的なポーズだそうです。
絵の中央には、染め物用の大きな桶が描かれ、これが染物屋ギルドの親方が注文した物だと分かるのです。

でも、何よりも注目なのは、胴部に書かれた言葉。



黒いエナメルで書かれているのは・・・
”神と汝が永遠に我がもとにあらんことを。1713年”

白いエナメルで書かれているのは・・・
”我は喜ばしき心を持つ
 我は喜ばしき心を愛す
  喜ばしき心よ我のもとにあらん
   我が神が私の命を奪わぬ限り”

この永遠の愛を誓う文面
これをグラスに書いて記念品としているなんて
とてもロマンチックな感じですよね。

是非会場でご覧になって、当時の人々の生活に思いを馳せてみてください!

国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス
北海道立近代美術館 2011年6月9日~7月3日 開催中
東京都庭園美術館  2011年6月14日~9月25日
岡山県立美術館   2011年10月1日~11月6日




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。