金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【競馬】 葵ステークス(GⅢ) 3歳スプリントチャンピオンはどの馬か⁉

2023-05-27 02:29:38 | 競馬

 ダービー前日は、3歳スプリントチャンピオンを決める葵Sです。

 

 ここには、スプリント界の御曹司ビッグシーザーが出て参ります。ビッグシーザーは、ビッグアーサーの産駒であり、日本伝統のスピード血脈を継ぐべき申し子であります、テスコボーイ⇒サクラユタカオー⇒サクラバクシンオー⇒ビッグアーサー⇒ビッグシーザーという血の流れ。サンデーサイレンスも、キングマンボも、この父系を乱すことは許されません。

 これから、日本のスプリント界を引っ張っていくであろう②ビッグシーザーが名乗りを挙げるレースであります。

 相手には、ビッグアーサー産駒ブーケファロスドゥラメンテ産駒ルガルショウカッシング産駒ペースセッティングサトノダイヤモンド産駒タツダイヤモンドデクラレーションオブウォー産駒タマモブラックタイの5頭。

 馬券は、本命②ビッグシーザー頭固定の三連単20点 ②⇒⑰①⑤⑬⑱

 

 未来のスプリント王が羽ばたくレースを見逃さぬように致しましょう!

 


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【ダービー特集⑥】 2011年 震災の年に現れた狂気の天才オルフェーヴル!

2023-05-26 03:07:47 | 競馬

 2011年は東北で震災があった年。この時は、日本の競馬もスケジュールを守ることが出来ずに、苦労をしながらクラシックレースを開催した年でもあります。

 この年の現れたのが、三冠馬オルフェーヴル。そして、2年連続で凱旋門賞2着という成績を残した歴史的名馬であります。

 

 オルフェーヴルの勝ったダービーは、泥んこの不良馬場。しかも、4コーナー回った時にはまだ、ほぼ最後方。そこから、オルフェーヴルとウインバリアシオンの2頭が併せ馬状態のまま、激しい叩き合いとなり、ゴール前ではオルフェーヴルが1馬身3/4差をつけて快勝

 

 

 今思えば、3歳時のオルフェーヴルは、まだまだ『良い子』でありました。菊花賞のあとに、池添謙一騎手を振り落として鼻血を出させたくらいはご愛敬。

 しかし、4歳最初の阪神大賞典では『狂気』のオルフェーヴルが始まってしまいます。好位追走から先頭に立つかと思われた瞬間、3コーナー過ぎにコースを逸走して離された最後方へ。そこから挽回して走り直しますが、何とか2着に来るのがやっと。次の天皇賞春はもっと酷く、最初から真面目に走る気を無くしており、最後まで後方のままで11着に敗れます。

 この『狂気』が欧州で世界中をビックリさせます。2012年の秋、前哨戦のフォワ賞を圧勝したあと、この時の凱旋門賞は、欧州の有力が次々と離脱。そうなればオルフェーヴルが地力の違いで、そのまま押し切るかと思われた最後の直線あと100mのところで、自ら内埒の柵に激突して失速、2着に敗れるという信じられない事態が発生いたしました。鞍上の名手スミヨン騎手が「なぜ?」と、目をシロクロさせていたのを覚えています。

 

 オルフェーヴルは、種牡馬になってからも、周囲をハラハラさせ続けています。持ち前のスピードや闘争心を産駒に伝えており、そこそこの成績を収めているのですが、気性の難しい産駒が多く、ここまでは、期待されたような大種牡馬への道は歩めておりませんでした。

 しかし、世界のダートGⅠにおける産駒の活躍で、今までの流れが一変します。

 まずは、2021年秋の米国ブリーダーズカップ ディスタフで、オルフェーヴル産駒の5歳牝馬マルシュロレーヌが戦前の評価を覆して、鮮やかな差し切り勝ちを収めます。何と言っても、ダート競馬の本場アメリカの最高峰レースであるブリーダーズカップデーで、ダートの牝馬トップを決めるレースを勝利したことは歴史的偉業と言えます。北米以外の馬が、アメリカのダート競馬の牙城の一角を崩したのです。

 そして、2023年のドバイワールドカップ。ダートGⅠのもう一つの世界大会と言えるこの舞台で、同じくオルフェーヴル産駒の6歳牡馬ウシュバテソーロが鮮やかな勝利を飾ります。以前、ヴィクトワールピサがドバイワールドカップを制していますが、この時は馬場が「ダート」ではなく、「オールウエザー」といって芝に近い馬場でした。「ダート」馬場で、本場米国の馬たちに快勝した意義は想像以上に大きいと言えます。

 ウシュバテソーロの陣営は、この秋に、米国ブリーダーズカップ クラシックに挑戦する意向を示しています。今年、本当に歴史が変わるかもしれません。

 

 そして、日本馬が何度も挫折を繰り返している「凱旋門賞挑戦」についても、結局は、オルフェーヴルの『狂気』に頼らないと、この壁をぶち破ることは難しいのかもしれません。ワタクシは、グチャグチャの泥んこ馬場でも闘争心を失わない『狂気の馬』が出てくることを密かに期待しております。

 


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【ダービー特集⑤】 2007年 ウオッカの激走 女が強い時代の始まり!

2023-05-25 04:23:47 | 競馬

 2007年の日本ダービーは、猛牝ウオッカが、64年ぶりに牝馬による日本ダービー制覇を成し遂げた年であります。

 

 ウオッカは、暮れの阪神JFを鋭い切れ味で制したあと、終生のライバルとなるダイワスカーレットに桜花賞で敗れます。桜花賞のあと、角居調教師とウオッカはオークスに向かわず、日本ダービーを目指し、ここを4番人気ながら、大外から堂々と抜け出して、のちの菊花賞馬アサクサキングに3馬身差の圧勝を遂げます。

 

 

 当時の常識では、3歳牝馬がダービーやジャパンカップに挑戦することは無謀だと考えられていました。しかし、角居調教師は、牝馬のセックスアローワンスの有利さを活かせば、十分に実現可能な挑戦であるとチャンスを伺っていたそうです。

 ウオッカは、このあとも、安田記念を2回、天皇賞秋ジャパンカップを1回ずつ勝利します。牝馬限定GⅠは阪神JFヴィクトリアMだけで、あとの5回は全て牡馬混合GⅠウオッカという馬は、どうも牝馬同士だとペースが緩くて引っかかる癖があり、むしろ牡馬との厳しい流れになった方が実力を出せる馬だったようです。

 この時のウオッカの勝利をトリガーに、このあとは、牝馬がチャンピオンホースに君臨する時代が続くことになります。ウオッカダイワスカーレットブエナビスタジェンティルドンナアーモンドアイリスグラシュークロノジェネシス・・。

 

 新たな時代を切り開いたウオッカの日本ダービー制覇。これこそ、今のジェンダー時代の先駆けとなった歴史的な挑戦だったと思います!

 


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【ダービー特集④】 2005年 衝撃の走り ディープインパクト時代の幕開け!

2023-05-24 02:43:25 | 競馬

 2021年のダービー開催週に、当blogで取り上げた『ダービー特集①~③』は、①1973年のハイセイコーが敗れたダービー②1976年のトウショウボーイがクライムカイザーの出し抜けに負けたダービー③1998年の武豊とスペシャルウィークが跳んだダービー、でありました。

 今年も、ダービー開催週に、その続編とも言える『ダービー特集④~⑥』をお届けします!

 

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 2005年の日本ダービーは、ディープインパクトのためだけのダービーでありました。単勝1.1倍の圧倒的な支持率。競馬に絶対はないとは云うものの、この日は、すべての競馬関係者と競馬ファンは、ディープインパクトがどのように勝つか? だけに注目したダービーでありました。

 スタートは、例によって出遅れ。しかし、武豊騎手は全く慌てず、そのまま1コーナーを後ろから3番手の位置で回っていきます。向こう正面では、自然体のまま後ろから5番手の位置に上げて、3コーナーから4コーナーにかけて、少しだけ手を動かして、直線の入り口近くでは、前から10番手の位置に。坂の手前あたりで1発ムチを入れると、残り200mのところではすでに先頭に立ち、ラストは追うだけで5馬身差の圧勝

 

 

 ゴール版を過ぎても、まだまだ走り足りないという素振りを見せる余裕ぶりであり、大観衆はディープインパクト時代幕開けの余韻に浸りながら、この歴史的瞬間に立ち会えた幸運を喜び合ったものです。

 

 日本の競馬は、種牡馬サンデーサイレンスが来てから、サンデーサイレンス以前サンデーサイレンス以後の時代に分けられると言われていますが、ディープインパクト現れる前現れた後でも、同じことが言えると思います。すなわち、サンデーサイレンス産駒が走り始めた1994年以降をサンデーサイレンスの時代、そしてディープインパクトが現れて、ディープおよびディープ産駒が走った2005年以降がディープインパクトの時代

 現在は、そのディープインパクト時代が終わろうとしている時であり、次の時代がどの馬の時代なのか? あるいは、久しぶりの戦国時代の始まりなのか? それを見極めることも、競馬ファンの醍醐味なのであります。

 


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【2023年 顕彰馬投票の時期が近づく!】 投票権を持つ記者の方 責任感を持って投票を!

2023-05-23 04:34:35 | 競馬

 今年も6月の初めに、JRA顕彰馬の投票が行われます。

 

 昨年の今頃も、相当厳しいことを申し上げましたが、昨年の『2022年 顕彰馬投票』は、まさかの「顕彰馬なし」という結果に終わりました。満票確実と言われたアーモンドアイも、あと3年しかチャンスのないキングカメハメハも、顕彰馬に選ばれませんでした

 原因は、明らかに「投票権を持つ記者の中に、見識のない記者が相当数混ざっているから」であります。

 

 昨年も申し上げましたが、もともと、JRA顕彰馬の選定にあたっては、有識者による「顕彰馬選考委員会」の審議によって決定されていました。さすがに、この頃の有識者は、知識も見識も高い方ばかりで構成されていたので、最初の10頭、次の5頭と、誰が見ても「なるほど‥」と思える選定結果になっておりました。

 それが、トウショウボーイが選定されて、テンポイントが選定されなかったタイミングの時、関西の競馬ファンの世論やマスコミが「異論」を唱えるようになり、もっと一般の競馬ファンの声が反映される形の選定方法へと、舵が切られることとなりました。結果として、2001年からは現在とほぼ同じ、マスコミによる投票方式となり、幾つかの細かな変遷を経て、現行の選定ルールは2015年に確定しました。

 投票権を持つのは『10年以上競馬報道に携わっているマスコミ・新聞記者』1名4頭までの連記式投票を行い、総投票者の3/4以上の得票が得られれば、顕彰馬へ選出されることになります。これはこれで、アメリカも同様の仕組みになっており、問題なさそうに思えますが、『10年以上競馬報道に携わっているマスコミ・新聞記者』というのが怪しい仕組みの元になっています。

 この中には、JRA馬事文化賞を受賞するような見識者もいれば、競輪・競艇・オートレース等を兼務している地方局のADみたいな人や、YouTuberレベルの人も混ざっています。広く生産界から地方競馬の運営面まで心血を注ぐ見識者もいれば、単にTV視聴率あるいは自らのSNSのフォロワー数のみが関心事の人間も混ざっているということ。後者のタイプが増加傾向にあることに、強い不信感を抱くのはワタクシだけではないと思います。

 

 結果として、今の投票方式では、現役時代をなるべく長く活躍して、獲得したGⅠ数が多い馬ほど、早く選定されやすい状況になってしまっています。怪我や生産界の事情で早く引退して、種牡馬として、あるいは繁殖牝馬として大活躍した馬には、陽が当たりづらい仕組みになっているということ。

 その代表例が、キングカメハメハ。GⅠ獲得は、日本ダービーとNHKマイルCの2つだけではありますが、種牡馬としての成績は、2023年5月21日現在、産駒のJRA通算勝利数2191勝JRA通算重賞勝利数135勝で、第1位サンデーサイレンス、第2位ディープインパクトに次ぐ、堂々の第3位。日本の競馬界へ残した功績は、過去の表彰馬たちと較べても、遜色ないどころか、頭一つも二つも抜けた存在となっています。しかし、このキングカメハメハが、まだ顕彰馬に選定されていません。登録抹消から20年以上経過すると、選定されるリストから外れてしまうので、あと2年しかチャンスがありません。

 

 今年は、昨年まさかの選定外となったアーモンドアイが、まず満票で選定されることになるでしょう。しかし、それ以外の票は、モーリスブエナビスタダイワスカーレット、そして今年から候補となる無敗の三冠馬コントレイルなどに割れてしまい、キングカメハメハに、どこまで票が集まるか定かではありません。

 こんなことを繰り返しながら、日本を代表する牝系を創り出しているベガエアグルーヴといった名牝は、既に顕彰馬選定の資格を失ってしまいましたまた、産駒が3頭も人気種牡馬となっているシーザリオもあと2年で資格を失いますが、今の仕組みでは顕彰馬に選定される可能性は極めて低いと言わざるを得ません

 

 ワタクシも、もうグタグタ言うのは止めにして、競馬記者の方々に対しては、「4票持っている投票権のうち、アーモンドアイとキングカメハメハとシーザリオの3票については、黙ってそう書け!」と言いたいところですが、ぜひ「責任感を持って投票を!」と申し上げておきたいと思います。

 

 もし、今回もキングカメハメハが顕彰馬に選定されないこととなったらば、私は今の選定方法を止めて、元の有識者による「顕彰馬選定委員会」の復活を提唱したいと思います。

 

 ワタクシは民主主義の信奉者ではありますが、今の顕彰馬投票は、明らかに「ポピュリズム=愚民主義」に陥っていると思います。

 もし「ポピュリズム=愚民主義」に陥ったら、一度元に戻してやり直す方が、民主主義の基盤を守ることに繋がると信じております。

 


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