まずは札幌2歳S。勝ったのは、キズナ産駒マジックサンズ。6番手追走で脚を溜めます。逃げたアスクシュタインの前半1000mのラップは1分0秒9と重馬場としては流れる展開に。直線に入ると、マジックサンズがマクリ気味に外から一気に先頭に立ちますが、最内を突いてハービンジャー産駒の牝馬アルマヴェローチェが先頭を奪います。これを外から再度差し返して、ゴール手前でハナ差だけ前に出て勝利。重の勝ちタイムは1分50秒3。2着アルマヴェローチェから1馬身1/2差の3着には、最後方から追い込んできたドゥラメンテ産駒ファイアンクランツ、さらに3馬身1/2差の4着には、5番手からワールドエース産駒モンドデラモーレ。
勝ったマジックサンズは、デビューから2連勝で札幌2歳Sを制しました。ハナ差とは言え、外を回しての堂々の勝利ですから地力の高さを証明しました。次走は、東京スポーツ杯2歳Sか、暮れのホープフルSか、いずれにしても楽しみな馬であります。佐々木大輔騎手は函館2歳Sに続いて重賞2勝目。次走も任されるかどうかは微妙ではありますが、もし乗ることが出来れば、初のGⅠ制覇が近づいてきます。
2着アルマヴェローチェは、横山武史騎手が最短コースを上手く選んだことが好走理由。それでも、この馬場状態とこのメンバー相手に2着ですから、2歳牝馬路線にまたまた面白い存在が出てきたと思います。3着ファイアンクランツは、最後方の位置からよく伸びてきていますが、今回はまだ成長途上だということ。これからの成長を期待いたしましょう。
次は中京の小倉2歳S。勝ったのは、ディスクリートキャット産駒エイシンワンド。好スタートから3番手追走へ。逃げたタワーオブロンドン産駒レイピアの前半3ハロンのラップは34秒5と平均ペースに。直線に入ると、最内で逃げ粘るレイピアを交わして、馬場の中央からエイシンワンドが抜け出します。外からミスターメロディ産駒クラスペディアとタワーオブロンドン産駒アーリントンロウの2頭が迫ってきますが、これらに3/4馬身差をつけて快勝。重馬場の勝ちタイムは1分9秒0。2着にはクラスペディア、クビ差の3着にアーリントンロウ、さらに1馬身1/4差の4着には逃げたレイピア。
勝ったエイシンワンドは、デビューから2連勝で重賞制覇。重馬場特性が生きた勝利ではありますが、好メンバーが揃った今年の小倉2歳Sを完勝したのですから、現時点でサトノカルナバルと並んで短距離路線のトップに立ったと言って良いでしょう。
2着クラスペディアは、デビュー戦でエイシンワンドの2着だった馬で未勝利での重賞参戦となりましたが、地力の高さを見せて賞金を加算いたしました。3着アーリントンロウは、馬場適性の差が出たとも言えますので、次は良馬場で逆転を狙いたいところでしょう。この馬は1400～1600mも大丈夫そう。
そして新潟記念。勝ったのは、サトノダイヤモンド産駒の4歳牝馬シンリョクカ。好スタートから離れた2番手追走を選択。逃げたアリスヴェリテの前半1000mのラップは58秒9と比較的流れる展開に。直線に入ると、残り400mのところで、逃げ粘るアリスヴェリテをシンリョクカが交わして先頭に立ちます。外からゴールドアクター産駒ゴールドプリンセスとキングカメハメハ産駒キングスパレスの2頭が追いかけてきて、さらにラストはハーツクライ産駒セレシオンに迫られますが、これをハナ差抑えて勝利。良の勝ちタイムは1分58秒0。2着セレシオンから1/2馬身差の3着にはキングスパレス、クビ差の4着にはゴールドプリンセス、さらに1/2馬身差の5着には後方から追い込んできたレッドラディエンス。
勝ったシンリョクカは、嬉しい重賞初勝利。GⅠ阪神JF2着、桜花賞6着、オークス5着の実績馬ながら、重賞勝利に手が届いていませんでした。2000m以上の牝馬重賞では、まだまだ勝つチャンス有りと思います。なお、木幡初也騎手もJRA重賞初勝利。デビュー11年目の初制覇ですから嬉しい勝利だと思います。
2着セレシオンも地力を見せてくれました。GⅡGⅢならばチャンス有りでしょう。3着キングスパレスは、長い直線だとラストが甘くなる傾向があって、今回もそれが勝ち切れない原因だったと思います。4着ゴールドプリンセスは、あわや勝利かと思える瞬間もありました。次走も注目。5着レッドラディエンスは、さすがに位置が後ろ過ぎで、ラストは58.5㎏が苦しかった。
