将棋の竜王戦七番勝負の第1局は、東京都渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で行われ、先手の藤井聡太三冠が123手で、まず1勝を挙げました。
注目の戦型については、先手の藤井三冠が「相掛かり」に誘導、その後、藤井三冠が研究手順を進めていきましたが、序盤の構想力に勝る豊島竜王が途中で主導権を奪い、そのまま中盤・終盤戦へ。
しかし、主導権を奪っていた豊島竜王が、なかなか最後までの詰め筋を見つけられない状況に陥り、徐々に藤井三冠のペースへ。そして、着実に詰み筋へ後手玉を誘って、寄り切る形で勝利となりました。
ちなみに、1か月の準備期間で、豊島竜王の序盤の構想力は、明らかにまた一段と強力になっていたのは事実。藤井三冠の念入りの研究手順をあっけなくひっくり返して、後手ペースに引き込んでしまったのですから。それだけに、豊島竜王としては勝ちたかった一局だったと思います。
でも、考え方次第。今回は後手番で、もともと落としても惜しくはありません。次の先手番こそ、序盤の構想力の差を見せつけての勝利が実現できれば、七番勝負としては、むしろ攻めこんだ感覚になれます。
第2局は、10月22日(金)23日(土)に京都市右京区の「総本山仁和寺」で行われます。将棋界の頂上決戦の第2局、また注目いたしましょう!