金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【シーズン終了】 徹底敬遠の背景に「差別」‼ しかし、大谷選手は‥ 

2021-10-06 07:13:21 | プロ野球/MLB

 大谷選手の2021年シーズンが終了しました。

 

 それにしても、9月に入ってからの徹底した敬遠対応に、ウンザリした日本人は多かったことと思います。しかし、当の大谷選手が、あまりに大らかに、にこやかに、敬遠対応を受け止めていたため、我々ファンとしては、ブーイングはしつつも、「勝負事だから仕方ないか‥」と諦めていたのではないでしょうか?

 辛口解説で有名な、NHKーBSの元日ハムの武田一浩氏ですら、「相手チームはプレーオフが懸かっていますから、ここは敬遠で仕方ない」という説明

 でも、冷静に考えてみると、「じゃ、プレーオフになったら? ワールドシリーズになったら? もっと短期的な勝負に拘るから、みんな敬遠するのか⁉」

 そんなワールドシリーズは見たことありません。9月に入ってから、これだけ極端に大谷選手が敬遠に遭っている理由は、別にあると考えるべきです。かつて、阪神のバースや、近鉄のローズが、王選手の55本の記録を破ろうとした時に、全てのチームが勝負事に関係なく敬遠を選択したように、「国民感情」に沿った敬遠対応というのがあると。

 ヤクルトのバレンタインの時、さすがにファンの間でも議論が起きて、「敬遠対応で記録を阻止するのはおかしい」という世論が巻き起こり、やっと普通の野球に戻って、年間60本の記録が達成されました。

 

 今回の大谷選手の敬遠騒ぎの背景は、明らかに「差別」だと思います。メジャーリーグは約150年の歴史がありますが、東洋人がホームラン王を獲得することに、根強い反感があるということ。イチローの安打記録などは、マイナーな部門との位置づけなので抵抗感が薄かっただけで、ホームラン王とか、三冠王とか、のメジャーを代表するようなタイトルを、アメリカ大陸以外の出身者に持っていかれることは、やはり我慢がならないということだと思います。

 ちなみに、我々日本人だって、同じような差別意識は持っています最多優勝の大横綱の白鵬に対して、さまざまな理由を付けて、一代年寄の付与を止めてしまいました。大相撲人気が落ち込む中で、モンゴル出身の白鵬に、大相撲の隆盛を委ねる時期が長かったにも関わらず、感謝ではなく、「条件付きの年寄襲名認可」の対応ですから、アメリカ人のことは批判できません。

 

 ただし、一番凄いこと、それは、そんなことは大谷選手が一番理解しているということ。だからこそ、今年のホームラン王なんて、そんな小さなことを気にするのではなく、野球をこよなく愛する一人の選手としての姿を、そのまま全米に伝えることで、アメリカ全土に根付く「人種差別意識」そのものすら、ぶち壊して、自分が次に推し進める野球の道を、みんなで喜んでもらおうとして、今は「笑顔で‥笑顔で‥」という対応に終始しているのだと思います。このことに、私は一番の感動を貰っております。

 

 大谷選手、一年間、お疲れ様でした。来年も、日本人は、いや、野球を愛する人間は全て、あなたを応援すると思います。

 大谷選手、頑張れ‼


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