今年の凱旋門賞で、おそらく1番人気になると思われた英オークス馬のラヴが、不良馬場を嫌って出走を取りやめました。ラヴは、けして重馬場が不得意という訳ではありませんが、最大のライバルのエネイブルをはじめ、重馬場巧者揃いのメンバーを相手に無理をする必要もないということで、英チャンピオンステークスあたりを目指すことになるのでしょう。
それにしても、凱旋門賞は重・不良が多すぎるレースです。この10年だけでも、まともな良馬場は、2011年と2016年だけで、あとは重か不良馬場での開催。まるで、重馬場上手の世界一決定戦です。欧州の秋競馬が9月中旬から11月上旬なので、雨の多い10月第1日曜をズラすのが難しいようですが、そろそろ思い切った時期変更を検討すべきと考えます。
この舞台は、クロノジェネシスあたりには絶好条件になりますが、果たして、来年の今頃、コントレイルやデアリングタクトに、泥んこのロンシャンを走らせたいかと言えば、絶対にNO! というのが自分の意見。
今のままの凱旋門賞ならば、凱旋門賞一本鎗の風潮はもうこの辺にして、春はドバイ、夏ならばパリ大賞典かサンクルー大賞、秋ならば英チャンピオンS、冬は香港カップあたりを、馬の個性に合わせて目標を設定するというマインドチェンジが、競馬サークル全体に必要だと思います。
故和田共弘オーナー、故野平祐二調教師、そして武豊騎手の拘りに、過度に引きずられてここまで来ましたが、欧州以外の競馬先進国で、凱旋門賞を目指しているのは、もう日本だけです。そろそろ悪夢から目を醒ます時が来たようです。
【追】とか言っていたら、禁止薬物騒動に巻き込まれたAブライアン厩舎4頭が出走回避となりました。2週間の隔離を覚悟して渡欧した武豊騎手には気の毒な結果となってしまいました。上記で、あんなことを言ったので「厄」がついてしまったかもしれません。武さん、すみませんでした!