12月6日・7日に行われた竜王戦第5局は、豊島名人が143手の大激戦を制して4勝1敗となり、竜王位の奪取に成功いたしました。
これで将棋界の二大タイトルを独占したことになり、竜王・名人の独占は、将棋界史上、谷川・羽生・森内に続く4人目で、ちなみに前3名は、全て永世名人の資格を保持する将棋界のレジェンドたちです。
豊島名人は、今年度に名人位を獲得したあと、棋聖位・王位の防衛に失敗、ここでまた竜王位を獲得したことで、将棋界の天下布武の道が再スタートした形。以前にも書きましたが、竜王・名人の独占と言えば、織田信長で言えば、将軍義昭を擁して京都に上洛したぐらいの価値があります。
このまま天下統一など許すまいと、全国の戦国大名が織田信長を目の敵としたように、これからが天下布武へ向けての本番の闘いとなるでしょう。特に、戦国最強と言われた武田信玄に例えられるのが、現役最強の渡辺明三冠。A級順位戦で快進撃を続ける渡辺三冠が、このままいけば来年の挑戦者となり、名人戦がこの二人の激突の場となります。
将棋ファンにとっては、今から、来年の春が待ち遠しい限りです。