政治日程の狭間を縫って、金融マーケットはリスクオンへ転じておりますが、ここから来年にかけてのスケジュールをおさらいしておきましょう。
まずは11月20日、安倍政権が憲政以来の最長政権へ。凄いね、長いね、という感想だけでなく、マーケットにいる人間にとっては、これだけ恵まれた期間がそろそろ終わるシグナルだと、気を引き締めないといけません。
次に12月12日の英国総選挙。少し前まで、一番良いシナリオは、労働党が勝って再び国民投票となり、Brexitが中止になることだと考えていましたが、現労働党党首のコービンの考えは極左に近く、法人税の大幅引上げや公共事業の再国有化なども謳っていることから、反Brexit勢力をまとめる力がありません。おそらく、保守党が連立による多数を獲得して、「合意によるBrexit」へ進むことになりそうです。アイルランド問題の再燃はリスクですが、今となっては、次善のシナリオと言えます。
年が明けると、アメリカは大統領選挙の年、日本はオリンピック・パラリンピックイヤーです。6月の東京都知事選挙は無風による小池知事再選で、7月24日から8月9日がオリンピック、8月25日から9月6日までがパラリンピック。そして9月末が、安倍総理の総裁任期となります。普通に行けば、パラリンピック期間中から自民党の総裁選挙が繰り広げられ、9月下旬には新総裁・新総理が決まることとなります。
しかし‥‥。安倍総理のあと、誰が首相になっても、不安定な時代に逆戻りしそうです。やれトランプだ、プーチンだ、ジョンソンだ、習近平だと、歴史的に見ても、かなりの曲者だらけの国際情勢ですから、ここを乗り切れる新政権のイメージが湧いてきません。
あ! よくみると、来年の1月から5月までの日程が空いておる。いやいや、通常国会で予算を決める期間ですが‥。でも、衆議院だけ予算を通してしまえば、いきなり解散って、あり得るかもしれません。それなら、今の方が解散しやすいって? いやいや、閣僚が二人も辞任した直後に総選挙するバカはいません。
こう考えると、静かすぎる今の永田町が、かえって不気味に思えてきました。野党は全く準備できていないし‥‥。