金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【雑感】日本型人事を抜本から変えるには? その2

2019-08-17 07:40:34 | 雑感

 日本型人事を抜本から変えるには「年次管理」を止めることに尽きます。

 もともと「年次管理」は陸軍・海軍で採用されていたもので、過当競争を制限するために取り入れられました。軍人ですので、いったん戦争が起これば、生死を共にする仲間同士ですから、普段からお互いの関係がギスギスとならないように工夫が必要でした。そこで、士官学校卒業年次による階層を明確にして、しかも卒業の時の成績順位を、退官するまで引きずるという方法を採用していました。これにより、無用な競争が発生しないばかりか、上層部が決めたことに下層は絶対服従するという組織が出来上がりました。

 組織を運営する立場からすれば、こんな便利な仕組みはありません。他の官庁や大企業でも、同じ理由でこの仕組みが普及していきました。何しろ、経営者からすれば、下から突き上げられることがありませんし、下克上なんて起こりえません。年次毎に、昇格比率や役員の数など、だいたいの目処値が決まっているケースが多いため、30代で役員が生まれるなんて起きませんし、発生するとすればオーナー一族のみの特例だけ。

 ちなみに、世界の大企業で、この年次管理を採用しているところを私は知りません。すでに、優秀な日本の学生たちは、外資系のコンサルやGAFAなどを目指す時代になっています。もし、みずほFGの社長が「抜本的に人事を変える」というのであれば、「年次管理の中止」をお勧めいたします。

 これをやれば、会社が革命的に変わることを受け合います。


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