夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

アイヌの精神文化のレクチャー

2023-03-12 08:06:44 | 日記

昨日は、役場前に建つ洒落たデザインの「丘のまち郷土学館美宙(みそら)」で行われている美瑛学講座の一環で「上川アイヌの精神文化」と題されたレクチャーを拝聴して来ました。

北海道に来たからにはアイヌのことについて知っておきたいと思う気持ちがあったことと、この美宙で美瑛学という講座を運営していることも初めて知ったし、この建物は外から見ると天体観測施設なのかなと思えて今まで入館したこともありませんでしたのでこちらにも興味がありました。

入館して知ったことは、ここは郷土史の博物館と天体観測施設が併合されているもので、博物館の観覧は無料ですが天体観測施設は200円の有料で利用できるものでした。その天体観測施設には口径40㎝の反射望遠鏡、15㎝の屈折望遠鏡などを備えてあり、施設の館長には昨年アインシュタインの話を面白おかしくレクチャーしてくれた理学博士の佐治晴夫さんが就いているという「侮れない美瑛町」の一つというものでした。

昨日の「上川アイヌの精神文化」の講師は、旭川龍谷高校の教師で長く部活動である郷土部でアイヌ文化を研究している本間愛之(ほんまよしゆき)さんでした。上川アイヌというのは、北海道を中心にした先住民族アイヌはその分化にローカル色が強く、樺太アイヌ、千島アイヌ、上川アイヌなどと分けて捉える必要があるからだそうです。上川アイヌは今は旭川市となっている石狩川上流の神居古潭周辺に居住した人々です。美瑛町にも住んでいたかは昨日の講義では触れられませんでしたが、展示パネルでは住んでいなかったとありました。

カナダのファーストネーションとしてのイヌイットやネイティブインディアンの話を聞いたり、昨日のアイヌの人々の精神文化を聞く度に思うことは、皆共通してあるのは自然への畏敬、自然界に存在するあらゆるものを魂を持った神(アイヌの言葉ではカムイ)と見立て、それとの折り合いで自分たちの生活を作っていくという姿勢です。自然界から得られる食べ物を初めとした物質は全て必要なだけに限られるという、今流行りの持続可能な社会を身をもって実践して来た人達だということでした。

まだ端緒を聞いただけで、これから北海道で暮らして行くということはこういう文化にもっと接する機会があることだろうと思いながら帰って来ました。

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