ぴよこのまめまき

昨日の朝　　朝餉　　の準備をしてると　トイレからなにやら声が　・・
　「　え・・　え・・　　　　　おばぁ・・　ちゃ・・ん　」
　「　何？　　ひよちゃん　どした？」
　「　おトイレにねー　　何かいてねー　」
そーかー　・・　　　　いるんだよ　　うちには　　　　見えたかぁ・・　

霊感の鋭い人とか　特殊能力のある人とか　
純粋な人間には見えるらしい　「　何か　」　が・・　

半泣き　　だ　　可愛い　　　　大丈夫　そのうち慣れるから　
と次の瞬間　　　「　あ！！！　　今日　豆まきだ　！　」
おいおい　アレはいいのか　　　　あの・・　なんか解んないヤツ　・・
　「　あのねー　ひよちゃんねー　今日　保育園で豆まくの　」
　「　そーだねー　鬼はー外！　ってやるんだよね　」
　「　でもねー　ひよちゃん　鬼さんにお豆ぶつけられないの　」
　「　なんで？　」
　「　可愛そうだもん　」　　　　あら　良い子
　「　じゃーさー　そーっと優しくぶつければ？　」
　「　でもさー　先生が力いっぱいやりなさいって言うの　　怒られちゃう　」
また涙　　・・　　　　　んん・・　　なるほど　・・
　「　そしたらさ　思いっきり壁とか床とかに投げて　鬼さんに当たらないようにすれば？」
　「　きっと上手に出来ないよ　・・　」
　「　大丈夫　演技力だ！　頑張れ　！　」
　「　・・・　　うん！　頑張る　」
その日の夜　
　「　ひよちゃん　豆まきしてきた？　」
　「　うん　したよー！　」
　「　上手に出来た？　」
　「　ひよちゃんねー　壁とか床とかに思いっきりお豆投げた！　鬼さんには当たらなかったよ　」
　「　やったじゃん　！　」

　「　おばーちゃん　なんで鬼は外って言うの？　」
え？　　・・　(　・・・　災害や病気を追い払う　とか色々あるけど　それを鬼に例えて　・・・　いやいや・・　)　　　
　「　鬼さん　何も悪くないのに　可愛そうだよね　」
う　・・　言えない　・・　　　　　そんな事言うアンタには
アレが見えるような　アンタには　・・

　　　

「　鬼はねー　良い鬼もいるけど・・　　」　言いかけて止めたわ