娘の合宿免許ですが、 一週間で仮免取った って話しましたでしょ?
そして入校からきっかり 2週間目の朝、
「 今から卒業検定 気を送ってね 」 なんてかわいいメール
昼過ぎには 「 受かったよ 」 と電話
げろ喜びの娘の声
その日の夕方帰ってきた
いよいよ翌日は二俣に学科の試験、
運が良ければめでたく免許取得と相成る訳で・・・
合宿初日に
「 お母さんを尊敬するわ 」と電話があって、
「なんでよ」と聞くと
「 車動かすって メッチャ難しいじゃん 」
「だろー・・ そーなんだよ そう簡単に・・・」
そんな私の優越感はどこへやら
恐ろしく順調に 一発で受かってきやがった
まるで 黄門様の印籠 のごとく
ホカホカ湯気の出てるような ぴかぴかの免許証 をかざし
「ふっふっふ・・」勝ち誇ったような笑み
「なんだよ、 二週間前はエンジンもかけられなかったくせに 」
でも驚くべきはその日から始まった
その ぴかぴか印籠 を片手に
「 キー借りるね 」と出て行った
初日だぞ
最初は 私が一緒に乗って練習する って言う約束は
店を開ける時間と重なり、私も乗ることは出来ない
この時間から出かけるとは・・
確信犯だ・・・
そして4時間
「 おーい どこまで走ってっちゃったんだぁ~ 」
心配でメールをしてみると
「 平気 ちゃんと 2時間おきに休憩取ってるから 」
そんな返事かよ
あれから毎日彼女のドライブは続く
バイト先 へも 学校 へも・・
そして 4時間帰ってこない
さっき回覧板を置きにお隣に行った時、気付いた
いや傷付いたアナタ を確認した
怪我一つさせず、大事に育てて・・もとい
大切に乗ってきたアナタ・・ トマちゃん
体の各所に 擦り傷 や 切り傷 が・・・
確かに聞いてたさ
「 ちょっとこすった 」とか「 軽く乗り上げた 」とか・・
もういい
相手が 人 や 車 や 誰かの所有物 じゃなきゃ
彼女は 今 ふわふわのムートン や ハイビスカスの下がり物 より
乗ることに命を燃やしている