春の花を待って

お久しぶりです　　あんこです

あの日からひと月と少し　・・・
私にとっては人生で　途方もなく長い一か月でした
たったひと月なのに　半年にも　一年にも感じられ　・・

「　家族葬にすると大変よ　その後何か月もお悔やみのお客様が次々に見えられて　
そのたび家にいなくちゃいけないし　・・　」　そんな話を聞いてました
「　葬儀はせずともお別れ会とかすれば一回で済むのよ　」
そうとも・・・

皆様にお知らせしてからの十日間　毎日たくさんの方に店に来て頂き　
安倍さんと　カフェ・テンと言う店と　料理の話で思い出に浸り　・・
あの時間は　彼が一番喜んでいたひと時だったと思います

「　元気でね　またどこかで会えるから　」
そう言って　お一人お一人に感謝を込めて　最後のお礼の言葉で締めくくれたのも　
彼が一番望んでいた終わり方だったと思いますし　そうしなければ叱られてしまった事でしょう


それからの３週間は　それこそたくさんの方々に助けられました

カウンターを壊し　床板を剥がし　　大型の厨房機材を運び出し　
不用品の撤去をし　大量に出た廃棄物を何度も久野の処分場まで車で往復してもらい　・・

そこでも引き取ってもらえない特殊な不燃物を　
「　うちで何とかするから　」と持ち帰ってくれて　・・

住まいである二階の大量の家具を狭い階段から下ろし　
私の引っ越しまで手伝っていただきました

本当に私一人では途方に暮れるほどの大掛りな片付けを　
たくさんの皆さんのご協力により　すべて終了しました
ただただ感謝です　　本当に本当にありがとうございました

この後各種手続きや　確定申告も控えています　（笑）
それがすべて終わったら　やっと落ち着いて安倍さんとお話をしようと思います

皆様への心からの感謝の気持ちをお伝えしたく　こちらをお借りしてお礼を申し上げます
本当にありがとうございました


これからは私がじっくり浸ります

ブログやフェイスブックでは　楽しかった思い出話だけにします
冬眠も考えましたが　意外と忙しくて春になりそうなので　このまま起き続ける事にしました

新しく住むアパートのすぐそばには田んぼがあって　
あぜ道にはそろそろ小さな花たちが咲き始めるでしょう
安倍さんが大好きだった野の花を眺めながら　ぽかぽかの日差しの中お散歩をします
　

山を歩くことが趣味で　高原植物が好きで　嫌がる私を何度も誘って来た　

以前は一人で野花を愛でながら　近所を３時間も散歩してた
それ　散歩じゃないから　（笑）

最後の二年ほどは近くのパン屋さんへも歩けず　
「　暖かくなったら散歩しよう　この辺ぐるっと廻るだけでいいから　
５分でいいから　　私も付き合うから　」
　
外に出るのが苦手な私にここまで言わせても　「そーだなー　」　の返事は
座椅子にもたれかかったままだった

今度は私が連れ出すわ　　　　ええ　行くわよ　


改めまして　・・・

めちゃ大変な重労働を　何日もかけてお手伝い頂きました方々
「　なんでも言ってね　」　と優しい言葉をかけて下さった皆さん
「　最後のテンに会いに来た　」　と　店を眺め　写真に収めてくれたお客様たち
片付けをしていると　偶然通りがかった近所に住む方が私を見つけ
　「　寂しいよ　」　って泣いて下さった
そして　
「　ご飯食べるんだよ　ちゃんと休んでね　」　って心配してくれたお友達

たくさんのすべての方に　・・・
長い間　ご愛顧頂きまして　本当にありがとうございました

ジャズレストラン　カフェ・テン　　　
これにて閉店です
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　店主　　　　安倍　皋
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あんこ