中学の時、電車の中で友人とおしゃべりしてた
その友達が降りた後、ちょっと離れた所から近付いてくる人影が・・・
「 やっぱりあんただと思ったさ
」それはハトコのおねーサン
「 なんで判ったん
」「 そんな薬師丸ヒロコみたいな声、アンタしかおらん
」・・・と標準語で言われた。
要するに 「 ヤクシマルヒロコのような声 」 やったんや、私
その後、高校で一度軽く変声期。そして
軽くヤクシマルからの脱出
でもハスキーちゃんには程遠く、
大人になってジャズを歌い始めてコンプレックスはこの声だった。
ああ、そうさ
かっこいいハスキーヴォイスに憧れたさ
「ハスキーだけで、＋３０点ジャズっぽく聴こえる
」なんて勝手に思い込んでたさ。
そこか・・・
酒
も煙草
も頑張ろう
カラオケ
で死ぬまで歌いまくろうそれでもダメならタバスコ飲んで・・・
そこまで真剣に考えた
って、やっぱそこか・・・
なのに、無理して声を出せば出すほどドンドン声が出るようになる・・・
やり方が間違ったか
ジャズを歌い始めて数年後、驚異的に低音域が広がった。
ヤクシマルのまま
もう無理だぁ・・・
あきらめていたら去年の冬、沖縄八重山の民謡を歌うハメ（？）に・・・
ダンナと二人、芝居の大道具作らにゃならん時があって、
「こりゃいいチャンス
」とばかり、開かずのドアや壁に、ペンキぬりぬりしながら
五時間ほどその歌の練習しまくった
田舎の倉庫。
ダンナしかいないもんだからこれ幸いと大声で。
「そこまで地声じゃ出なかんべ
」っつー高音まで頑張った。
歌の出来ばえはこっちにおいといて、おかげでナントカ録音終了。
そしたら・・
かれた・・・
・・・声が・・・かれた
夢にまで見たハスキーちゃん
今ジャズを歌ったら、絶対＋３０点じゃん
しゃべりも歌も、高音はほとんど出なくなった
腹式で話さないと声が出ない
か細く高い声は出ないから鼻歌も歌えない
でもいい
夢のハスキーだもん
ラジオのパーソナリティしてた最後の半年、
「あなたがあんこさんですか、あのハスキーヴォイスの」
と言われ、ゲロ喜んだ
ダンナのお母さんからは、「あら、風邪？
」と心配され 実家の母親に電話しても「誰だか判らなかった
」と冷たく言われ、「ポリープじゃないの？一度検査してみたら？
」と友達に真剣に言われた。ところが・・・
憧れのハスキーちゃんはたった一年半。
このたびなぜか声が戻った
ヤクシマルからは遠ざかったけど、ハスキージャズはやはり夢に終わった
腹から出さんでも声が出る
高音で鼻歌も歌える
悔しいから今度カラオケで
「ヤクシマル」歌っちゃる
人生タイミングよね