虫歯の痛みを何日間も我慢して
「もう限界
」って歯医者に行く
・・・と、必ず言われるこの言葉・・・
「何でこんなになるまでほっといたんですか」
待合室で順番を待つ、緊張感溢れる患者さん達
。薬の独特なにおい
。そしてあのキュイーーーーーーン・・・
そりゃ、歯医者が恐いから
です。薬で治せるなら・・・
と思ったからです。 うちの 『 演劇集団らせん 』 の
第一回目の公演 『 47丁目の紅い花 』 のキャスティングのあと、
私はメンバーにこう言った。
「虫歯のある人は本番までに治すこと」
本番当日に、ベストのコンディション
で臨んで欲しかったからさ。たとえば本番直前に
「風邪を引かないように
」とか、「酔ってコケて怪我しないように
」とかって、まあこの辺は誰でも考えるもんだけど、
虫歯は意外と忘れがち
前々から痛みが続いてりゃ
「こりゃ舞台で集中できないかも」とか思ってくれるだろうけど、
本番当日、
突然痛み出してみな
大変な事だぞ
それでなくても
『生まれて初めて人前で演技する』なんて言う、
とんでもないことをやらなきゃならない
『特別で大変な日』に・・・。
集中出来ないどころか、まともにセリフしゃべれないかも・・・
右半分、人相が変わるほど腫れ上がっちゃうかも・・・
痛くてのた打ち回るかも・・・
こりゃ芝居どころじゃありませぬぞ～
・・・と、脅かしてみた。
そしたらうちの従順なメンバーの何人かは、
言いつけ通り、さっそく歯医者通いを始めた。
なんて素直な君達だろう・・・
8020運動ってあるじゃない？
『80歳までに20本、自分の歯を残せるようにしましょう
』って言うアレです。
いくら高齢者社会と言うこの世の中でも、
80歳で20本も自分の歯が残っている人なんて、何人いるんだろうねぇ・・・
私が昔、歯医者さんにお勤めしてた時の事。
その歯医者さんのスタッフは、虫歯
があったらタダ
で治してくれるって言うんで、「ラッキー
」とお願いした時の事。 その先生が、私の口の中を覗きながら
「あれ
」といいながらブツブツ・・・嫌な予感・・・
私 「へんへい、はには（先生、何か）？」
先生 「いや、昔、歯を抜いた事ある？」
私 「はいはへん（ありません）」
先生 「そう」
私 「はんへふか（何ですか）？」
先生「うーん、歯がね・・・少ないんだよ・・・4本」
私 「ひょんほん（4本）！？」
そりゃ、ビックリしましたわ
普通、人間の大人の歯（永久歯）は、28本。
歯医者さんは、真中の一番大きい前歯から外に向かって、
１２３４・・・って呼ぶのね。
右上3番だと、上顎右側の糸切り歯と言われる犬歯、
左下7番だと、下顎左側、一番奥の歯の事です。
そして私はすべての5番の歯がない
生えてこなかったらしい
先生は、「噛み合わせなどに問題がなければこのままで良い」とは言われ一安心
ほんのたまにいるらしい。一本や二本出ない人は。
4本は結構珍しいって言われた。
私はそれほど顎が大きくないので、この24本が口の中でまっすぐおさまっている。
みんなと同じ28本あったら、どんな歯並びになっちゃってたんだろう。
ソッチの方にゾッとした
そして先生は、治療しながらこんな話をしてくれました。
大昔の人は三十数本の歯を持っていて、大きな口で硬い物をバリバリ食べていた。
時代が進むにつれ硬い物を食べなくなり、顎は小さくなり、
必要な歯だけが残って今の28本になった。
だから歯が、24本しかない私は、
最も、現代人で文明人なのだと
エヘン
へぇ～
ちょっと喜ぶ
そこで8020です。
もともと24本しか生えてこなかった私には、
とっても不利な話じゃありませんか
あれ
なんか損した気分・・・
まあ、そんな話を聞きながら治療をしていた先生の手が止まり、
突然ゲラゲラ笑い出した。
先生 「あなた、親知らずあるんですね」
私 「はい」
私は左右の下に、一本づつ親知らずが生えている。
いわゆる8番って奴だ。
先生 「親知らずは原始人の名残りですよ」
私 「へ
」親知らずは原始人
歯が少ないのは文明人・・・。
私はいったい・・
とりあえず、8020に 二本だけ損してるワタシ
なのです。