Andyの日記

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白鵬二度目の優勝

2007-03-28 14:00:42 | スポーツ
白鵬、優勝おめでとう!彼の実力を考えると、遅すぎるくらいの二度目の優勝だ。
日本の相撲界やマスコミは、横綱や大関がこのような変化、はたき、けたぐり
などの技を使うと、やれ「品格にかける」だの何だのというが、そんなにとやかく
言うんだったら、最初から禁じ手にすればいい。少なくとも、立会いの瞬間では
使っちゃだめ、とかいうふうにすればいい。私はそんなことよりむしろ、横綱や
大関に張り手を見舞う、最近の若い力士についてはなぜ非難しないのか、と思う。
あっちのほうが、番付うんぬん以前に、人として無礼じゃないかと思うのだが。
自分より地位の高い人の顔を叩くなど、ボクシングなどの格闘技を除けば
やるべきではないのでは?ていうか、できないでしょ、普通。あっちのほうが
「なに考えてんだ」という非難の声があがって当然じゃないのだろうか。

横綱・大関が番付の下の力士に胸を貸すような正々堂々とした相撲というのは、
今となっては古きよき時代の「出来事」だったと認識を改めたほうがいい。
今の相撲は、大鵬・柏戸や輪島・北ノ湖の時代とは違う、国際化社会なのだから。
それに言いたくないが、昔は今よりはるかに八百長が多かったのだと思う。
だからこそ、横綱・大関が姑息な手を使わずに相手をしたんじゃないのか。
逆に言うと、立会いの変化やけたぐりまで使う朝青龍の相撲を見ていると、いかに
今の相撲が八百長なしの真剣勝負の連続なのか、ということがわかる。

白鵬や朝青龍がこのような技を使うと、やっぱり外国人はだめだ、とかいう声が
聞こえてくるが、もともと相撲が日本の若者にとって魅力的な存在であり続けて
いれば、わざわざ外国にスカウトになんか行かなくてもよかったはず。野球や柔道、
その他のスポーツに流れていく、高い素質を持った若者がこぞって相撲界に入って
くる買い手市場であれば、外国に有望な若者を探しに行くようなことまでする
必要はなかったのだ。彼らはそういう意味で、日本のさびれた相撲界の犠牲者と
言っても過言ではないと思う。

その犠牲者であるはずの彼らは、言葉も習慣も違う国につれてこられて、やれ
言葉遣いがなってないだの、態度がどうのと文句を言われ、取り口にまで難癖
つけられて、いい気分などしないはずだ。彼らを見ていると可哀相になってくる。
相撲取りの稼ぎなんてたかが知れているんだから、金欲しさだけで頑張っている
わけでもないだろう。彼らなりに相撲を理解し、尊重し、楽しんでいるのだから、
もう少し優しい目で見てあげられないのか。実際横綱だって、年収にしたら
せいぜい2千万円くらいだぞ。あそこが痛いだの、ここが痒いだの言って休んで
ばかりいる野球選手が年に何億ももらっているようなのとはぜんぜん違う。
文字通り体を張って戦っている相撲取りの年収は、驚くほど少ない。

いや、そういう事情を鑑みなくても、朝青龍や白鵬の変化が非難される理由は
ないと思う。スポーツは勝ってなんぼ、いくら正々堂々としていても、成績が
よくなければ評価にはつながらない。冒頭にも書いたが、禁じ手を使ったわけ
でもない選手を責めていい理由などない。もっと言えば、横綱・大関が常に
不利な条件で戦わなければならない理由などもない。せっかく努力して番付を
あげたのに、あがったらあがったで今度は負けやすい条件で地位を維持しなければ
いけないなんて、不条理きわまりない。「それが相撲の世界だ」などというのは、
ロマンチシズムに酔った素人だ。強いから番付が上なんだ、くやしかったら
俺に勝ってみろ、くらいの気持ちのないやつが上にあがれる世界じゃない。
そういう世界の人間に、あの手は使うな、この手は遠慮しろ、などと言ったって
無意味。勝つことだけに飢えている人間だけで形成されているのが相撲の世界。
実際、親方衆もそれがわかっているから、あえて禁じ手にはしていないの
だろう。