Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

音の違い

2006-07-21 12:54:11 | 音楽・楽器
最近忙しくいうえに、あまり日記に書きたいこともないので、
巨大掲示板など見ていて気が付いたことなどを少々。

エレキギターについて、ときどきネット上で激論が交わされること、それは

「高いエレキギターほどいい音がするのか」

ということ。結論から言うと、そのとおり、としか言いようがない。
「好きな音」と「いい音」は必ずしもイコールではないが、同時に
安いギターと高いギターを引き比べてみれば、その違いは明らかだ。
私は幸運にも、その機会に恵まれたことがあるので、それはよくわかる。
明らかに、まったく違うのだ。

数年前、突然レスポール・カスタムが欲しくなってしまったことが
あり、楽器屋さんに行って試奏させてもらうことにした。とはいえ、
遊びで弾くだけなのだから、安いのでいいと思って、オービル(時代が
バレる)のレスポール・カスタムを試奏させてもらった。おぉ、
これは以前所有していたバーニーのレスポールとほぼ同じ音だ、と
感じると同時に、やはり安いギターはこんなものか(とはいえ、当時で
7~8万円したもの)、という落胆の思いを禁じえなかった。

私のその気持ちが通じたのか、店員さんは「少々お待ちください」と
言って、ショーケースの中に飾ってあったギブソンのヒストリック・
コレクションのレスポールカスタムを出してきた。P-90 ピックアップの
付いたタイプと、ハムバッカーのついたタイプと、2つも出してくれた
のだった。ちなみに、どちらも50万円くらいする・・・・・。

チューニングが終わって手渡されたそのブラックビューティーを弾いた
瞬間、大げさでなく鳥肌が立った。「こんなにいい音のギターが、
この世に存在するのか・・・・・」正直、高いギターなんていうのは
ただ値段が高いだけで、音なんてそれほど違うはずがない、と根拠の
ない思い込みをしていただけに、これほどまでに違うということを
現実に体験して、かなりショックを受けました。

ブラックビューティーの音には芯があり、メリハリがあり、艶があり、
もうオービルの音とは何もかも比べ物にならないほどの差があった。
同じアンプ、同じセッティングで弾いているからこそ、その違いには
言い訳がきかない。「これは高いはずだわ・・・」言葉を失って
しまう自分がいました。これが10wくらいのコンパクトアンプで
弾いたら、ここまでの差は感じなかったかもしれませんが、ある程度の
ハイクオリティーアンプで弾いたら、その差は歴然。

P-90 とハムバッカーの音ですが、個人的にはシングルコイルフェチな
私としては、やはり P-90 のほうが好みでしたが、しかしハムバッカーの
ほうも捨てがたい魅力がありました。ジョン・サイクスのような
ずっしり、ドンシャリの音を出したい人だったら、ぜったいこっち
でしょう。ちなみに、これでホワイトスネイクの「Crying in the rain」の
リフを弾いたら、やはりバッチリ決まりました。でも、バンデンバーグの
「Friday Night」を弾いたら、あまりに音が重すぎて似合いませんでしたね。
曲を選ぶと思います。逆に P-90 のほうは、オールマイティーにいいです。
ハムバッカーほど音が太くないですが、そのぶんボディーの音がずっしり
しているので、軽い曲にも重い曲にも対応できそうでした。

最近ネットの世界では、「安いギターでもいい音はする」という論調が
増えてきています。確かにいい音の安いギターも、徐々に増えてきています。
私が先日買ったセミアコも、ひと昔前なら考えられないほど高い
クオリティーで作られています。ただし、それではあのブラックビューティーを
超えるほどいい音かといえば、それは話が別です。私は今のセミアコの
音の軽さが大好きで気に入っていますが、やはり一般的に言えばあの
ギターのほうが音の質では勝っているでしょう。

ネットで散見される「安いギターでもいい」という意見を安易に
鵜呑みにしないで、勇気を持って高いギターを試奏させてもらうことを
初心者の人には言いたい。私が買ったセミアコだって、安いとはいえ
それほど安物ではありません。やはり、あのブラックビューティーに
出会ったおかげで、いい音のギターを弾くことの悦びを知ってしまった
ので、体(というか耳)がそういうギターを求めているのです。
世の中には、いいギターというものが確実に存在する、ということを
耳で感じてほしい。絶対に違う世界が見えてくるので。