ログビルダー日記

徳島のログハウス情報

最終ラウンド

2006年10月10日 | ミニログハウス
 さて、最終ラウンド。今回は8ラウンド。基本的に普通の住宅なら、平均末口経口28㎝くらいの丸太で、10ラウンドか11ラウンドまでいく。

 8ラウンド後半は、桁(けた)になるわけだが、桁には垂木がかかるので勾配のカットが必要になってくる。勾配面は少なくとも100mmくらいはほしいので、高さを調整する意味も込めて太目の材料を残しておいたほうが良い。
 また、8ラウンド前半は、妻壁が来るのできっちりレベルを出して面取りをする。この面の外側は、水切りの勾配カット入れておくと雨じまいが格段に良くなる。当然、小屋組みが乗ってくるので、芯墨はしっかり直角を出しなおしておいた方が良い。

 残すは棟木と棟束のみ。あと少しで刻み完了である。

 完成したミニログハウス。キットで販売予定。3坪ハウスだから確認申請も必要なし。子供部屋に、雑談室に、男の隠れ家にピッタシ。
 詳細はお問い合わせ下さい。
 

7ラウンド

2006年10月05日 | ミニログハウス
 ミニログハウスも佳境に入る。
7ラウンドで開口部分の上部が来る。手間はかかるが、一度全て刻んでセットして、それから開口部の上端の加工したほうが狂いが出にくい。ここで、ショートピースのログの芯通りが出てないと苦労する事に・・・。開口部の4,5,6ラウンドは最終段までいってからカットすることにする。
 
 開口部の上端の高さだが、ログハウスにはセトリングという厄介な特性がある。丸太は乾燥することにより痩せてくる。丸太を横積みで使うため家自体の高さが下がってくるのである。で、どれくらい下がるのか・・・。丸太の含水率によっても違うので一概には言えないが、多い時は高さの6%ほど下がるといわれている。つまり、3mの壁で18㎝。かなり下がる。
 そこで、問題になるのが建具の取り合い。建具を縮むようにするのは無理だから、ログ本体に建具を固定せず、スライドしながら建具の横をログが滑って下がっていくようにしなければならない。また、建具の上部には、上部丸太が下がってきても、建具自体に干渉しないように、クリアランスを取っておく必要がある。このクリアランスをセトリングスペースという。
 今回は、丸太をずいぶん寝かせていたので、セトリングを4%程でみた。建具の高さが1100㎜なので、セトリングスペースは44㎜ということになる。
 セトリングスペースは上部丸太に固定した幕板で隠しておかねばならない。この幕板をセトリングボードという。
 セトリングスペースは、実際丸太が落ちてくる巾のほかに、セトリングボードを支える桟木を打つスペースも考慮に入れる。で、今回の桟木は30㎜。よって、開口部の高さは1174mmに決定した。

 

5ラウンド

2006年10月04日 | ミニログハウス
 ミニログハウスも5ラウンドにかかる。ここまで積むと、少しログハウスらしくなってくる。
 今回は8ラウンドなので、この辺で高さの調整をし始める。今の段階で高低差±20㎜。まずまず。
 開口部があるので、建具の入るところの木口の芯墨が、きちんと垂直になっているか注意が必要。

 使用脚立も少し高くなり、上り下りがしんどくなってきた。ダイエットにはいいかも・・・。

4ラウンド

2006年09月27日 | ミニログハウス
さて、ミニログハウス。4ラウンド。3ラウンドで建具の開口部の下部を仕上げたので、4ラウンドからは開口部を空けて積んでゆく。こうすれば、短い丸太も使えて経済的。ちなみに、杉丸太の買い付け単位は㎥。長くなればなるほど㎥単価が高くなってゆく。だから、ログハウス用の丸太を安く揃えたい時は、短い丸太をうまく使えるような買い方をすればよい。基本的には、丸太は3mか4mが定尺とされ、価格も安い。
 今回は、開口部は1470㎜空けた。建具のサイズはW1370㎜。枠が左右40㎜づつきて、余裕をそれぞれ10㎜づつとる。木製サッシとアルミサッシとは、クリアランスの取り方が違うので注意が必要。
 開口部を空ける際には、開口部左右のログの通りがしっかり出るように積んでゆく事が大切。通りがでてないと、開口上端をのせる時に芯が合わなくなってしまう。

3ラウンド

2006年09月24日 | ミニログハウス
 3ラウンド。今回作っているログハウスは3m×3mの9㎡。10㎡以下の家は建築確認が要らないので、面倒な手続きをしなくても建てる事が出来る。9㎡といえばちょうど6畳弱といったところ。ちょっとした子供部屋か隠れ家って感じ。

 この時点で3段組んだ。ログハウスの段数は「ラウンド」で数える。今回は8ラウンドまで組む予定。高さでいえば2.3m位。(丸太がそれぞれ個性があるので、ログハウスの高さは、断定できない)

 この3段目で開口部、つまり窓枠の加工を始めなければならない。ログハウスは、この建具用の開口部がかなり厄介。丸太は乾燥して痩せるので、ログ壁の高さは下がってくる。建具はもちろん縮んだりしない。だから、ログと建具は釘やビスで固定しまう事が出来ない。
 その対策として、ログ壁と建具がスライドしつつ、釘等を使わないで固定する方法が必要になってくる。今のところ、ログ壁に縦に切り込みを入れ、そこにガイドとなる板材を差込み、その板材に建具をつける方法が最もポピュラー。
 と、文章で書いてもなかなかわかりづらい。高さが変わる建物なんて・・・と大工さんにも理解してもらえない事が、よくあるほど。この説明ばかりは、実物みながらでないと、難しいかも・・・。
 

ノッチ

2006年09月24日 | ミニログハウス
 ちょっと空いてしまったけど、ログスクールの続き。1ラウンドでも出た、ノッチについて。
 ノッチとは丸太同士が組み合わさる交点の事。ちなみに平行に走る丸太が重なるところをグルーブという。ログハウスはこのノッチを重ねていって立ち上げてゆく。耐震性もこのカットでずいぶん変わってくるし、何よりうまくカットが出来てないと、雨漏りの原因にもなる重要なポイント。スクライブはとにかくレベルに集中してゆっくりと。カットはオーバーカットをしないように慎重に。

ノッチ

2006年09月23日 | ミニログハウス
黒いラインがスクライバーで写し取った、下の丸太のスクライブライン。
赤いラインがチェーンソーを、入れてゆくライン。4分割してカットする。
ノッチの内部が、下の丸太に当たらないようにする為、手のひらの厚み分くらい、空けておく必要があるので、4分割してカットする。最初はスクライブラインから5mmから1㎝程空けてカットしたほうが良い。後はチェーンソーで均し、ノミで仕上げる。くれぐれもラインをオーバーしてカットしないこと。

シルログ

2006年09月17日 | ミニログハウス
 仮基礎に、建物の芯墨を入れる。この際、ログが乗ると墨が見えなくなってしまうので、仮基礎の横に少しだけ墨を落しておくと、シルログが乗せやすい。
 さて、シルログ。シルログとは一番下のラウンドのこと。基本的には、切妻の場合、妻壁方向を1/2ログにし、桁方向を3/4ログにする。そうすれば同ラウンドで、フィニッシュする事が出来る。シルログは、予定の長さより少しだけ長くしておいた方が後々の作業がしやすい。
 1/2シルログがセットできれば、3/4ログに。ここで初めて、下の丸太の形状を上の丸太に写しとって、下の丸太にばっちり合うようにカットする、ログハウス造りのメインワークが登場する。使う道具はスクライバー。大きなコンパスにレベルが付いているのだが、僕たちが使っているスクライバーは、別名マッキースクライバー。カナダの「ログハウスの神様」と呼ばれるアラン・B・マッキー氏が開発したもの。この道具の開発によって、ログビルディングの技術は、画期的に発展したらしい。僕も最初のログワークは、マッキー先生に教えてもらったが、印象は気のいいおじいちゃん。けど、アックス(斧)を持たせたらあれよあれよ言う間に、ログを刻んでゆく。ちょっとだけ後光が見えた。
 
 丸太は、末と元(木の上の部分と下の部分)では太さが違うから、意図的に高さをそろえてゆく必要がある。ちょっとしたコツも必要だが、元末交互に重ねてゆくから、基本は偶数段で平行になる事。まず、ファーストノッチ(ノッチとは交点のカットの事)と呼ばれるラフカットで、まず高さをそろえ、今回は2交点なので、上下のの丸太間の高さが両交点でそろったら、フィニッシュスクライブをする。僕はここで、3/4シルログの下の面取りの墨付けをする。で、フィニッシュカットに移るわけだが、その前にスカーフの墨付け。スカーフとは、ノッチにかかる部分の丸太の両斜め側を平らにすること。ここを平らにしておけば、木が痩せた時も隙間が開きにくい。ノッチの頂上の肩からスカーフの下端を5mm程落しておく。サドルノッチの場合はこうしておくと良い。
 カット。カットは慎重に安全に。仕上げはノミで仕上げるときれいに出来る。
1/2シルログも同じだが、下の面取りをした時点で、芯墨を打ち、交点のマークして垂線を引いておく。同様に交点のマークから30cmほどオフセットした墨を入れておくと、これも後々便利。建具を入れる開口部があるなら、それもマークして芯墨から垂線を引いておく。
3/4シルログを1/2シルログの上に乗せて、ノッチに隙間がなく、下の面がそろっていればOK。