ログビルダー日記

徳島のログハウス情報

4ラウンド

2006年09月27日 | ミニログハウス
さて、ミニログハウス。4ラウンド。3ラウンドで建具の開口部の下部を仕上げたので、4ラウンドからは開口部を空けて積んでゆく。こうすれば、短い丸太も使えて経済的。ちなみに、杉丸太の買い付け単位は㎥。長くなればなるほど㎥単価が高くなってゆく。だから、ログハウス用の丸太を安く揃えたい時は、短い丸太をうまく使えるような買い方をすればよい。基本的には、丸太は3mか4mが定尺とされ、価格も安い。
 今回は、開口部は1470㎜空けた。建具のサイズはW1370㎜。枠が左右40㎜づつきて、余裕をそれぞれ10㎜づつとる。木製サッシとアルミサッシとは、クリアランスの取り方が違うので注意が必要。
 開口部を空ける際には、開口部左右のログの通りがしっかり出るように積んでゆく事が大切。通りがでてないと、開口上端をのせる時に芯が合わなくなってしまう。

ログハウスのありかた

2006年09月25日 | ANA-LOG ログハウス
 ログハウスの作り方を文章で書いていると、どうしても専門的な説明に偏っていってしまう。いろんな人が見てくれているわけだから、もっと皆にわかりやすく書こうと思ったりもするのだが、ノッチだグルーブだの言ってると、いかんせんプロの血が騒ぎ出し、現物を見ないとわからない事まで書いてしまう。
 
 ログハウス業界の歴史は浅く、日本にログメーカーというものが出現しだしてまだ20数年。それまでは、日本ではログハウスは自分の力で作るものだった。でもそれは、今に至ってもログハウスの根本にあるものだと思う。だから、ログメーカーである僕たちは、ログハウスを自分で作る時間がない人の為のかわりに、夢の実現のお手伝いをさせてもらってるのだという事を忘れてはならない。作ったものを売るのではなく、一緒に作ってゆく。オーナーとログビルダーの共同作業であって初めて、ログハウスの真の価値が存在するのだ。
 だから、共同作業をするにあたって、オーナー候補の方に是非、概略でもいいからログハウスのいろはを知ってもらいたい。そんな、こんなでログハウスの作り方を解説している。文章のつたなさで逆効果にならなければ良いが・・・

 あまり硬い話ばかりしていても面白くないので、ログスクールの合間合間に雑談めいたものも、入れていこうと思う今日この頃・・・。

3ラウンド

2006年09月24日 | ミニログハウス
 3ラウンド。今回作っているログハウスは3m×3mの9㎡。10㎡以下の家は建築確認が要らないので、面倒な手続きをしなくても建てる事が出来る。9㎡といえばちょうど6畳弱といったところ。ちょっとした子供部屋か隠れ家って感じ。

 この時点で3段組んだ。ログハウスの段数は「ラウンド」で数える。今回は8ラウンドまで組む予定。高さでいえば2.3m位。(丸太がそれぞれ個性があるので、ログハウスの高さは、断定できない)

 この3段目で開口部、つまり窓枠の加工を始めなければならない。ログハウスは、この建具用の開口部がかなり厄介。丸太は乾燥して痩せるので、ログ壁の高さは下がってくる。建具はもちろん縮んだりしない。だから、ログと建具は釘やビスで固定しまう事が出来ない。
 その対策として、ログ壁と建具がスライドしつつ、釘等を使わないで固定する方法が必要になってくる。今のところ、ログ壁に縦に切り込みを入れ、そこにガイドとなる板材を差込み、その板材に建具をつける方法が最もポピュラー。
 と、文章で書いてもなかなかわかりづらい。高さが変わる建物なんて・・・と大工さんにも理解してもらえない事が、よくあるほど。この説明ばかりは、実物みながらでないと、難しいかも・・・。
 

ノッチ

2006年09月24日 | ミニログハウス
 ちょっと空いてしまったけど、ログスクールの続き。1ラウンドでも出た、ノッチについて。
 ノッチとは丸太同士が組み合わさる交点の事。ちなみに平行に走る丸太が重なるところをグルーブという。ログハウスはこのノッチを重ねていって立ち上げてゆく。耐震性もこのカットでずいぶん変わってくるし、何よりうまくカットが出来てないと、雨漏りの原因にもなる重要なポイント。スクライブはとにかくレベルに集中してゆっくりと。カットはオーバーカットをしないように慎重に。

ノッチ

2006年09月23日 | ミニログハウス
黒いラインがスクライバーで写し取った、下の丸太のスクライブライン。
赤いラインがチェーンソーを、入れてゆくライン。4分割してカットする。
ノッチの内部が、下の丸太に当たらないようにする為、手のひらの厚み分くらい、空けておく必要があるので、4分割してカットする。最初はスクライブラインから5mmから1㎝程空けてカットしたほうが良い。後はチェーンソーで均し、ノミで仕上げる。くれぐれもラインをオーバーしてカットしないこと。

余談・・・

2006年09月20日 | ANA-LOG ログハウス
 余談・・・。ログビルダーといえばチェーンソー。ログハウスを作る上で、チェーンソーがないと、僕たちログビルダーはジェイソン以上に困る。だから、チェーンソーには、他の道具以上のこだわりがある。
 僕が使っているチェーンソーは、ハスクバーナ254XP。もう10数年使っている。これまでに数台チェーンソーを買ったが、一番使い勝手が良いのが、この一番最初に手にしたやつ。キャブレターを1回、シリンダーを2回交換した。
 ログビルダーが好んで使うチェーンソーのメーカーは、僕が使っているハスクバーナとスチールが圧倒的に多い。排気量は大体50ccくらい。原付バイクのエンジンそのままを振り回しているわけだから、我ながらすごいなあ、とつくづく思う時もある。この2社のチェーンソーは、何よりもタフで高出力。
 2ストロークエンジンなので、構造が簡単。たいがいのメンテは自分で出来る。高校生の時に、友人とバイクのエンジンをバラして遊んでいたことが、こんなところで役に立つ。芸は身を助けるとはよく言ったものだ。

 よく目立てをしたチェーンソーは、硬い木も思い通りに切れて本当に気持ちいい。丸太の刻みが始まり、チェーンソーのスターターレバーを引くときは、いまだにどきどきする。
 そんなチェーンソーも、このところの石油高騰。2ストロークエンジンの環境に与える影響等々で、近い将来使えなくなってしまうかも・・・。高校生の頃のように、今から斧の刃研ぎに練習をしておく必要があるかもしれない。

シルログ

2006年09月17日 | ミニログハウス
 仮基礎に、建物の芯墨を入れる。この際、ログが乗ると墨が見えなくなってしまうので、仮基礎の横に少しだけ墨を落しておくと、シルログが乗せやすい。
 さて、シルログ。シルログとは一番下のラウンドのこと。基本的には、切妻の場合、妻壁方向を1/2ログにし、桁方向を3/4ログにする。そうすれば同ラウンドで、フィニッシュする事が出来る。シルログは、予定の長さより少しだけ長くしておいた方が後々の作業がしやすい。
 1/2シルログがセットできれば、3/4ログに。ここで初めて、下の丸太の形状を上の丸太に写しとって、下の丸太にばっちり合うようにカットする、ログハウス造りのメインワークが登場する。使う道具はスクライバー。大きなコンパスにレベルが付いているのだが、僕たちが使っているスクライバーは、別名マッキースクライバー。カナダの「ログハウスの神様」と呼ばれるアラン・B・マッキー氏が開発したもの。この道具の開発によって、ログビルディングの技術は、画期的に発展したらしい。僕も最初のログワークは、マッキー先生に教えてもらったが、印象は気のいいおじいちゃん。けど、アックス(斧)を持たせたらあれよあれよ言う間に、ログを刻んでゆく。ちょっとだけ後光が見えた。
 
 丸太は、末と元(木の上の部分と下の部分)では太さが違うから、意図的に高さをそろえてゆく必要がある。ちょっとしたコツも必要だが、元末交互に重ねてゆくから、基本は偶数段で平行になる事。まず、ファーストノッチ(ノッチとは交点のカットの事)と呼ばれるラフカットで、まず高さをそろえ、今回は2交点なので、上下のの丸太間の高さが両交点でそろったら、フィニッシュスクライブをする。僕はここで、3/4シルログの下の面取りの墨付けをする。で、フィニッシュカットに移るわけだが、その前にスカーフの墨付け。スカーフとは、ノッチにかかる部分の丸太の両斜め側を平らにすること。ここを平らにしておけば、木が痩せた時も隙間が開きにくい。ノッチの頂上の肩からスカーフの下端を5mm程落しておく。サドルノッチの場合はこうしておくと良い。
 カット。カットは慎重に安全に。仕上げはノミで仕上げるときれいに出来る。
1/2シルログも同じだが、下の面取りをした時点で、芯墨を打ち、交点のマークして垂線を引いておく。同様に交点のマークから30cmほどオフセットした墨を入れておくと、これも後々便利。建具を入れる開口部があるなら、それもマークして芯墨から垂線を引いておく。
3/4シルログを1/2シルログの上に乗せて、ノッチに隙間がなく、下の面がそろっていればOK。