横浜の司法書士安西雅史のブログ

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建物の種類

2008-11-26 | 実務ノート

毎度皆様の実生活では何の役にも立たないようなネタをお送りしておりますが、今日は、建物の表題登記の話~

建物を建てれば、原則、登記申請によりその建物が登記記録に公示されます。
公示される登記の内容には、その建物の「種類」、「構造」、「床面積」等がありますが、登記申請の際に、これらをどのように記載したら良いか迷うことがあります。


~建物の種類~

建物の種類に関しては、不動産登記法規則113条及び準則80条に合計37種類の具体的な例示が挙げられているが、建物の種類は土地の地目と異なり厳格な限定主義を採用していないため、これにより難い場合には,建物の用途により適当に定めるものとされている。
具体例として、「託児所」「ホテル」「銀行」「クラブハウス」等が建物の種類として認められている。
いずれにしても、登記実務では、建物の種類を認定する際には建物の外観や利用状況等に応じて一般社会で使用されている用語により的確かつ合理的に定めることとされている。

~過去に業務で扱った事例~

老人福祉法に基づく老人福祉施設の建物(同法第5条の3)の種類は、通常、「老人ホーム」として登記することが多いが、老人福祉施設であっても老人デイサービスセンターのように老人福祉法第10条の4第1項第2号の措置に係る者等を通わせて処置する施設(対象者が入所することを条件としていない施設)にあっては、その主たる利用目的も異なることから「老人ホーム」とは区別して、認定すべき建物の種類は「デイサービスセンター」とすることが相当であると考えられる。

また、介護保険法の介護老人保健施設は、厚生労働省令の定めるところにより、診療室、診察室等の施設を有していなければならず(同法97条1項)また、厚生労働省令で定める員数の医師、看護師等を設置しなければならない(同2項)とされており、要介護者に対して必要な医療や日常生活上の世話等を行うことを目的とする施設(同法8条第25項)とされている。
このような施設の利用目的から判断した場合、この場合の建物の種類は、「老人ホーム」というよりむしろ病院に類したものであるが医療法にいう病院ではないことから、便宜、「介護老人保健施設」とするのが相当であると考えられる。




参考文献

新版 表示に関する登記の実務第4巻P258~


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