さて、続いていきます。
研修医の給与に関して・・・たまたま研修医の時に再会した他大学の出身の先生が言っていました。
「補助金が出ても、むしろそれは没収されて俺らに来るのは月額20万くらい。バイトができないと生活に困るんだよな・・・」
そんなことを思い出しました。この記事を紹介します。
<厚労省>研修医高給に歯止め 年720万円以上補助金減額
2月17日20時10分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100217-00000100-mai-soci
大学医学部を卒業して2年以内の初期臨床研修医の給与に差がありすぎるとして、厚生労働省は11年度から、年720万円以上の給与を払う研修病院には補助金を減額する方針を固めた。17日開かれた医道審議会部会に諮り、了承された。厚労省は研修医の給与の目安を年360万円としており、医師不足を背景にした過度の厚遇に歯止めをかけることにした。
04年度から制度化された初期臨床研修は、質の向上のため、研修医の他病院などでのアルバイトを禁じる一方、月30万円の収入が保証されるよう設計された。厚労省の09年度調査では、研修病院1072施設の1年目の平均給与は年410万円だったが、700万円以上も26施設あった。最高は1075万円で、最低の204万円と5倍以上の差がある。
このため11年度からは、基本給が目安の2倍を超える病院に対し、研修医1人当たり百数十万円になる補助金を一定額減らすことで、格差の是正を図る。一方で給与が年360万円に満たない病院への対応も今後議論する。厚労省医師臨床研修推進室は「研修医確保の努力は否定しないが、制度の趣旨を逸脱するような高額化は避けたい」としている。
また、今年度の募集から設けられた都道府県別の定員上限について、定員を一気には減らさない激変緩和措置を来年度募集でも続けることも、同部会で了承された。【清水健二】
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http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1218-13b.pdf
また、去年の12月にこの報告がされた時のM3の記事はこんなのがありました。
m3.com091218.pdf
【2007年度研修医給与】
1年次:平均値410万円、中央値390万円、最小値204万円、最大値1075万円
2年次:平均値462万円、中央値420万円、最小値218万円、最大値1373万円
全国の大学病院と臨床研修病院(いずれも基幹型)1072施設への調査で、こんな結果が明らかになりました。調査対象の研修医は、1年次7560人、2年次7637人。これは基本給のほか、当直料などの諸手当も含めた数字で、「1年次と2年次の給与の分布の状況を見ると、諸手当の部分が高いのではないか」(厚生労働省医政局医事課)。
このデータは今日(12月18日)に開催された、厚労省の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会で公表されたものです。配布資料を、当コーナーに添付します。資料の7ページ目に調査結果が掲載されています。
厚労省は、「これまでの議論で、研修医の給与が著しく高いケースがあるのでは、という指摘があったため調査を実施」と経緯を説明。「年収700万円以上の病院が見られるのは、北海道、青森、福島、長野、岐阜、秋田など、地方の県が多いが、東京都内などでも若干ある。ただし、大学病院で700万円以上のケースはなく、すべて臨床研修病院」(厚労省)。
この調査結果については、下記のような意見が出ました。
「研修プログラムや指導医の質が同じであれば、やはり都会に医師は集まる。何とか医師を確保したいという思いから、給与を高く設定しているケースもあり、ある程度の給与差は致し方ないのではないか。ただ、3倍、4倍も開きがあるのは、問題だろう」(冨永芳徳・公立甲賀病院長)
「これは非常に大きな問題。やはりある程度、一定の幅に抑えないとまずいのではないか。ただ、データが足りない。どんな病院が高額の給与を出しているのか、その理由は何かなどが分からないと議論できない」(小川彰・岩手医科大学長)
一方で、問題になったのが「給与の低さ」。座長の相川直樹・慶應義塾大学名誉教授は、「臨床研修制度の開始当初、アルバイトをしなくても成り立つよう、年収360万円程度を保障するのが目標だったのではないか。年収200万円程度というのは、それにまだ到達していないということか。給与の高い方、安い方、両方とも問題」と指摘。
そのほか、「基本的には360万円を保障する必要があるだろうが、逆の見方をすれば、なぜ給与が低くても、研修医はその病院を選ぶのか、という問題もある」(小川秀興・学校法人順天堂理事長)といった意見も出ました。
厚労省によると、「年収300万円以下の病院は、東京都内が多いという印象。こうしたケースの中には、宿舎を用意しているところもある」とのこと。
結局、基本給、諸手当、福利厚生などの内訳を分析するとともに、どんな病院が高額あるいは低額の給与なのかについて、データを厚労省がそろえ、次回の会議(2010年2月3日)で議論を深めることになりました。
・・・・・・(略)
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研修医の給与に関して…360万円が高いか安いか…は別として、1075万円は高すぎるように思います。
もちろん、うちの研修医のように勤務時間が15時間は毎日働いているようなところもあると思います。この給与で・・・・時給は・・・その勤務時間であっても2000円/時間になります。
逆にそれだけの高給を出さないと人が集まらない…という考え方をすると、勤務時間はもっと少ないでしょうから出しすぎのように考えます。
出しすぎに関して気になるのは、教育をするべき医師たちの待遇はいかなるものか…というのが一つ。そして、将来・・・それほどの高給を出された研修医がどこで勤務したいと思うだろうか…というのがもう一つです。
研修医の将来も考えると、適度の給料はよいと思うのですが…出しすぎはその研修医の将来をつぶすような気がします。
逆にこの安すぎる給料(200万くらい)の病院、恐らく私立の大学病院の研修医なんでしょうけど…これは安すぎて本当に問題だと思います。
こういう病院ほど「労働基準」からは外れていそうな印象があります。
実際の労働条件なども含めていろいろ検討するべき課題なのだと思いますが…研修医だけではなく大学病院の医師給与全体を見直したほうがよいのではないかと思います。
安すぎる病院…たぶん、指導医の給与も安いのではないかと思います。その場合、他の病院で勤務して生活費を確保しなくてはなりません。
そうすると指導する医師も不在になることが多いでしょうし、きちんとした研修が可能かといわれると不明…です。
指導医がきちんと「勤務体制」にあった待遇を得ている病院で、研修医もある程度の良い待遇を受けているというのが「教育の観点」からもよいのではないかと思います。
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明日は予約が40名以上…。今週の予約患者さんを全部足すと50名になるという…。
明日も何事もないことを祈っております。
では、また。
さて医師の給料についてですが,確かに大学病院での研修医の給料は安いですよね。10年以上前の話ですが,私の妹も国立の大学病院で研修をしているときは14,5万円でした。ですので住まいは1DKで家賃が5万代でおさえていました。アルバイトも行けないので,生活をきりつめていました。尚食料はもっぱら母が毎月送っていたみたいです。しかし研修が終わり個人のクリニックへ就職した際は研修医時代の3倍ほどの給料をもらっていましたね。今はまた大学に戻っているので,それなりの給料があるようですね。ただし出産後ですので勤務時間を短くしてもらっていて,給料は出産前の7割くらいだそうです。その点同じ年くらいの人は1000万に手が届きそうだと言っていました。
私が勤務していた大学の外科医は1年目アルバイトを禁止されていましたので生活費は家族からの仕送りで補っているドクターがいました。ただ上司の命令でアルバイトに行くと土日の当直なんか一晩で10万ちかくもらうって言われていました。
しかし,こんなに研修医の給料に格差があるとは知りませんでした。1000万円以上というのは凄いですね,本当そんな病院てまともな病院なんでしょうかね。指導医の給料はいったいいくらよって感じですね。それか患者さんが異常に多いとか・・・200万円とは悲しいですよね。生活できるぎりぎりなのか,親の仕送りが必要な人もいるでしょうね。
ちなみに看護師の給料も地域で格差があります。というのも私は都市圏の大学病院で勤務していました。夜勤の回数にもよりますが,20代半ばで年収は500万くらいだったと思います。30歳の時には700万円を超えていました。ボーナスが100万円以上を年2回もらっていました。
しかし,地元へ戻って就職するとびっくりするほど給料が下がりました。都会と田舎の物価がといいますが,そう物価に違いもないはずなのにと思います。患者さんからもらっている医療費も点数が地域によぅって違うはずないし,なぜこうも給料に格差があるのかと疑問ですね。それでも私はまだもらっているほうだと言われます。
あのまま大学病院にいたら今頃1000万円に手が届くところまできていたかもしれないですね。今の大学病院での看護師の給料が分かりませんが,バブルがはじけたあとではありましたが,そんなものでしたね。
先日入院した病院の主治医は手術当日からアルバイトに出かけられ,次お会いしたのは術後3日たってからでした。その間は別の病院へアルバイトだったそうです。やはりそうしないとやっていけないのでしょうね。厳しい現実ですね,しかし,そうも医師が本来いないといけない病院よりアルバイトへ行ってばかりになったら大学病院はどうなるんでしょうね。
研修医制度でしたっけ,大学以外の病院が受け入れるようになりましたよね。私の勤務する附属病院にも大学から来られていますが,大学病院ほど規模は大きくないので,本当に色々な勉強になっているのだろうかと思うことがあります。ましてや研修1年目のドクターを夜間の救急外来に一人で担当させていることがあります。勿論手に負えないときは指導医をコールするようですが・・・
なぜ大学病院は研修医に対して給料を出さないのでしょうね。国家試験も合格して資格もあるのに,何を基準に決めているのでしょう。
ただ大学病院が30万円以上の給料を出した場合,研修医はアルバイトに行かなくなるのでしょうか,ただ研修医でないドクターもかなりアルバイトに行かれていますよね。そうしないと生活ができないことはないのでしょうが,キャリアアップのためなのかですよね。
実は看護師もアルバイトをしている人がいました。特に日勤しかないような場所の看護師です。それも夜勤とかのアルバイトではなく,大体が水商売とかでしたね。勿論大学には内緒ですが・・・
研修医の給料というより,医師の給料はもとより,全体の給料,特に介護職も給料も見直してほしいですよね。ではでは
こんばんは、コメントありがとうございます
医師の給与は基本的には安いと思っています。もちろん、もらっている金額は多いだろう・・・。生活はできるだろう…といわれるとつらいところですが、現実的に働いている時間や「人の命を扱うストレス」なども含めて…安いのではないかと思います。
看護師さんの給与もいろいろ地域差や病院格差があると思います。最近、うちの大学では漸く「夜勤手当」などの超過勤務手当がまともにつくようになったそうで…。
医師にはもちろんそんなものはありませんが…。
医師のアルバイトは「生活面」の問題もあると思いますし「キャリアアップ」もあると思います。
今いる大学病院では…僕は経験は十分に積ませていただいているので不満はないのですが、ここから離れた後はどうなるか…と思っています。
当直を研修医だけでさせるのはなかなか厳しいのではないかと思います。病院によるとは思いますが…問題にならないことだけ祈念しています。
待遇に関しては医師だけでなく、医療従事者全般…医療以外においても改善は必要だと思います。
また、コメントいただければと存じます
記事の中に『高給病院』があるとして取り上げられている県の大学病院にいますが、産婦人科などの特定の科以外は時間外は一切つかず、大学からの年給料は額面で約300万くらいです。
初期研修医よりぶっちぎり下ですが、毎日夜遅くまで残業です(患者さんのため+自分にとっての経験と思って諦めてますが)。
ボーナスなし・退職金なし(1年ごとにクビ・再雇用を繰り返します)・住居手当などはもちろん出ません。たっかい専門書や学会費用もあるので、大学からのお給料だけでは生活できません。
少なくとも私は、そこそこの生活できるのであればバイトには進んでいきたいとは思わないのですが・・・そもそもの大学での身分が、週4日勤務1日休みの非常勤ですので、1日分はバイトに行かないと医局的にもダメなようです。
定員外の人件費を抑えたい大学と、週1でもいいから非常勤がほしい関連病院とが持ちつ持たれつ、という構造なのだと理解しています。
こんばんは、コメントありがとうございます
大学病院で額面300万前後という方を大勢存じております。初期研修医より下で、仕事量も多いというのもよくわかります。責任だって上でしょうし・・・。
ボーナスなし、退職金なし…様々な問題をはらんでいる医局人事。
こういった医療現場のことをもっと多くの人が知ってほしいと思っております。
また、コメントいただければと存じます
こんばんは、コメントありがとうございます
研修医が来ないから1000万円出しています。その通りだと思います。
僕のBlogを読んでいただけるとわかると思うのですが、基本的に大学病院の医局員の待遇改善から教育システムを改善すること。そこから医学教育システムを改善させようという考えです。
ですので、待遇のポイントは指導医にあります
また、コメントいただければと存じます