こんばんは
今日は医務室診療の日でした。インフルエンザが増えてきましたが、今日は少しびっくりしました。36度台で比較的元気な方が、同僚がインフルエンザだったので・・・ということで、「多分違いますよ」と言いつつ検査をしたら陽性でした。
「そんなことあるか!」・・・と思いましたが、インフルエンザキットは感度が70%くらいの割に特異度は97%くらいありますので、陽性の場合はほぼインフルエンザ・・・。
そんな印象の患者さんが続いたので、検査の閾値を下げざるを得ませんでした。せめて37.5度くらいの発熱はしていてほしい(汗
さて、大学病院の労働基準監督署の指導が続く中、こんな記事が出ていました。日経メディカルです。
大学病院の医師には専門業務型裁量労働制を全国医学部長病院長会議の山本修一氏に聞く
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t301/201801/554520.html
2018/1/22
(中略)
要望書には、主に3つの点を十分に議論してほしいと記載した。具体的には、(1)大学病院で働く医師のように、診療をしながら教育、研究も行う医師という仕事の特性に十分配慮すること、(2)大学病院の医師が意欲と希望をもって診療、教育、研究に打ち込むことができるよう配慮すること、(3)医師の負担軽減のために医師事務作業補助者などを活用したり、他職種へのタスクシフティングなどを十分に行えるよう制度的、財政的支援をすること――だ。
(中略)
一方で、助教以上の臨床系教員については、「専門業務型裁量労働制」を選択できるようにするのがよいのではないかと考えている。全ての医師ということではなく、あくまで大学病院に勤務する臨床系教員に限った話だ。
――専門業務型裁量労働制とは?
山本 業務遂行の手段や時間配分などを労働者の裁量に委ねる必要性が高い、専門的な業務に適用される制度で、弁護士や公認会計士など19業種が対象となっている。
要望書にも書いたが、臨床系教員の医師が教育や研究を実際に行う際には患者の診療を行いながら行う必要があり、診療、教育、研究の3つの活動がそれぞれモザイク状に混在している。つまり、診療しながら同時に学生や研修医の教育を行い、また診療の結果は臨床研究になる。要望書には「モザイク」と記載したが最近では「紙の表裏」と表現するようにしている。どこからどこまでが診療で、ここからが教育だ、研究だ、と切り分けることは不可能。我々は、大学病院で勤務する臨床系医師は「専門業務型裁量労働制」を選択することで、実態に即した働き方ができると思っている。
実は、全国医学部長病院長会議に所属する施設は80施設あるが、このうち20施設が専門業務型裁量労働を既に採用している。その多くは国立大学だ。この方法を採用するためには、その地域の労基署にこの働き方を認めてもらう必要がある。しかし、私はこういったローカルルールで認められるような状態ではなく、全ての大学病院でこの専門業務型裁量労働が選択できるようにしてほしいと考えている
(中略)
一方で、大学病院に勤める医師は、過酷な労働条件で、給料がそれほど高くなくても懸命に働いている。それは高度な診療で教育、研究ができるという点に魅力を感じているからに他ならない。日本の医療を引っ張っているのだという自負もあるだろう。そもそも「医師が労働者である」というくくりに疑問は感じるが、高い専門性を発揮し、教育や研究がしやすい環境になるよう、やる気のある医師のモチベーションをくじくような制度改革にならないよう、十分に配慮して検討してほしい。
専門業務型裁量労働制について詳しく知らなかったので、調べてみました
厚労省のホームページ
「業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度です」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/senmon/
東京労働局
労働政策研究・研修機構
- 裁量労働制とは、業務の遂行方法が大幅に労働者の裁量に委ねられる一定の業務に携わる労働者について、労働時間の計算を実労働時間ではなくみなし時間によって行うことを認める制度です。
- 裁量労働制には、専門的な職種の労働者について労使協定によりみなし時間制を実施する「専門業務型」と、経営の中枢部門で企画・立案・調査・分析業務に従事する労働者に関し、労使委員会の決議によって実施する「企画業務型」の2種類があります。
http://www.jil.go.jp/rodoqa/01_jikan/01-Q06.html
読んだ限りでは「みなし労働時間」を策定して、少しでも勤務したらその日は働いたということになりますが、何時間残業しても個人の責任ということでしょうか。
提携すれば残業時間が「固定で何時間働いている」という形にもできるようですが、多分働かせる側としてはそういうことを考えていないような気がする(汗
良いように考えると、今は残業代なども出ないようになっているので、固定で少しでも出るように制度変更する。
例えば・・・大学病院の医師が基本的に長時間働く可能性が高いので、勤務時間を1日12時間などで設定しておけば、毎日4時間の残業代が出るようになり、25日勤務で残業が100時間に抑えられる。それ以下で働いても、それ以上で働いてもそこから先は自己責任。
ただし、今まで以上に給与などは出るようになる。
大学病院の医師の特権としてそういう制度にして、少しでも優遇できるようにする?
実際は残業100時間ではすまなさそうな気がしますが、100時間でも払っておけば・・・とか?
悪く取れば「自己責任」で働くので、労基署にはいられることもなく、指導される筋合いもないという体制にする?
考え方でだいぶ印象が変わりますが、なんともなぁ・・・と思いました。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
http://blog.with2.net/link.php?602868
人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします
それでは、また。
このままでは 医師になりたがる学生がいなくなるから、かな?
残業手当が出る・今の倍の給料にする。 だから時間延長してくれ と言われて、喜んで長時間勤務をするとは思えません。
自己啓発の時間も必要だし、家族とすごす時間や趣味に費やす時間もなくては いい仕事なんかできるわけがない。
今時 金持ちになりたくて医師になるとか、医師は給料がいいからなりたいとか、そんな能天気はいないでしょう。
欲や企みがあるとしたら、結果的に続かないんじゃないかしら。
そりゃあまあ もらえたらもらえたに越したことはないけれど、医師は誰でも「命を助けたい」から掛け値なしに頑張れるのだと思います。
患者のために何ができるか。 そのために研究や勉強が必要なんですよね。
幸いにも 今はいい担当医に恵まれています。
なかなか質問を聞いたりする時間はないけれど、血液内科医も腎内の医師も呼吸器も、かかりつけクリニック医師もみんないろいろ配慮してくださるし 専門領域じゃない病の方も考えてくださる。
何より 私の気持ちを優先に重んじてくれます。
アンフェタ先生もまた 私に知恵やアドバイスをいただけて‥ 恵まれた患者だとつくづくありがたく感じます。
医師に大切なことは、研究や研鑽以上に 患者に寄りそう気持ちです。
労働環境を整備していくのは必要なことだけれど、心くばりの出来る医師を育てていくことも忘れないで頂きたいです。
このところ 夜中にふくらはぎがつって飛び起きちゃいます。
ちゃんと戻さないままいたら 激しい筋肉痛みたいになり、くるぶしが腫れてしまいました。
向こう脛まで痛くなってカクカク歩きです。
冷えはテキメンに悪くなりますね。
ここから数日 猛烈な寒波がくるとのこと。 北海道はつらいですね。
あたたかーくして 著書進めてください。
昨年、一時退院中に娘が罹りました。
普段、平熱が35度台前半なのに急に37度を超えてきて、周りで流行っていたので念のため検査をしたら見事に陽性(^^;
本人はとっても元気で、その日も検査後に都内へ遊びに行く予定でした。もちろん家へ引き戻しましたが(汗)
そして私は念のため予防タミフルを。
入院中にも院内発生で予防タミフル。
昨シーズンは罹ってもいないのに2度もタミフルを飲んだ私です(苦笑)
昔、検査キットが出る前は、微熱くらいだったら絶対分からなかったですよね・・・
患者数の増加は検査の精度が上がったからというのもある気がします。
それは、癌などの疾患も同様ですが。
専門業務型裁量労働制っていうのがあるんですね?
私の業種(税理士法人勤務です)まさしく該当してます。
小規模な事務所なので、全く取り決めはありませんが、自然とそんな感じの働き方になってる気がします。
勤務時間はかなり自由ですが、自分の担当業務は決まってるので、終わらなければ休日や深夜に家で仕事することも多々あります。
ただ、自分の工夫次第で時間短縮できるし、スケジュールは組みやすいのでそれは助かってます。
給料も勤務時間というよりは、内容や稼ぎに応じて考えてくれます。
でも、この働き方は医師には難しいですね・・・
現在指定されている業種は、比較的自己コントロールが可能な業種ばかりな気がします。
医師は違いますよね・・・特に大学病院は。
患者の人数は予測不可能だし、頑張ったって治療がうまくいかないこともあるし、研究も結果が出せるかはやってみないと分からないし、教育も受ける側の能力に左右される部分が多いし。
勤務時間や内容に見合う報酬って、どうやって計算するの?って思ってしまいます。
現実として、せめて診断書等の書類作成くらいは、先生に手数料が入ればいいのにな・・・とか思います。
病院に払う手数料の何割・・とか。
大した金額じゃないですか?(汗)
お願いする側としては、先生に直接払いたいです!
素人考えですみませんm(__)m
先生たちが、モチベーションが下がらない程度の報酬が得られて、適度に休めるようになるといいなと思います(^-^)
おはようございます。コメントありがとうございます。
おっしゃる通りで長時間勤務はお金で続けることはできないと思います。僻地で一人勤務医として働く方に、24時間、365日のオンコール体制で4000万出しても続かないですしね。精神も体も人間関係も維持できないと思います。
おそらく大学病院では「結局働くことになる」という考えから出ているんだと思いますが、悪いやり方をすると色々できるなとも思っています。
医師は常に自己研鑽の時間が必要ですし(他の職業もそうだとは思いますが)、教育や研究も日本の将来のために必要なものですので、その体制づくり・システムづくりを国にはやっていただきたいとは思います。
先日、職場の人からたまたま受診した医師に関して色々な愚痴を聞きました(笑
「先生はそうやって教えてくれるけど、そういう説明なしに脅すだけ脅して紹介状渡すんです」
色々な医師がいますので良い医師が周りに多いというのはいいことだと思います。
こむら返りに僕は芍薬甘草湯をよく使います。腎不全があったら使えないということはないとは思いますが、続くようでしたら腎臓内科医の先生とかに聞いてみてください。漢方薬に詳しくない先生だと、「責任が持てないから、ごめんなさい」ということもあります。それはそれで正しいです(患者さんのいう通りに処方する医師はいかがかと思いますし)。
また、コメントいただければと存じます
おはようございます。コメントありがとうございます。
インフルエンザ、本当にはやっていますね。上に書いた方も比較的元気だったのですが、見事にインフルエンザでした。今回はそういう方が多い印象はあります。
予防タミフルも重要です。アメリカではHIV患者などで予防投与を推奨していますが、同様に免疫力が低下している血液疾患でも行われます。
専門業務裁量労働制の実際を伺えて、参考になりました。実績中心ということですね。
まぁ、医師の実績を「研究実績」以外で評価は難しいです。診療能力や教育能力は研究とは全く関係ないですからね(笑
診断書作成で手数料みたいなものが医師に入る病院もあると聞いていますが、うちの母校はなかったですね。まぁ、そこは別の職種の仕事に切り替える方が良いのだとは思いますが(確認して印鑑を押すくらい)。
また、コメントいただければと存じます