新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療従事者数、医療システムの再検討が必要:今の医療は医療倫理に反していると思う

2012-10-05 22:09:24 | 医療

こんばんは

 

昨日は1年数か月ぶりに血液カンファに参加しました。参加する前にカルテを見て、いろいろ思うところはありましたが・・・。

ちなみに僕は自分の趣味として「医療」「教育」というのがあります。医療を趣味として学んでいるから、いろいろなことが楽しくて仕方がないわけです。患者さんのために貢献することも、知らなかったことが次々と繋がっていくのも楽しくてなりません。

 

教育という話、先程自滅さんのコメントにもありましたが、勉強できるところに人は集まると思っています。

 

僕は自分自身で学ぶのも好きですが、自分の同じ時期よりも教える相手が「できる」状態になる、「青は藍より出でて藍より青し」と言いますが、そういう状況になるのがとても好きです。自分の存在価値があったと思えますので。

こういうタイプが「教師向き」なのだと僕は思っています。

 

自分が教えた人間が自分を越えていくというのが続けば続くほど、その人は広い範囲に貢献していることになるのだと思います。

 

そういう意味で自滅さんの話にありました「松村理司」先生のような教育者は素晴らしいと思います。

 

まぁ、教育の押し付けというのも嫌われるのでしょうけど。

 

さて、今日の記事です。CBからです。

国立・労災病院、総人件費抑制見直しを- 新法人制度在り方検討会で論点整理

 厚生労働省は4日、国立病院と労災病院のそれぞれの運営法人が2014年度から移行する新法人制度の在り方を検討している検討会の会合に、現行の総人件費の抑制の見直しなどを提起する論点整理を示し、おおむね了承された

 同省は11月、検討会に論点をまとめた報告書案を示し、年内にも報告書を取りまとめる。

 国は両法人を含むすべての独立行政法人に対し、06年度から11年度まで、前年度比1%の総人件費の削減目標を課した。しかし、病院を運営する法人をめぐっては、患者の診療環境を整えるため、医師や看護師らを雇う必要があり、一律の削減目標の設定を疑問視する声が上がっていた。
 4日の会合に厚労省が示した論点整理では、医療事業を行う法人の総人件費の管理は適切でないとする意見もあると指摘し、新しい法人制度では患者のために必要な人員配置を認める必要があると訴えた。

 また、国立病院と労災病院に新制度移行後も政策医療を担わせるほか、政策医療の定義を社会環境の変化に合わせて適宜見直すことを提案。新法人の役員については、医療事業を担う法人の特性を踏まえて、専門的な知識や経験を持つ人を着任させる方法を検討すべきとした。

 これに対し、堺秀人委員(慶大病院長補佐)は、「人員や人件費の縛りがあると、医療制度の変化に適応するのが難しくなり、結果として医療の提供が不十分になる可能性がある」と述べ、人件費に制限を設けないことが患者のためにもなると指摘した。また、夏目誠委員(成田国際空港会社社長)は、総人件費の抑制を外すことに賛同した上で、「必要な医療従事者を効率的に配置するには、仕組みづくりに知恵を絞らないと、医療現場にふさわしい形になっていかないのではないか」と述べ、新たな基準の設定を提案した。【佐藤貴彦】

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ちなみにうちの病院は普通の大学病院に比較して人が少ないといわれております。特定機能病院の定められた人員数を満たしているのかといつも不思議に思っていますが・・・まぁ、満たしているのでしょう・・・ぎりぎり。

少なくとも看護師数と放射線技師数は特定機能病院の中では一番少ないですしね。多分医師数も少ないのでしょう・・・。

 

人員が少ないといろいろなところにひずみが来ます。本来できる診療も「人が足りない」という理由で実施できないこともあるかもしれません。それは本来は医療倫理に反することですが、日本という国全体がそういうリスクを抱えて医療をしているのだと思っています

 

先日、少しアメリカの医療を見る機会がありました。向こうのドクターの方とも話をして(というか、こちらがかたことでしか話せないので、聞いていたという方が正しいのですが)、救急の現場を見させてもらってアメリカと日本は違うと実感しました。そして一番思ったのは「医療従事者がやはり多いよね~」ということです。

 

資格の有無にかかわらず、本当に医療現場で働く人の数が多かったです。それは実感しました。

 

やはり日本という国は、第2次世界大戦のころからそうだと思いますが・・・後方支援とかそういう分野をおろそかにする国ですよね。今でいえば経済などを中心に据えて、それを本来支えているはずの「医療・社会福祉」や「教育」には力を入れていない。人によっては民間と国を合わせれば教育や研究というものに費用は十分出しているというかもしれませんが、OECDのDataでも明らかなように「国の出す研究費・教育費」は諸外国と比較して少ないです。医療費なども同じですよね。

 

そういう意味ではこの記事に書かれているように、もう一度システムを考え、本当に必要な医療従事者数と本当に今働いている医師数・看護師数などを把握することが大事だと思います

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

 

P.S

今日の日経新聞に米軍と自衛隊がグアムかどこかで合同訓練という記事がありました。さて、この先尖閣のことはどうなっていくのやら・・・

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