さて、一つだけ記事を追加します。
以前より(研修医のころには)医師数を増やすべきであると思っていましたが、その為には大学医局の改革が必要というのが僕の考えでした。
医師を養成するためには養成する教員や場所が必要だからです。今の日本の医学部にほとんどその余裕はないです。
日本医師会はそのことすら認識していないのではないでしょうか?
因みに血液の分野でも「基礎研究」がだんだん下火になりつつありますが、T大とK大(2つ)は大丈夫だろうと思っていました。けど、T大もだんだん厳しくなってきているというのが実情だと伺いました。
地方の大学ではもはや・・と思っていましたが、そこまでやられつつあるか・・・というのが僕の実感です。
その状況下で何ができるのか・・・ということが1つめ。
もう一つはすでにむちゃくちゃな状況で医療は提供されている。外来は3分間診療で良いのか?
確かに一部の医師(たまたま話を聞いた)が言っていたように「これ以上医師が増えたら、歯科医師の二の舞になる」ということもあるのかもしれませんが、患者さんを第一に考えるとどうするべきなのか・・・。
もっとも、僕が考えているようなことをやるためにはやはり国民の負担を増やすか、本当に医療が必要な人に制限するかしないといけないのかもしれませんが…それを行ったとしても、今の医師数では将来が見えないと思います。
日本が経済大国になって、本当はさらに発展する可能性があったのに、悪い意味で保守に走って(一言で言うなら、昔良かったから真似をして…というレベル)落ち目になっているように、医療も世界一と言われてきたのに、これから落ちていこうとしているように思います。
人が育つ環境ではなくなってきている。
某有名な先生が「臨床も研究もできるような状況ではなくなった」と、僕が研修医の時に言っておりましたが、たぶんそれは事実。患者さんや家族に対する説明などに使用する時間が山のように増え、臨床の合間に実験をするというのはなかなか難しいと思います。
臨床も研究も両方やるのは事実上無理なら、分けるしかない…。もしくは一人当たりの担当患者さんを減らすしかない。
そう僕は思うのですけど、その為には人が必要なんです。未来を見据えるためには。
今だけでなく、今以上に忙しくなるであろう未来のために・・・。
今後の医師養成数は? 医学部定員の議論がスタート
医療介護CBニュース 12月22日(水)20時51分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101222-00000013-cbn-soci
人口当たりの医師数や医学部定員の推移、「地域枠」の取り組み状況、厚生労働省が行った必要医師数の実態調査結果などについて事務局の説明を受けた後、現状の問題認識に関して意見を交換した。
「地方の立場から言えば、医師は全然足りない」と強調したのは、全国知事会を代表して出席した平井伸治・鳥取県知事。臨床研修制度で地方に医師が集まらないといった地域差を指摘し、「国全体というマクロの視点だけでなく、ミクロの視点も含めて判断いただきたい」とした。ほかにも、基礎研究や産婦人科などの特定診療科、医薬品開発といった分野での医師不足を訴え、養成数を増やすべきだとする声が多く上がった。
ただ、教員や設備など各大学の受け入れ体制については、近年の定員増に伴い、「限界に達しているのではないか」(矢崎義雄・国立病院機構理事長)との指摘も。今井浩三・東大医科学研究所附属病院長は、「(既存医学部の定員増より)新設の方が、ずっと(話が)早いのではないか」と述べた。
一方、既存医学部の定員増で対応すべきとする中川俊男・日本医師会副会長は、将来的に医師数が充足することを考慮して「医学部新設はあり得ない」と反対。黒岩義之・全国医学部長病院長会議会長は、全体の養成数を増やすこと自体には肯定的な立場ながら、「これまでの定員増で、人口千人当たりの医師数がOECD(経済協力開発機構)加盟国の平均を超える時期も来るだろう。少子化の中での医学生の質の確保、卒業後の定着率など、総合的な視野が必要だ」として、慎重な議論を求めた。
このほか、医師の偏在や、医学部の「出口」である臨床研修制度の課題、女性医師のワーク・ライフ・バランスといった論点が出された。
検討会は、医師不足や高齢化の進展などを踏まえ、将来の医学・医療ニーズに対応した医師養成を図るため、過去の定員増の検証などを含めて調査・研究を行う。1年をめどに結論を出したい考え。委員は国公私立の大学や市中病院、自治体、産業界、患者会などの代表20人で構成し、この日の会合で慶応義塾学事顧問の安西祐一郎氏を座長に選出した。
文科省によると、今年度の医学部定員は8846人で、来年度はさらに8923人に増員する。定員の抑制方針が取られていた07年度(7625人)に比べ1298人の増。