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新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療の限界を考えて欲しい

2009-12-18 22:58:49 | 医療

こんばんは

 

今日もバタバタした毎日でした。

後輩とは

「患者さんが減ったら、また患者さんが増える。そんなもんだね」

と話をしていました。

 

 

本日は…先日、サリドマイドを導入してほしいと紹介された患者さんのサリドマイド導入のための来院日でした。

 

前回、1時間以上かけて(今回のことがあったので)・・・自分でもこれでもか…というくらい説明をして、すべて紙に書いて…予後の説明までして・・・・(血小板も下がって末期状態の状況で・・・シビアなことをきちんと言わなかったらなに言われるかわかったものではない。患者さんに直接は言わなくても、家族にはキチンと言わないと)。

 

 

そして今日・・・・。

Pain Controlがまともにされていないので、NSAIDsを定期的に使うのとゾメタの点滴を行い、状況に応じて麻薬も使用する・・・・という話を、紙に絵を書いて説明していたのですが・・・(まぁ、一般的に骨痛だからNSAIDsの方が効くのでしょうけど)

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「先生、先週その話を私たちは伺いましたでしょうか?

「・・・・・紙に書いて渡してますよね?」

「あら・・・・。全く記憶にないです」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

紙に書いて渡しても、一時間話をしても都合のいいところだけしか・・・やはり記憶にないのだろうか?

 

 

その後、2時間かけて話をして(結局、昼飯は食べられず)基本的なことを理解をしてもらい・・・・

 

と、やっているうちに外来をやっている先生から

救急車来るので対応を頼む

と言われました。

 

 

90代のCLLの方が心不全でリザーバーマスクできました。

聴診の時点で

「Wheezeも聞こえるし、Coarse cracklesも聞こえるし…起座呼吸であることも含めて心不全かな」

ということで、5%ブドウ糖液で点滴ラインをとって、心電図・胸部単純写真を撮影して入院しました。

 

 

そこで家族が言った一言が・・・・

「うちの周りは90歳以上まで生きている人が多いから、まだまだ生きると思っているのですが・・・。先日も脳転移、肝転移した肺癌の親戚が改善して実際言われた余命よりも長く生きて年を超えられそうです・・・・

 

・・・・・・

 

Hb5台で、血小板も2万以下のCLLの予後が数年というのは・・・いくらなんでも医療従事者に厳しいと思いますが・・・・。

 

しかも、エンドキサン、フルダラビン…その他を使用して今まで頑張ってきたというのが実際だと思うのだが・・・・。

 

「とりあえず、心不全の治療をしなくてはCLLの治療もできませんので、心不全の治療をこのような形で行っていきます」

 

説明に対して、病状・治療方針その他も納得されて・・・この数時間の間に全身状態は改善しつつありますが・・・・その後はどうするのだろうか・・・。

 

医療に対して「医療の進歩は素晴らしいから何でもできる」という典型的な方ではないだろうか?

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

そんなことを考えながら1日過ごしていました。

 

 

明日は名古屋に教授のカバン持ち(?)で行ってきます。

久々に病棟からは離れます。

 

では、また。

コメント (4)
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医師の需給状況の把握などができていないなら偏在と書かないでほしい

2009-12-18 00:19:28 | 医療

こんばんは

 

今日も一日忙しかったのですが、新患が一人も来なかったこともあり余裕のある外来でした。

 

誕生日の話など、世間話も交えながら患者さんたちを診察していく中で、何人かの患者さんが笑顔でいろいろ話されていました。

 

「先生の説明はわかりやすいから助かります」

とか

「先生とは世間話もしやすくて、質問もしやすい」

など…いろいろ言ってくれるのですが…どうしても「ここにいない人」の存在が気になります。カルテに書く内容も「患者さんに対する信頼」ではなくて、予防線を張るようになりました。

 

・・・今日はいつもと異なり新患がいなかったことで(急患はいたけど)、何人かの患者さんとゆっくり話すことができました。

 

外来の最後の患者さんは1時間しっかり話しましたよ。

 

多発性骨髄腫に対して汎血球減少が進行していたことと、若かったこともあり大量デカドロン療法で現在PRですね。

で、今後の治療方針として「自家移植」にいくか「ベルケイド+デカドロン」を使うか「サリドマイド」を使うか・・・。

 

何がどれだけリスクがあって、どういう治療効果があるのか。自分自身で選択してもらうために、1時間話をしました。逆に複数の選択肢がある場合(最初の治療は大量デカドロンで行くのは決めていましたが)自分で選択してもらうためには1時間くらいは説明しないとわからないです。

 

 

結局、外来での短時間の会話では覚えている内容も限られています。

 

今回のように「選択」をしてもらうためには1時間は必要です。

病気を理解してもらうためには…つまり新患の患者さんには「30分」は時間が必要です。

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初診の患者さんの場合、それゆえに非常に時間がかかります。ただ、逃げるために僕は水曜日の午後に空いているブースで説明が必要な人とサリドマイドの処方はしています。

 

さて、今日はこちらの記事を・・

 

 

医師の需給状況の把握などが課題-総務省委員会が答申

12月17日18時8分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091217-00000004-cbn-soci  

 

総務相の諮問機関の政策評価・独立行政法人評価委員会(委員長=岡素之・住友商事会長)は12月16日、「重要政策の評価結果」を原口一博総務相に答申した。医師確保対策と地震対策がテーマで、医師確保対策では、医師の需給状況の把握や偏在の是正に向けた取り組み、評価に必要な基礎的なデータの把握などが課題だと指摘。原口総務相は同日、長妻昭厚生労働相と川端達夫文部科学相に対し、答申内容を通知した。  

 

同委員会は昨年11月、経済財政諮問会議が医師確保対策などについての評価を求めたことから、評価に向けた取り組みを開始。医師確保対策に関して厚労省と文科省が実施した政策評価について審議を行い、課題をまとめた。  

 

医師確保対策に関する評価結果では、▽基礎的なデータが把握されていない▽医療行政に関して収集されている統計データが評価に有効に活用されていない▽地方公共団体による効果的な取り組みに関する情報が体系的に収集し整理されていない―ことが、基本的な課題だと指摘した。 課題のポイントでは、「医師数の決定」と「医師の偏在是正」の2点を示した。  

 

「医師数の決定」では、▽地域別・診療科別の医師の需給状況の把握医師配置基準の検証▽医師の需給推計-などについて、課題があるとした。 

「医師の需給状況の把握」では、「地域別・診療科別に医師の需給状況を把握するシステムがないことが、医師不足問題を深刻にさせた面を否定できない」と指摘。地域別・診療科別に需給状況を定量的に把握することが必要だとした。 

医師配置基準の検証」では、「一般病床患者16人に医師1人、外来患者40人に医師1人」とする現行の基準が1948年以来見直されておらず、「医療の高度化、医療ニーズの変化に対応していないことも十分に考えられる」とした。さらに、医師配置基準の医師数が、適切な勤務時間を前提としたものになっているか検証する必要があるとしている。 

 

また、「医師の需給推計」については、将来の医療ニーズの変化と医師の勤務形態の多様化などによる医師需給の動向を予測し、いつまでにどのような地域・診療科の医師数を増加させる必要があるのかを判断するための材料としても活用できるものにすべきとした。  

医師の偏在是正」では、「現在、医師の総数の増加が行われつつあるが、医師の偏在の是正が的確に行われなければ、場合によっては、偏在が拡大し、医療ニーズに的確に対応できない可能性もある」とした上で、▽医師のサポート体制の強化▽患者側の受診の適正化▽産科医療補償制度▽特定の診療科を希望する学生等への奨学金▽医療機関の役割分担と集約化―などが課題とした。 

「医師のサポート体制の強化」では、「医師をサポートする各種職域の医行為に関する規制緩和など医師のサポート体制の強化による勤務医の負担軽減効果」に留意すべきと指摘。 

 

また、「患者側の受診の適正化」は、医師確保対策の効果的な推進にも寄与するとし、患者自身が受診の在り方を見直した地域の取り組みなどを「ベストプラクティス」として普及すべきとした。 

「産科医療補償制度」では今後、補償対象の範囲や掛け金の妥当性を含め、制度の効果について検証する必要があると指摘。 

「学生等への奨学金」では、大学での地域枠や、小児科や産婦人科などの特定の診療科勤務を希望する学生などを対象とした奨学金などがあるとし、効果を検証すべきとした。 

「医療機関の役割分担と集約化」については、日本は欧米と比べて病院・病床数が多く、医師の分散が、過重労働や高度医療に対応できない現状につながっているとの指摘があるとし、「医療機関の役割分担と集約化の取り組みにより、地域全体で必要な医療を確保するという具体的な効果がないか検証する必要がある」と指摘。また、「地域の医療現場における専門治療に当たる医師と日常の診療を行う医師との役割分担と連携について留意すべき」としている。

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医師の需給状況の把握、医師配置基準の検証、医師の需給推計がわかっていないのに医師の偏在と書かないでほしい

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なかのひと 

なんか疲れやすくなりましたかね・・・・。

それでは、また。

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