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山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

旅から旅へ山山の雪

2010-03-21 21:21:14 | 文化・芸術
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-日々余話- 舞禅-まいぜん-とや

今日の稽古を明日に振替えて、まことに久方ぶりのドーンセンターへと出かけた。
写真の如き件のEventに、インド舞踊の茶谷祐三子が出演しているためである。
チラシには「はてしなきインド文化の流れの<うち・そと>ジヤンルを超えて共演」とあるが、出演の顔ぶれは此方の食指をそそるようなものではない。出番はプログラムの2番目だという彼女の舞台のみを観て、あとは客席ロビーでのんびり過ごす。

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彼女の作品は創作・舞禅-まいぜん-と謳い、神奈川からクラシツク系のDancer大谷綾子を招き、Duoを踊つた。時間は10分弱、結果からみると、一定のまとまりある世界を構築するにはなおもう一展開あるべきところで、些か尻切れトンボの印象に終った。

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茶谷自身もClassicの基礎は有しているものの、インド舞踊や瞑想的即興を主軸としてきたこの20年に、その動きはClassic的なるものとはずいぶんと遠離った世界と化している。いわば異質の動きを有する二人が、舞禅としてどのような共同作業をなすかと考える時、たんに心象風景的なものを共有すれば事足りるというものではないだろう。そのあたりに発想の甘さが潜んでいたように見受けられた。
今後、この二人が同じ地平をめざして共同作業を続けていこうとするなら、その核となる部分でお互いの変貌が必要なのではないか。


-表象の森- 顔真卿/送裴将軍詩、続編其ノ3

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「奴不敢敵、相/呼歸去来。」

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「功成報天子。/可以畫/麟臺」


―山頭火の一句― 行乞記再び -09-
12月31日、快晴、飯塚町行乞、往復4里、宿は同前。

昨日は寒かつたが今日は温かい、一寒一温、それが取りも直さず人生そのものだ。
行乞相も行乞果もあまりよくなかつた、恥づべし恥づべし。
昨夜は優遇されたので、つい飲み過ごしたから、今夜は慎んで、落ちついて読書した。
此宿は本当にいい、かういふ宿で新年を迎へることが出来るのは有難い。

「年暮れぬ笠きて草鞋はきながら」、まつたくその通りだ、おだやかに沈みゆく太陽を見送りながら、私は自然に合掌した、私の一生は終つたのだ、さうだ来年からは新しい人間として新しい生活を始めるのである。

―以下、自嘲と前書した「うしろ姿のしぐれてゆくか」の外、句稿整理したとみえる21句を書き連ねた後に―
まづ何よりも酒をつつしむべし、二合をよしとすれども、三合までは許さるべし、ショウチュウ、ジなどはのむべからず、ほろほろとしてねるがよろし。

いつも懺悔文をとなふべし、四弘誓願を忘るべからず。-

 我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋癡
 従身口意之所生 一切我今皆懺悔
 衆生無辺誓願度 煩悩無尽誓願断
 法門無量誓願学 仏道無上誓願成

一切我今皆懺悔――煩悩無尽誓願断――

※表題句の外、21句を記す


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身にちかく山の鴉の来ては啼く

2010-03-20 23:26:56 | 文化・芸術
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-日々余話- 1年で11㎝!!

3学期も明明後日の終業式を残すのみ、春休み突入となったKAORUKO、4月には3年生だ。

1年で11㎝とは、この1年間で伸びた身長が11㎝という訳だが、第2次成長期ならいざ知らず、まだ8歳の彼女がこんなに急激な伸び方をするとはちょっと驚き。1年前の1月時点、123㎝だった彼女が、今年の1月にはもう134㎝という急成長で、どうやらクラスでも一番の成長ぶりのようだが、それにしても自分たちの子ども時代を思えば、近頃の子どもの発育リズムときたら、こちらの予測を超えてあまりあるというものだ。

身体の発育が急激なだけに、精神面での成長とのアンバランスが、親としては些か気にかかる。
以下、3葉の写真は、昨日、彼女が学校から持ち帰ったもので、この3学期に描いたらしい図画の作品だが、いずれをとってみてもまだまだ幼さが眼につくといった印象だ。どうしても心と身体の成長リズムは同期しないもので、先刻承知のこととはいえ、この発育上の齟齬に、面白がっては眺めつつも、ちょっぴり不安を覗かせもするのは、これぞ親心。

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A-芋掘りの絵、だという。
大きな芋を真ん中に、両足を広げて芋を掴み取る姿がクローズアップされている大胆な構図に感心、親バカを発揮して大いに誉めてやったところが、なんのことはない、どうやらあらかじめ先生がこんな構図で書きなさいとみんなに指導していたものらしい。

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B-栗とトンボは一目瞭然だが、画面中央を占めるのは、彼女自身に言わせると彼岸花とのこと。乱雑な描きぶりだが、そう聞かされてみれば合点はいく。

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C-たくさんの色づかいで、いったい何を描いたものか判じがたいが、カラフルな怪獣なのだという。
成程、上の途切れた部分は頭部らしく、黒く眼のようなもの描かれている。下には同じ色で尻尾らしきものも付いてござる。これまた先生から、色をいっぱい使って、カラフルな怪獣を描いてみよう、と課題を与えられたものと思われる。


-山頭火の一句― 行乞記再び -08-
12月30日、晴れたり曇つたり、徒歩7里、長尾駅前の後藤屋に泊る、木賃25銭、しづかで、しんせつで、うれしかつた、躊躇なく特上の印をつける。

早朝、地下足袋を穿いて急ぎ歩く、山家、内野、長尾といつたやうな田舎街を行乞する、冷水峠は長かつた、久しぶりに山路を歩いたので身心がさつぱりした、ここへ着いたのは4時、さつそく豆田炭鉱の湯に入れて貰つた。
山の中はいいなあ、水の音も、枯草の色も、小鳥の声も何も彼も。-

このあたりはもうさすがに炭鉱町らしい。
夫婦で、子供と犬とみんないつしよに車を引つぱつて行商してゐるのを見た、おもしろいなあ。

何といふ酒のうまさ、呪はれてあれ。
持つてゐるだけの葉書を書く、今の私には、俳友の中の俳友にしか音信したくない。

※表題句は、同前、12月31日付記載の句


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雨の二階の女の一人は口笛をふく

2010-03-18 06:50:54 | 文化・芸術
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-日々余話-Vital React

一言で云えば、カイロプラクテイツク-Chiropractic-の発展系といえようか、コンピユーター制御による機器導入で、不調の因となっている脊椎などへの手技施療から、より精度を高めた治療効果が得られるというもの。
身体が重い、或いは痛い、痺れが増す、とこのところ頻りに不調を訴える重度身障者の友人-岸本康弘-を車に乗せて、京阪電車の萱島駅傍にある風間鍼灸整骨院へと同道した。

施療前の頚部レントゲン撮影や施療システムの長い説明やらで、初診の日はずいぶんと時間がかかると聞いていたから、実際の施療に至るまでに、9時半に着いて2時間余を要したのにはさして驚きもしなかったが、やっと受けた施療の、そのシンプルさと時間の短さには、さすがに驚き入ったものである。

Vital-React-生命力の活性化、ようするに生命体本人の内在的な自然治癒力をα波などの微振動刺激で呼び覚まし、不調の原因を減衰させていこういうものだ。理屈の上からは、不調の改善、施療効果の可能性はあり得るだろうと推量されるが、実際の効果のほどは、数回通いながら本人の自覚で確かめていくしかないのだろう。

保険の適用範囲外の施療もあるから費用はどうしても少々かかる。症状によっては劇的な効果を得られる場合もあろうが、なかなかそうはいかない場合もあるだろう。費用対効果はcase-by-case、しばらく様子を見守るしかない訳だが‥。

-表象の森- 顔真卿/送裴将軍詩、続編其ノ2

石川九楊編「書の宇宙-№13」二玄社刊より

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「陣破驕虜/威聲/雄震雷/一射百馬倒」

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「千射萬/夫開。匈」


―山頭火の一句― 行乞記再び -07-
12月29日、曇、時雨、4里、廿日市、和多屋。

10時、電車通で別れる、昨夜飲み過ぎたので、何となく憂鬱だ、どうせ行乞は出来さうもないから、電車をやめて歩く、俊和和尚上洛中と聞いたので、冷水越えして緑平居へ向ふつもり、時々思ひ出したやうに行乞しては歩く。

武蔵温泉に浸つた、温泉はほんたうにいい、私はどうでも温泉所在地に草庵を結びたい。

※表題句は、同前、12月31日付記載の句


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枯草に寝ころぶやからだ一つ

2010-03-16 23:56:11 | 文化・芸術
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-日々余話- このところ酷使がつづく

徹夜した朝の2時間ほどを仮眠したあと、茫とした心身で、それでもパソコン相手になんとか残務をこなし了えた夕刻から、こんどは車に乗って、上六の都ホテルに向かった。
21階でバイキング料理に舌鼓しながら、とある打ち合わせに3時間。身体は重い感覚なのに、それでいて浮遊しているような‥、そんな感じでちょっとフラフラしながらkeyboardを叩いている。

その打ち合わせのタネは、下のチラシ画像

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―山頭火の一句― 行乞記再び -06-
12月28日、晴、汽車で4里、酒壺洞居。

9時の汽車で博多へ、すぐ市役所に酒君を訪ねたが、忙しいので、後刻を約して市街を行乞する。今夜はよく飲んだ、自分でも呆れるほどだつた、しかし酔つたいきほひで書きまくつた、酒君はよく飲ませてもくれるけれど、よく書かせもする。

市は市のようにハジキが多い、十軒に一軒、十人に一人ぐらゐしか戴けない、ありがたかったのは、途上で、中年婦人から5銭白銅貨を一つ、田舎者らしい人から1銭銅貨を3枚喜捨せられた事だつた。

この矛盾をどうしよう、どうしようもないといつてはもう生きてゐられなくなつた、この旅で、私は身心共に一切を清算しなければならない、そして老慈師の垂誨のやうに、正直と横着とが自由自在に使へるやうにならなければならない。

ああ酒、酒、酒、酒ゆえに生きても来たが、こんなにもなつた、酒は悪魔か仏か、毒か薬か。

※表題句は、同前、12月31日付記載の句


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しぐれて反橋二つ渡る

2010-03-14 23:26:24 | 文化・芸術
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-表象の森- 顔真卿/送裴将軍詩、続編

・顔真卿「送裴将軍詩」部分
 /石川九楊編「書の宇宙-№13」二玄社刊より

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「臨北荒、恒/赫耀英」
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「材。剣舞/躍游雷。随」
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「風榮且廻。/登高望/天山。白雲」


―山頭火の一句― 行乞記再び -05-
12月27日、晴后雨、市街行乞、太宰府参拝、同前。

9時から3時まで行乞、赤字がそうさせたのだ、随つて行乞相のよくないのはやむをえない、職業的だから。‥‥

太宰府天満宮の印象としては樟の老樹ぐらいだらう、さんざん雨に濡れて参拝して帰宿した。

宿の娘さん、親類の娘さん、若い行商人さん、近所の若衆さんが集まつて、歌かるたをやつてゐる、すつかりお正月気分だ、フレーフレー青春、下世話でいへば若い時は二度ない、出来るだけ若さをエンヂョイしたまへ。

※表題句は、同前、12月31日付記載の句


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